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2019年 野鳥観察の旅 in 宮崎県 ②

 

 

2019年3月24日 18/6℃ 晴れ

 

 

 


観光名所を巡り一夜明けたこの日の早朝は宮崎市中心部に位置する平和台公園でバードウォッチング。

こちらは1964年の東京オリンピックで聖火リレーの第2スタート地点となった場所です。

公園内を進むとはにわが沢山。

 

 

はにわに鳥が止まってくれたらと淡い期待をしていると・・・

ヤマガラさん登場。

 

 

旅行者相手にサービス精神旺盛です。

カンムリウミスズメの観察を控えこんなところで運を使って良いのかと些か不安になりましたが、これも旅の大事な思い出。

公園内では聞き慣れない鳥の鳴き声が聞こえるものの姿は見えず・・・
声の主が何者であるのか調べてみると外来種のソウシチョウであることが判明しました。

前日に枇榔島近くでカラスバトを目撃していましたが、画像に残すことができずにいたのでせめてソウシチョウの画像だけでもと思い探し回ってみたものの結果的に此方も見つけ出すことができず。

 


この場所で一番見ることができたのはシロハラ。

 

 

個体数が多いうえに警戒心も薄く、嘴で落ち葉を払いのけ餌を探す姿を間近で見ることができました。

撮り放題といった雰囲気のなか私が選んだのはチューリップとシロハラのコラボ。

 

 

この写真を撮影したところで公園を後にし、恒例となっている護国神社の参拝です。

聞くところによるとこの日の秋田は雪が積もり銀世界に様変わりしたとのことで、満開の桜を見て季節の違いを感じながら鳥居をくぐりました。

 

 

参拝を終えた後は再び門川町を目指しましたが目に飛び込んできたのは田植えをする農家さんの姿。
宮崎は田植えの最盛期を迎えています。

秋田では柿の木が道端で見られるように、宮崎では日向夏がたわわに実をつけており季節感の違いだけではなく、日常の風景の違いを感じ取りながら門川漁港へ到着しました。

 

 


ここからが本番です。

前日とは違った形でカンムリウミスズメを観察できるのか。
少々風が強めに吹いていたので不安がありましたが、港で待っていると船がこちらに向かって一直線にやって来ました。


かっこいい。

 

 

鼻息荒く船に乗り込み広い海での探鳥開始です。


目が慣れたことと前日に比べ細かい波が少なかったことで次々にカンムリウミスズメを見つけることができました。

 

 

私の指差す方向に船を進めてもらい、其々個体を比較する形で観察をしていきます。

 

此方の個体は他の個体と羽の特徴が違っていました。
冠羽が短く頭部に白い羽が疎らに見られます。

 

 

冠羽の伸長具合から若い個体か夏羽に移行中の個体なのかもしれません。

やはりこの辺については初めての観察ということもあり明確な答えが出せず。


警戒心については個体差があるようで、のんびりとして水面をプカプカしている個体もいれば、頻繁に潜水を繰り返す個体と様々。

 

 

しかし前日に比べると明らかにのんびりとしている個体が多く、この違いは何なのか不思議に思い、いつも目にしている船長に尋ねてみると・・・

 


『 カンムリは曇っとる日と雨ん日はす~ぐ潜るんですよねぇ。晴れとる日はプーカプカしよんですよ。あったかいんじゃなかですかね。わははは 』

 


なるほど。
確かに前日は薄曇りだったのに比べこの日は快晴。
前日の観察では潜水を繰り返す個体が殆どで正直なところ画像に残せて良かったと思えるくらいでした。

 

 

凪の状態で晴れの日であれば船首からスマホで撮影できるほど接近できることもあるそうで、長年見てきた船長の言葉は説得力があり非常に興味深いものがあります。

前日に比べ距離も縮まり観察しやすくなりましたが、撮影という部分においては揺れる船の上では相変わらず難儀させられました。

 

近くに浮上した!と思って撮影を試みても・・・

シャッターを切った時にはこんな画像。

 

 

歯痒い思いもしましたが、それはそれで楽しい時間。

肉眼でもしっかりと観察して、良い瞬間を画像に残すことができた時の喜びはひとしおです。

 

 

私は “観察” という部分に拘って鳥を見ることが多く、そういった意味で再び船に乗ったことは正解でした。

誰しも初めての出会いは嬉しく、カメラを趣味としている人間であれば画像に残したい気持ちは強いと思います。
前日はどちらかというと取材をしているような感覚で、そういった意味でもこの日は観察に意識を注ぎました。


観察していて特に気になったのがこの行動。

 

 

体を浮かせている状態で顔だけ水中に突っ込んでいます。

息継ぎをするようなタイミングで顔を上げていましたが、餌を採るのであれば潜水した状態で魚を追いかけると思うので不思議に思い見ていました。


そして鳴き声を聞くことができたのも大きな収穫。

『 ピュピュ 』という鳴き声が聞こえ、声のする方にカンムリウミスズメがいたので間違いないでしょう。

飛び立つ瞬間は水面を蹴って助走をつけていました。

 

 

前日も飛翔する姿を見ることができましたが、意外にも航続距離が長かったことも印象に残っています。

見下ろす角度で見ることにより、背中からの上面の羽が青灰色であったことも発見の一つ。

 

 

水面に浮いてる際、外敵に見つかり難くするため進化の過程でこのような配色になったのかもしれません。

洋上迷彩といったところでしょうか。

 

 

今回カンムリウミスズメを観察するにあたって一番見たかった姿も見ることができました。

それは冠羽を立てている姿。

 

 

普段連写しないタイプの私ですがこの時ばかりはカメラがアホになるほど連写していたと思います。


新しい発見あり、良い瞬間を観察できたりと収穫の多い時間を過ごすことができました。

春の訪れと共にやって来るカンムリウミスズメ。
宮崎県に足を運び自らの目でその光景を目にすることで、学び、知識を深めることができました。

 

この光景がいつまでも続くこと、そしてこれから生まれてくる雛たちが無事に巣立つことを心から願っています・・・

宮崎県の旅行記はこの辺でおしまい。