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2021年2月5日

 

 

 

 

本日の日記はクイナの観察記。

 

今回は先ず始めに図鑑で見るクイナの解説から。

手持ちの図鑑を参考にしてみると『夏鳥として北海道や東北地方で繁殖し、それ以南の地域では冬鳥として渡来する』という記載があります。

 

そのため私にとってクイナは春から秋にかけて見られる夏鳥という認識でした。

 

 

初めての出会いは2012年9月30日。

自宅近くの水辺に車を止めてコヨシキリを観察していたところ、葦原のなかを移動するクイナを発見。

 

 

当時の私にとってはド珍鳥。

そのため数カット撮影したところで先輩方に慌てて連絡を入れましたが、同時に真っ黒い綿のような雛も2羽目撃。

 

タイミング悪く電話中に出てきたため残念ながら撮影には至りませんでしたが、夏鳥として渡来するクイナが秋の渡りの頃に小さな雛を連れていた事に首を傾げていました。

 

夏鳥として繁殖しているのであれば、秋には親鳥と同じような姿格好をしていてもおかしくはないはず。

 

 

この不可解な観察例から約3年、警戒心が強いだけではなく人目につかないような環境で暮らす鳥とあってその後はなかなか観察の機会に恵まれませんでしたが、再び巡ってきた観察の機会は想定外の真冬でした。

 

2016年1月、鳥友さんのツイートを見て吃驚仰天。

 

 

夏鳥として見られるはずのクイナが真冬に確認されたことは私にとって青天の霹靂。

 

頂いた情報を元に現地に向かってみると確かに葦原のなかを動くクイナの姿が。

しかし開けた場所に出てくることが無かったため撮影した画像を改めて見てみても一体何を写したのか分かりません。

 

 

写真としては残念な結果でしたが、自分の目で確認できたことにより「クイナは夏鳥」という定説が覆されました。

 

その後クイナを撮影できたのは一度きり。

県南の内陸地域をドライブしていたところ側溝のなかを移動する姿を目撃し撮影を試みましたが、広角レンズでの撮影だったため証拠写真に留まりました。

 

 

そして今回、越冬個体を探してみようと雪を掻き分け雪中行軍。

 

雑食性の強い鳥と云えど完全に凍ってしまった水辺では生息環境から外れると考え、真冬でも凍らないような環境を探すところから始めました。

 

最初に捜索を行ったのはこの様な環境。

 

 

一年を通して少量ながら水が流れているようで、周囲は藪が混んでいてクイナが身を隠し易そうな環境です。

 

警戒心の強い鳥ということもあり下手に動くと仮に生息していても姿を見せない可能性が高く、寒さに耐えながらひたすら待つことにしました。

 

寒さは厳しかったものの時々雪の降る曇天で、辺りは薄暗く半夜行性のクイナを観察するにはもってこいの条件。

 

 

暫く待つと藪の奥で黒っぽく見える鳥が動いてる姿を確認。

クイナに間違いありません。

 

ここで不用意に動くのは禁物。

せっかく出てきたクイナが藪の中に身を潜めてしまいます。

そのため我慢の一択で微動だにせず待っていると・・・

 

 

徐々に近付いてきたクイナが目の前で採餌を始めました。

 

しかし藪が混んでいる環境ということもあり撮影は至極困難。

例えばこちらの場面。

 

 

撮影は全てMFで行いましたが、いつもの癖でAFボタンを押してしまうとファインダー越しに見る画面はこの様になってしまいます。

 

 

とてもではありませんが三脚を使うような状態ではなく、手持ちでピントリングを回しながらの撮影はかなり難儀させられました。

 

下手に身動きも取れませんし難しい条件での観察でしたが、クイナは藪の中にいるせいか安心している様子です。

 

採餌方法は水中に顔ごと突っ込むことがほとんど。

 

 

食べる瞬間は尽く枝の影になってしまい残念ながら何を餌としているのか見て取ることが出来ません。

 

唯一こちらの画像では何かを飲み込む瞬間を捉えていましたが、肝心なところでピンボケになってしまい結局のところ分からず終い。

 

 

あちこち動き回りながら採餌をしていましたが、凍ってない場所を選び周回するように行動していたことから定期的に姿を見ることが出来ました。

 

 

今回この様にして越冬個体を確認出来たところでふと思ったのが「この個体は留鳥として生息する個体なのか?」ということ。

 

例えばノスリのように一年を通して同じ場所で暮らす個体も居れば渡りを行う個体も見られます。

 

それを踏まえ考えてみると日本よりも北の地域で繁殖した個体が冬鳥として渡来している可能性も否めません。

 

また季節により国内で移動している個体がいてもおかしくはないので日本で見られるクイナは留鳥・漂流・夏鳥・冬鳥のどれにも当てはまると思います。

 

 

そんな事を考えていると離れた場所から聞いたことも無いような鳴き声を耳にしました。

活字ではなんとも表現し難い鳴き声で、そちらに移動してみると声の主はクイナと判明。

 

クイナは色んな鳴き声を発するようです。

観察場所が変わったので、こちらの環境も撮影。

 

 

葦原ということでこちらの方がクイナらしい生息環境だと思います。

 

おかしな鳴き声を発した個体を撮影することに成功しましたが、唯一開けた場所で撮影できた画像となりました。

 

 

腰の部分が一部白っぽく見えるのは小さな尾羽。

 

観察経験が少なく実際のところどの様な鳥であるのか分からないので数冊の図鑑を参考に調べてみたところ、クイナは尾羽を立てることが多い鳥のようです。

 

尾羽を立てている様子が分かり易い画像を残すことができたのでそちらを拡大。

 

 

体の割に小さくおまけ程度の尾羽が可愛らしく見えます。

 

葦が密集した場所で採餌をしているようでしたが、私が立っている位置からはほとんど見えなかったことから忍び足で近寄ってみることに。

 

警戒心の強いクイナに対して一か八かの行動でしたが奇跡的に成功。

採餌に夢中だったことが成功の要因となったのかもしれません。

 

しかし撮影できた画像は全てこの様な状態。

 

 

格子状に葦が写るので顔が見えないことが多く、凄まじい連写をしたにも関わらず残せた画像は僅か数枚でした。

 

こちらの画像も拡大。

 

 

雪が積もり枯れた葦が疎らに残っている環境では赤い嘴が非常に目立ちます。

そのためこちらで観察する際にはこの嘴の色を頼りにクイナの動きを見定めていました。

 

この場所では葦の付け根に嘴を挿し込み何かを食べている様でしたが、残念ながらこの時も何を餌としていたのか分からず・・・

 

 

採餌に関しては残念な結果に終わってしまいましたが、約5時間ほど観察できたことによりクイナの生態についてほんの少し学ぶことができました。

 

あまり人目に触れない環境で暮らす鳥ということもあり、雪融けが進み行動範囲が広くなると狙って観察することは出来なくなるでしょう。

 

雪融けが進む春までの間、他の個体も含めもう少し生態に迫った観察ができればと思います。

 

 

最後の画像はこの日一番悔しかった瞬間の写真を・・・

 

 

本日の日記はこれにておしまい。