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2019年3月23 17/6℃ 曇り時々晴れ




今回は地元を離れての旅行記。
所用と旅行を兼ねて秋田を旅立ちました。


訪れた地はイースター島。

 

 

冒頭から現実味のない話になりましたが、ちょっとした冗談。

これは旅の途中に私が撮影した日本国内の画像です。
旅先には世界で唯一、イースター島の長老会から許可を得てモアイ像を復元されたものがあり今回の旅行で楽しみにしていた場所の一つでした。

 


“思い立ったが吉日”という言葉があるように、今回の旅行は今年の予定に全くなかったものだったので急遽スケジュールを調整。

旅行のなかに野鳥観察を組み込んでみましたが全く以て手探り状態で、天候にも大きく左右される観察であることから多少の運も必要でした。

今回お目当てとする鳥については「いつか観察できたら」という漠然とした思いはあったものの、観察するには最適な時期ということで妄想が一気に具体化。

とは言っても想像するような観察ができるのかは行ってみないことには分かりません。
果たしてどうなることやら・・・

 

 

昨年の観察旅行では台風の影響でてんやわんやの旅立ちでしたが今回はこれといったトラブルもなく順調なフライトでした。

 

羽田空港で乗り継ぎをしてやってきたのは宮崎ブーゲンビリア空港。

 

 

個人的に思い入れのある土地ですが、まさか野鳥観察の為にこの地を訪れるとは思ってもみませんでした。

今回の旅行では宮崎県の他に福岡県・大分県・熊本県・佐賀県も回りましたが、観察は宮崎県のみとしたため今回の観察記では其方の様子を綴りたいと思います。

 

 

2019年 野鳥観察の旅 in 宮崎県 ①

 

 

ドタバタ珍道中のはじまりまじまり。

先ずはこちらの画像から。

 

 

空港で食べたマンゴーソフト。
旅先では地の物を頂こうという趣旨のもと、甘党の私にとってこれ以上の食べ物はなくほっぺたが落ちそうになるほど美味しゅうございました。


空港から海沿いを二時間ほど北上する形でやってきたのは門川町。
位置関係が分かりやすいようGoogleナビの画像で赤ピンを立てました。

 

 

此方の港から見える島が今回の目的地である枇榔(びろう)島。

日向灘に浮かぶ周囲1.5kmの小さな無人島ですが、お目当ての鳥が繁殖期を迎えるとこの島に集結するようです。

 

 

天候と波の状態が気がかりでしたが蓋を開けてみれば絶好の観察日和。
天照大御神のご加護でしょうか。

枇榔島は現在保護区に指定されているため島の上部へは許可がなければ上陸することができません。
(釣りが目的の場合は瀬渡し可能)

 

そのため観察は船上から行うことになるので門川港へ。

 


こちらでは長崎県でカツオドリを観察した時と同様に、普段は釣り人の瀬渡しをしている渡し船を予約しました。

 

 

日本酒が大好物だという男前な船長の案内で乗船したところでいざ出港。

港から枇榔島までは約20分の距離とのことですが、港湾内から出ると思った以上に波が高くなり始めました。
この時の風速は1m/sと風が弱く素人考えでは海は穏やかだろうと思っていただけに意外な展開。

 


『 前のでかいんが枇榔島です 』と船長からアナウンスがあった頃、波の影響で船が上下に揺れるようになり、その様子を動画で撮影しました。

 

 

船長曰く『 大きい波よりも細かい波の方が探すんが難しいとですよねぇ 』とのことで細かな波がお目当ての鳥の背丈と同じで波間に隠れてしまい見つけ難くなってしまうのだとか。

そういった意味では大きい波もあり、細かい波もあるこの時の条件が一番悪いようにも思えました。

枇榔島に近付き島を回るようにして船を進めて行くと、お目当ての鳥を無事発見。


こちらが今回の旅でお目当てとしていたカンムリウミスズメ。

 

 

体長24cmの小さな鳥で一年のほとんどを海で暮らす海鳥。

世界で個体数が約5000羽と言われているようですが、そのうちの約3000羽が繁殖期を迎えると枇榔島に集結することから世界最大の繁殖地とされています。

 

 

船長に電話でカンムリウミスズメの観察について問い合わせたところ『3月の下旬から4月の上旬にかけてが一番見よっとですよ』と教えて頂いたことが旅を計画したきっかけ。

一年のうちでも観察できる期間は限定的で繁殖期を過ぎるとパタっと姿を見なくなるそうです。

 


さて無事に姿を見ることができたカンムリウミスズメですが、和名の由来にもなっている頭頂の飾り羽が後頭まで伸びていることが見てとれました。

 

 

この冠羽は繁殖期になると伸びるようで、非繁殖期又は幼鳥ではこの特徴が見られないのだとか。

非繁殖期の特徴に似たウミスズメは秋田でも時々見ることができますが・・・

 

【 カンムリウミスズメ 】

【 ウミスズメ 】


 

このように比べてみると同じ種の鳥であるものの全く違った特徴であることが判ります。

カンムリウミスズメの生息域は日本近海ということもあり秋田県で記録があってもおかしくないのですが、現在のところ公式な記録はありません。

隣県の離島ではカンムリウミスズメの繁殖を示唆する調査結果が出ており、画像としても残されているので秋田県沿岸部でも見られる可能性は0ではないでしょう。

 


しかし秋田沖で海鳥を観察するには手段が限られおり、現在国が後押しをする形で500基もの洋上風力の建設が計画されています。

これが実現された場合、カンムリウミスズメどころか海鳥を陸地から観察できる機会は激減し、多くの渡り鳥も影響を受けることが想像されます。

暗い話になってしまいましたが、そんな意味もあって今回はこの世界最大の繁殖地に集まるカンムリウミスズメを自分の目で見てみたいと思い遠路遙々足を運びました。


島へ接近してみて見えてきたのは断崖絶壁。

 

 

この崖の隙間で繁殖をするそうですが、抱卵の交代など殆どの行動は猛禽類などに狙われないよう夜間に行われるのだとか。

そして驚くのが雛の巣立ち。
孵化した翌日の夜中になると雛は50メートルもの崖から転げ落ち、体を打ち付けながら親鳥の待つ海を目指すそうです。

親鳥は鳴きながら雛を待ち、無事に巣立ちを終えると島を離れて洋上での暮らしを始めるそうですが、崖を目の当たりにしてその壮絶な巣立ちを想像すると何とも言い難い気持ちになりました。

 

 

巣立ちを迎え洋上に出た後の行動や生態については詳しく解明されていないようです。

 

一体この鳥は何処からやって来て何処に向かうのか。

 

 

枇榔島周辺にカンムリウミスズメの姿が見られるようになるとこの地域に春が訪れるそうです。


私が秋田を離れる頃、各地から開花宣言がありましたが門川町は桜が満開になっていました。

 

 

楽しい時間はあっという間に過ぎ去り何処か自分のなかで納得のいく観察ができないまま船を降りることに・・・

後ろ髪を引かれる思いで門川町を後にし宮崎県を南下。

海沿いを走り青島まで南下すると“鬼の洗濯板”と呼ばれる波状岩が見えてきました。

 

 

地元の男鹿市にある鵜ノ崎海岸の風景にそっくり。

しかし観光客の数が違います。
宮崎県のPRが上手いのか秋田県のPRが下手なのか・・・

日南が鬼の洗濯板なら男鹿は“なまはげの洗濯板”でもよいのじゃないかなどと下らぬことを考えながら更に南下してやって来たのがサンメッセ日南。

 


冒頭に掲載したモアイ像のある観光名所です。

日本のモアイ修復チームが1992年から3年をかけて倒れていたイースター島のモアイを立ち上げた奉仕と友情に対し、長老会と島民が日本で復元することを初めて許可し、サンメッセ日南に世界で唯一7体のモアイ像を完全復刻することができたのだとか。

 

 

7体のモアイ像には其々違ったご利益があるそうでこの人集り。

モアイ像だけを撮影したかったのですが不可能と言える状態だったので、どうしてもモアイ像だけで撮影したかった私は閉園間際まで粘って冒頭に掲載した画像を撮影しました。


この頃になると更に天気が良くなり「 もう一度船に乗ったらもっと良い条件で観察できるのでは?」という気持ちが芽生え始め、船長に電話をして翌日の船を予約。

果たして今度はどのような観察ができるのか・・・

 


後日更新の日記に続く。