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2019年6月8~10日 ①



今回は地元秋田を離れての観察旅行記。

以前は年に1回のお楽しみにしていた観察旅行ですが、なんだかんだで今年は3回目の旅行になりました。

今回の行き先はこちら。

 

 

秋田から遠く離れた石垣島。
私にとって2度目の訪問になりますが、以前は12月の訪問だったため観察できる野鳥もかなり違ったものになるでしょう。

今回も羽田空港を経由して石垣島の直行便を利用しましたが、羽田6時10分発の便に乗るため前日に羽田入りをしました。


羽田から石垣島への所要時間は約3時間。

 

 

フライトの途中に機長から『新石垣空港周辺の天候は晴れ、気温は31℃と報告を受けております』といったアナウンスがありました

暑さに滅法弱い私は今まで涼しい時期、涼しい場所を選んで旅行を計画してきましたが、本格的な夏の旅行は初めて。
いささか不安が募ります・・・

しかしこの時期だからこそ出会える野鳥も多いはず。

 


期待と不安が入り交じるなか定刻通り新石垣空港へ到着。

 

 

空港を一歩出た瞬間、体にまとわりつくような高温と湿気。

あ、暑い・・・

途端に汗が吹き出てきました。
例えて云うなら秋田の一番暑い時期にプールの更衣室にいるような感覚。

しかし弱音は吐いていられません。
先ずは空港に隣接するレンタカー屋に移動して車を調達。

早速、石垣島での探鳥を開始します。

 

 

2019年 野鳥観察の旅 in 石垣島 ①

 

 

今回の旅行でお目当てとする野鳥は主に南西諸島で見られるアジサシ類とリュウキュウアカショウビン。

こちらをメインに観察の計画を立てました。

以前訪問した際に島の形状やルートに関して頭にインプットしていたので、記憶を頼りに海沿いに移動。

 


最初に観察できたのはオオアジサシ。

 

 

初めて見るアジサシですが第一印象は「デカい」の一言。

手持ちの図鑑で確認してみるとオニアジサシに次いで日本で見られるアジサシ類では二番目の大きさです。

 

 

こちらは夏鳥として小笠原諸島西島と尖閣諸島北小島で少数が繁殖するようですが、九州以南の海上では比較的よく見られるのだとか

飛翔シーンを写真だけで見るとサイズ感が伝わらないので、ズボラ人間の私はパッと見た目でコアジサシと間違えてしまいそう。

 

 

しかしオオアジサシの大きさは45cmでウミネコと同大の大きさ
コアジサシは26cmなので並べてみると一目瞭然ですが、残念ながら今回はそのようなシチュエーションに恵まれませんでした。

大きさは伝わらないものの画像を比べてみると特徴の違いがはっきりと分かります。

 

【 コアジサシ 】

【 オオアジサシ 】


 

コアジサシに比べオオアジサシの方が嘴は太めでコアジサシの嘴の先端は黒色。

頭部の黒い部分も特徴に違いが見られます。


また上の画像からは見てとれませんがコアジサシの足の色は橙色。

オオアジサシの方は黒色であることが分かるのではないでしょうか。

 


観察をしていると辺りを飛び交い餌を採っているようでした。

 

 

体が大きいためかコアジサシのような変則的な動きは見せません。

獲物を見つけるとホバリングで狙いを定め急降下。
捕まえた画像を拡大して確認してみると獲物はエビと判明。

 

 

捕まえたエビは飛翔しながら呑み込み、羽を休めては狩りを繰り返すといった行動を何度も見せてくれたお陰で初めての観察としては非常に良い経験になりました。

 


じっくりとオオアジサシの観察をした後は島内を散策。
初日の午後はTwitterで交流のある、石垣島在住の鳥友さんと合流して観察をご一緒させて頂くことができました。


鳥友さんの案内でアジサシ類のコロニーを観察できる海辺に移動。

此方の岩礁がエリグロアジサシとベニアジサシの繁殖地となっているそうです。

 

 

エリグロアジサの大きさは30cmでベニアジサシの大きさは33cmと想像していたものより小さい印象。
秋田でも見られるアジサシより少し小さいくらいの大きさです。

どちらも奄美・南西諸島で普通に繁殖しているようですが此方では繁殖場所の争奪戦が繰り広げられていました。

 


狭い岩礁を飛び交うエリグロアジサシとベニアジサシたちの姿を動画で記録しましたが、3分程の動画のうち2分のあたりからリュウキュウアカショウビンの鳴き声も録音されています。

 

 

 

リュウキュウアカショウビンの鳴き声を初めて聞いた方は違和感を覚えたのではないでしょうか。

私が観察を行っている真後ろにリュウキュウアカショウビンがいましたが、鳴き声も含めリュウキュウアカショウビンについては後日更新の日記でお話したいと思います。

 


さて岩礁に止まるエリグロアジサシとベニアジサシですが、距離が離れていたことから画像を拡大。

先ずはエリグロアジサシ。

 

 

和名通り襟の部分が黒。
他に説明のしようがありません。

続いてベニアジサシ。

 

 

こちらは嘴と足が赤いことが特徴になっているようです。

遠く離れた岩礁にいた両者でしたが、干潮の時間帯には割りと近くで見ることができました。

エリグロアジサシは潮が引くと水浴びをする為に飛来するそうです

 

 

飛来するベニアジサシも近くで見ることができました。

 

 

此方の海岸ではコアジサシも見られましたが、コアジサシに関しては秋田でも観察できるので今回の旅行記では割愛。

その他に1羽だけ単独で餌を採っているアジサシが見られ、何者であるのかよく見てみるとハシブトアジサシであることが判りました

 

 

ハシブトアジサシは希な旅鳥として本州以南に渡来するようですが、石垣島でも珍しいそうです。

2013年7月に秋田県でも迷行記録があり、この際に運良く見ることができていたので私としては2度目の観察。

 

 

ハシブトアジサシは目の前を飛ぶことが多く、間近で飛翔を目にしたり採餌の様子もじっくりと観察することができました。

同じアジサシでも獲物によって狩りの方法が異なり、オオアジサシは水面にダイブをしてエビを捕っていましたがハシブトアジサシは潮の引いた干潟を掠めるように飛翔しカニを捕獲。

俗に言う沼アジサシの類いのような動きを見せます。

 

 

カニを獲った際の拡大画像。

 

 

旅行中は農耕地でクロハラアジサシも見られましたが、場所は違えど行動のパターンが似ていました。

振り返ってみると今回の旅行で観察できたのは、オオアジサシ・エリグロアジサシ・ベニアジサシ・ハシブトアジサシ・コアジサシ・クロハラアジサシの計6種類。

 

 

私にとっては非日常の環境で観察することにより見慣れたアジサシ類もまた新鮮です。

写真だけを見るとエメラルドグリーンの海を背景にアジサシたちが飛び交い、爽やかな印象を受けますが現実は日陰が無くコンクリートの照り返しも相俟って灼熱地獄。

湿度も異常なほど高く、鳥友さんが『こうしたら喉が潤う』と言いながら空気を掴んで口に運ぶジェスチャーは楽しい旅の思い出になりました。

 

 

今回はアジサシ類のお話でしたが、次回は石垣島で見られた鳥たちとその他の生き物について日記を綴ります。

最後の画像は初日のナイトウォッチング前に食べたジーマミー豆腐
居酒屋だったのでオリオンビールで乾いた喉を潤したいところでしたが、車の運転があったので“さんぴん茶”で乾杯。

 

 

後日更新の日記に続きます。