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2022年1月22日

 

 

 

 

本日の日記は秋田を離れ旅先での鳥見を綴る観察旅行記。

 

今回の目的地は鹿児島県。

 

いつもの旅行ではある程度の日数を確保して旅先での観察を楽しんでいますが、今回は週末を利用しただけの日程で「ちょっと鹿児島に行ってきた」というもの。

 

先月も九州に足を運び長崎県と佐賀県で観察を楽しみましたが、振り返ってみると鹿児島県を含めた観察が可能であったことから旅行の計画に不備があったと少々反省。

 

そのため今回の旅行は前回の不足分を補うといった形になりました。

 

 

2022年 野鳥観察の旅 in 鹿児島県 ①

 

 

コロナ禍による航空路線の減便が続き、地方からの乗り換えは無駄が多い実情を踏まえ少しでも時間を有効活用するべく前日の夜に羽田空港へ移動。

 

空港周辺の宿で一泊し、翌朝は羽田空港0640発→鹿児島空港0840着の便で鹿児島県を目指しました。

 

 

穏やかな天候でのフライトということもあり羽田を離陸してから暫くの間は上空からの景色を堪能。

 

田舎者の私は富士山が見えるとついつい撮影していまいます。

 

 

この日の鹿児島県は南岸低気圧の接近により終日曇りの予報であったものの、鹿児島空港へ着陸する際は青空が広がる良いお天気。

 

無事に鹿児島空港へ到着したところでターミナル前で記念撮影。

桜島を模したオブジェの前では足湯を楽しむことができるようです。

 

流石マグマシティ。

 

 

早速レンタカーを調達したところで今回の目的地である出水市を目指しました。

 

出水市は言わずと知れた日本最大のツルの飛来地。

鹿児島空港から出水市ツル観察センターまでの所要時間はおよそ1時間半。

 

 

2年前の年末年始、私はツルの飛来地で新年を迎えました。

 

今回は二度目の訪問となりますが、以前の観察の様子についてはアネハヅルの画像をクリック。

 

ツルの飛来地について詳しく記載しています。

 

 

今回の旅行記では飛来地についての詳細は割愛。

レンタカーステーションを9時頃に出発し10半頃に観察センターへ到着しました。

 

前回と同様に訪問の証としてセンター前で記念撮影。

 

 

シーズン中には何度かツル羽数調査が行われるようで1月9日(今季最後)の調査結果は以下の通り。

 

・ナベヅル 12469羽

・マナヅル  2182羽

・クロヅル     9羽

・カナダヅル    8羽

・ソデグロヅル   1羽

・ナベクロヅル   2羽

 

今季の目玉はソデグロヅル。

出水市への渡来は9年ぶりとのことで昨年10月20日に確認されたそうです。

 

 

今回の旅行では未だフラれ続けているツリスガラとソデグロヅルを主体として観察を楽しむことにしました。

 

先ずは簡単に見つかるであろうソデグロヅルの捜索から。

こちらはツル観察センターで記念撮影後、ものの5分で見つかりました。

 

 

おおかたバードウォッチャーが沢山並んでいるのだろうなと想像していましたが予想に反して誰一人おらず。

 

以前こちらで観察したアネハヅルに比べると捜索が容易であることに加えて時期的にも大多数の方が観察済みであったのかもしれません。

 

私にとって初見となるソデグロヅルですが噂通り袖の黒い部分は見事に格納されていました。

 

 

黙々と採餌を続けるソデグロヅル。

和名に由来する袖の黒い部分は翼を広げた時に見えるそうです。

 

先ずはその瞬間を見たいと思い観察を続けていると..

 

 

マナヅル『ほ~!羽を広げるとそんな感じなんだ』

 

と言っている訳はありませんが一瞬だけ黒い部分を見ることができました。

 

しかしこれでは不十分。

距離も少々遠くに感じ、大きく翼を広げた姿を見たいと思い観察を継続。

 

膨張色であるため周囲で見られるツルに比べると一回り大きく見えましたが、体長130cm前後のマナヅルと並ぶ姿を見ると同等の大きさであるようです。

 

 

但し、マナヅルの体長は個体差が大きいことから場合によってはソデグロヅルの方が一回り大きく感じられるかもしれません。

 

採餌の様子を見ていて気付いたことは一緒に採餌をしていたマナヅルやナベヅルに比べるとかなり豪快であること。

 

 

言い方を変えると雑という言葉が適当であるかもしれませんが荒っぽい印象を受けました。

 

これは種の特徴なのか個体の性格の違いによるものなのか分かりませんが、嘴で土を払い除ける動作は大きくマナヅルやナベヅルが淑やかに見えるほどです。

 

 

事実、この個体は気性が荒いのか周囲にいるマナヅルやナベヅルを威嚇する場面も見られ、その際には想像と違った形で袖の部分を見ることになりました。

 

何が気に食わないのかマナヅルを威嚇するソデグロヅル。

 

 

鳴き声を発しナベヅルを追い立てます。

 

 

更には追い掛け回し、飛んでもなお追い続けていました。

 

 

地元を離れる前には空を飛んだ瞬間、優雅な雰囲気で袖が見られるものと想像していましたが「ジャイアンか?」と思わされる現実。

 

 

黒い羽は初列風切だけかと思いきや次列風切の一部と初列雨覆の一部も黒色の羽であるようです。

 

 

飛んだ先で再び採餌を始めたことから私も場所を移動して別角度からの観察。

 

 

車内から観察を続けていると私の方へどんどん近寄ってきましたが、一定程度の間隔で必ずUターン。

 

警戒心の強い鳥ではないと感じましたが、車内からの観察であってもそれなりの線引きがあるようです。

 

 

とは言ってもかなり近いと思える距離でじっくりと観察することができました。

 

 

最接近した際の画像を拡大。

額から目の回りにかけて羽毛は生えておらず赤い皮膚が露出していることが見て取れます。

 

 

黙々と採餌を続けるソデグロヅルに対し、人の気配に対してどの様な行動を見せるか試しに車外へ出てみることにしました。

 

車を降りた途端に採餌を止めてこちらを気にしている様子。

 

 

やはり剥き出しの身では飛ぶほどではないにしろ気になるようです。

 

また少しだけ距離を取ろうとする行動が見られました。

 

時間に余裕があればもっと色々なシーンを見たいところですが、今回は時間に余裕が無いことに加えて他のツルも観察したいという欲の鬩ぎ合い。

 

 

ソデグロヅルは大きく場所を変える様子もなかったことから、状況によって再び観察できると判断し他のツルを探してみることにしました。

 

 

マナヅルとナベヅルは否応なしに目に入る為、捜索するのはカナダヅルとクロヅルの2種。

 

ナベクロと呼ばれる交雑種もいるようですが、そちらは余裕ができたらということで先ずはカナダヅルを探したところ難なく発見。

 

 

ソデグロヅルが採餌をしていた場所から然程離れていない場所で5羽のカナダヅルを見ることができました。

 

 

しかもかなり近距離で見ることができた為、羽の質感までも手に取るように観察することができ運が良かったと思います。

 

 

カナダヅルは世界中のツルのなかでも最も数の多い種のようですが、現在までに秋田県での記録はありません。

 

そのため私にとっては前回訪問の際が初見であったことから今回は二度目の観察。

 

 

画像で見るよりも実際の見た目はインパクトが強く、マナヅルやナベヅルの群れの中に混ざっていても捜索は容易であると思います。

 

 

顔を正面に向けるとハート柄に見えますが、今回は良いタイミングでシャッターを切ることができませんでした。

 

 

少し離れた場所でも3羽見つけることができ、今季渡来している8羽のカナダヅルは全て見ることができたようです。

 

カナダヅルを観察している頃から雨が降り始め次第に雨足は強まる一方。

 

飛来地へ到着して間もなくは晴れ間が見られたものの天候は一変し、悪い方へ予報がハズレたことから気持ちにもやや焦りが..

 

 

一頻りカナダヅルを観察したところでクロヅルの捜索へ。

 

捜索を始めて改めて思わされたのはマナヅルやナベヅルとの距離の近さ。

道路脇で採餌をしている個体も多く、肉眼でも十分に観察を楽しむことができます。

 

車を停車させるとそれなりに距離を保とうとする様子も見られますが、それにしても距離が近い。

 

こちらはマナヅルの群れを広角レンズで撮影した画像。

 

 

続く画像はナベヅルの群れを撮影したものですが、こちらは望遠レンズで撮影した画像です。

 

 

道路脇で採餌をしている個体については望遠レンズで撮影すると全身を写すことができません。

 

クロヅルを捜索しつつも目の前で見られるツルの群れを時々撮影していたところ農耕地を歩くキツネを目にしました。

 

 

意外にもツルの群れは警戒する様子もなく、またキツネが襲いかかるような素振りも見られません。

 

 

人に対しての警戒心も緩く、まるで北海道で見るキタキツネを彷彿とさせました。

 

 

ウロウロするキツネを眺めていると胴体の羽衣がクロヅルの特徴を持ったナベヅルを発見。

 

こちらがナベクロと呼ばれる交雑種になるのでしょうか。

 

 

後日調べてみたところ交雑種だけに特徴は個体によって様々なようです。

 

単に羽衣の淡い個体であるのか知識の無い私には分かりません。

 

 

肝心のクロヅルをなかなか見つけることができず気持ちは焦るばかり。

 

そこで一度ツル観察センターの展望デッキから給餌場の様子を見てみることに。

 

 

行ってはみたものの雨足が強まり早々に退散。

 

一階から可能な限りチェックしてみましたが見える範囲ではクロヅルを確認することはできませんでした。

 

 

再び車へ戻り捜索を始めたところ農道を占拠するナベヅルの群れ。

 

一刻も早くクロヅルを見つけ出したいところでしたが、これはこれで画像に残しておきたいと思い動画でも撮影しました。

 

 

撮影を終えたところでナベヅルの群れを1羽1羽チェックをしてみたところ、やっとの思いで群れに混ざるクロヅルを発見。

 

喜びも束の間、よく見てみると後頭と目先から頸前面にかけての黒色の羽が淡く見えます。

 

 

更に隣に並ぶ個体もクロヅル的な特徴を持っていますが、胴体の羽衣が斑にナベヅルの羽と同色であり交雑種であることを思わせました。

 

 

観察センター前の掲示板には今季渡来しているナベクロは2羽と記載されていましたが私が目にしているツルは一体何者なのか。

 

過去に地元で観察したクロヅルとは明らかに特徴が異なります。

参考までに地元で撮影した正真正銘のクロヅルがこちら。

 

 

取り合えずは証拠写真を撮影することができたので後どの様に観察するべきか思案。

 

と言うのも、こちらで見られたナベヅルの群れは少々警戒心が強いようで車の動きに対して敏感に反応。

一斉に首上げをする様子が見られました。

 

 

ここで役立つのが地元でのガンの観察。

車の動かし方や間合いの取り方はガンの観察と通じるものがあります。

 

先ずは警戒させないよう不用意な動きをせずに群れに馴染むまで待機することに。

 

 

暫く待機していたところバードウォッチャーと思われる車が接近。

 

一斉に首上げをしたにも関わらず移動を止めなかったことから一斉に飛び立ってしまいました。

 

 

「少し我慢したら良い観察ができるものを..」

 

飛び去った方角を注視して捜索を行いましたが、17時を過ぎても交雑種と思われるツルの発見には至らず。

 

残念ながらクロヅルに関しては消化不良のままでしたが、雨足は強まる一方だったことからこの日の観察はここまで。

 

 

宿泊先へ移動したところで夕食はご当地名物を頂きます。

料理に合わせて地酒も頂きたいところでしたが、ご時世を鑑みて酒の場は回避。

 

鹿児島と言えば黒豚と言うことで黒豚ロースカツ定食を頂くことに。

 

 

お椀を開けずに撮影してしまいましたが、お味噌汁はサツマイモの入った豚汁でカツは勿論のこと豚汁も大変美味しゅうございました。

 

 

早朝から移動したこともあり疲労感たっぷりでこの日は早めの就寝。

 

翌日はツリスガラを主体として観察を予定しましたが、そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。