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2021年4月4日 14/11℃ 雨

 

 

 

 

3週連続で雨の日曜日。

 

先週は旅行記の更新に時間を割いてしまったことから、今回の日記は先週末に観察していたコウノトリの観察記を公開したいと思います。

 

 

既にご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、先月下旬コウノトリが2羽飛来したと地元紙が報じていました。

 

紙面に目を通すと2羽のうち1羽は千葉県野田市から放鳥された個体のようです。

 

気になるのがもう1羽。

そちらは足環が付いてないとのことで、大陸から渡来した個体なのか放鳥個体同士がペアとなり繁殖した個体なのか・・・

 

 

過去に秋田県内で観察したことのあるコウノトリはいずれも放鳥個体で足環が付いていました。

人工繁殖により放鳥された個体は野鳥に属さず、県内で自然渡来した個体を観察した経験はありません。

 

唯一、野鳥とされるコウノトリを見たことがあるのは旅先の石垣島のみ。

 

今回県内に飛来した個体が自然渡来によるものであれば、個人的な記録として県内初観察となり、生態に違いがあるものかも含め気になる点が多かったため現地へ駆け付けてみました。

 

 

現地に着いて直ぐ目に入った1羽のコウノトリ。

 

 

現地は多くのバードウォッチャーで賑わっているのかと思いきや誰一人おらず。

ちょっと意外。

 

確認してみたところ足環が付いておりこちらは放鳥個体のようです。

 

 

 

ざっと辺りを見渡してみましたが肝心のもう1羽が見当たりません。

 

周囲は複雑に入り組んだ地形をしており、身を隠しやすいような場所が多かったことから「見えない場所で採餌でもしているのだろう」と、取り合えず放鳥個体を観察してみることに。

 

堰で採餌をしていた放鳥個体は歩いて農道へ移動。

 

 

採餌を終えたようでこちらでは伸びの姿を見ることができました。

 

 

ストレッチが終わると頸の羽を逆立たせるように膨らませ嘴を包み込むような姿勢に。

 

コウノトリが休憩する際に見せる姿です。

 

 

暫く休憩の時間が続きましたが足環無しの個体は一向に姿を現しません。

「もしかして抜けてしまったのだろうか」と焦りにも似た気持ちを感じ始めました。

 

不意に頸を大きく後ろに反らすとクラッタリング。

 

 

クラッタリングとは鳴き声を発しないコウノトリが仲間とコミュニケーションを図るため嘴を『カタカタカタ』と鳴らす行動です。

 

音のイメージとしてはオオアカゲラがドラミングするくらいテンポが速く大きな音と云えば判りやすいでしょうか。

 

 

クラッタリングをしたことで足環無しの個体が反応するかと期待しましたが、特に何が起こる訳でもなく時間だけが過ぎていきました。

 

そうしてる間にバードウォッチャーが続々と増え、地域の方も足を止めて見守っていましたが、声を揃えたように聞こえてきたのはもう1羽の行方。

 

やはり皆さん気になっていたようです。

 

 

再び採餌を始めていた放鳥個体を遠巻きに見ていると突然飛び立ち上空を旋回。

 

この時の様子を見ていると頻りに頭を動かし、もう1羽を探しているようにも見えました。

 

 

あくまでも私の想像に過ぎませんが、そんな放鳥個体を眺めていると突然後方からもう1羽のコウノトリが出現。

やはり足環無しの個体は目の届かない場所に居たようです。

 

 

2羽揃ったところで降りてくることを願いましたが、私の願いも虚しく上昇気流を捉えソアリングするコウノトリは高高度まで上昇。

 

一定の高さまで上昇したところで北の方角へ流れていきました。

 

 

「行ってしまった・・・」

 

2羽の姿は完全に山の陰となり行方が分かりません。

 

足環無しの個体について何も分からないまま終わるのはあまりにも残念な結果です。

そこでコウノトリが姿を消した方角に大回りをして何処かに降りていないかと一か八かの捜索をしてみることにしました。

 

 

秋田県人とはいえ全く土地勘の無い場所だったこともあり、行き過ぎと思うくらいの場所で山を張っているとこちらに向かって飛んでくるコウノトリを確認。

 

「降りてくれ」と願いながらコウノトリを見ていると突然進路を東寄りに変え高度を下げ始めたように見えました。

 

しかしこの時も山の陰になってしまったことから降りたのかどうかまでは分かりません。

 

 

再び勘だけが頼りの捜索を始めると田んぼに降りている2羽のコウノトリを発見。

 

 

最初に観察していた場所から車で15分ほど離れた場所でしたが、何の障害物も無く移動できるコウノトリからすると大した移動ではないことでしょう。

 

ただ今回だけは発見できた自分を褒めたい。

 

 

地元の方以外は進入しないような場所だったこともあり、見覚えの無い人間が田んぼにいる鳥を撮影している姿は地元の方にとってかなり異質なものに感じたはず。

 

しかしこちらのコウノトリは地元紙が報じていたこともあり『あの鳥、この前新聞さ載ってだコウノトリでねぇが?』『みんな早ぐ出て来い!えのめさ(家の前に)コウノトリ来てるど!』という声が聞こえてきました。

 

 

地元の方は心優しく駐車スペースを提供して下さり、ちょっとした観察会が始まりました。

 

足環無しの個体を中心に観察をしていると1時間ほど経った頃に動きが止まり突然飛び立ちました。

 

 

飛翔している姿は白と黒のコントラストが美しくタンチョウに似ますが、コウノトリはタンチョウと違って助走することなく飛び立ちます。

 

 

放鳥個体が飛び立った後に足環無しの個体も飛び立ち付近を旋回。

 

 

再び遠くへ移動してしまうのかと思いきや、少し離れた田んぼへ降りる姿を確認できたので地元の方へ挨拶を済ませたところで場所を移動しました。

 

移動した先の田んぼは農道が何本か伸びており、今度は車内からの観察に適しているようです。

 

 

やっとの思いで本来目的としていた両者の違いについて観察できると思いましたが、足環無しの個体はあっちへこっちへと兎に角動き回りました。

 

放浪癖でもあるのでしょうか。

 

 

足環無しの個体を追うように放鳥個体も移動することが多くまるで保護者のようです。

 

そんな放鳥個体は田んぼでヒミズのような生き物を捕まえて食べる姿が見られました。

こちらは距離が離れていたので画像を拡大。

 

 

捕まえて直ぐに食べることはなく、何度も突っついてから食べていたようです。

 

距離がだいぶ離れてしまったので別の農道から観察してみると、昔ながらの堰に沿って移動しながら採餌をする姿が見られ、こちらではもっぱらドジョウを捕食していました。

 

 

時にはヒューム管から流れ出る水を飲むことも。

 

 

足環無しの個体にはかなり翻弄されましたが、観察から見えてきたことは放鳥個体よりも警戒心がやや強いという点。

 

強いと言っても車内から観察する分にはかなり接近してくることもあり、極端な警戒を見せることはありません。

 

 

近くで採餌をした際にはドジョウを捕食する様子が手に取るように見え、こちらは撮影した画像を拡大してみたいと思います。

 

 

体長を考えると相当量の餌が必要になりそうですが、こちらの地域は昔ながらの田んぼが多く餌に困ることはないでしょう。

 

それにしてもコウノトリの目はいつ見ても水晶のように綺麗だと感じます。

 

 

観察をしていると道路には地元の方だけではなく、通り掛かりの運送業の方やバイクでツーリングを楽しむ方も足を止めて観察する様子が見られました。

 

 

この様に観察してみて足環無しの個体については広範囲に動くという以外特に変わった点は感じられず、自然渡来なのか繁殖個体なのか有力な手掛かりとなる点を見出だすことが出来ないまま観察を終了しました。

 

年々秋田への渡来確認が増えているので今後も観察する機会に恵まれるかもしれませんが、ペアでの観察は初めてだったこともあり私にとっては貴重な経験だったと言えます。

 

 

今回観察できた2羽が今後何処で暮らすのかは想像もつきませんが、秋田県は風車が乱立しているので事故に遭うことなく過ごしてくれることを願い本日の観察日記はここまでとします。