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2011年12月1日


今年も残り1ヵ月となりました。

先月28日には北海道からようやくハクガンの群れが秋田に到着との情報を頂きましたが同日、新潟県まで一度南下してまた秋田へ戻ってきたようです。


一日で凄い距離を移動するんだと改めて実感。
あの体力が羨ましいと某先輩が仰ってました(笑)

 

   

 

  さて、今回は風力発電に伴う大型風車の設置に関して記載します。

以前(11月1日)も風車設置に関しての話題を取り上げましたが、沢山の方から賛否両論様々な声が寄せられ、今回は具体的にどのような状況なのか調べてみました。


先ず1000基設置のプロジェクトに関してですが、現在は設置箇所の調査段階にあるようです。

昨年の秋より調査を開始し、風況・地形・法規制・騒音対策を考慮した結果、3箇所が大規模設置に適していると判断しているようです。
内訳は以下の通りです。

・潟上海岸28基
・南由利原28基
・大潟村北部122基
 計178基


設置される風車の概要と構想。

・高さ 約100m
・ブレード 約60m
・海岸線約200kmの間に300m間隔で600基
・大潟村周辺に400基


この構想を見てみると大潟村に風車の設置が集中しているが分かります。

しかし大潟村には日本初、国指定の大潟草原鳥獣保護区(面積135ha)があり、その中にの環境省指定・特別保護区(面積48ha)があります。

ここでは日本の固有種で幻の鳥とも呼ばれる希少種のオオセッカ、全国でも珍しいチュウヒの営巣の確認されています。
(共に絶滅危惧ⅠB類)

以前も記載しましたが大潟村は野鳥の宝庫・野鳥の楽園とも呼ばれ、冬には数え切れないほどのガン・カモ類が渡来し、中継地としても大変重要な場所となっています。

その他に大型猛禽など様々な野鳥が渡来することから、環境省東北地方環境事務所、環境省秋田自然保護官事務所、大潟村教育委員会、野鳥の会などが主催する野鳥観察会が行われ、先月には大潟村を会場にして「チュウヒの集い」という行事も開催されました。


このように重要視されている大潟村に風車を設置すると多大な被害があるものと思われます。

バードストライクの問題で例を挙げると他県ではオジロワシやイヌワシなどの被害が報告されており、特に大型猛禽は個体数が少ないことから1羽の死亡がその後の繁殖に大きく影響します。

鳥海山のイヌワシを例にすると2007年以降の繁殖が確認されていません。
(全国のイヌワシの繁殖成功率23.6%)


さて色々と調べを進めていくと県が構想する「秋田クリーンエネルギー総合特区」という県資源エネルギー産業課のプロジェクトがあることも分かりました。

こちらの方は建設候補地として男鹿・潟上・秋田の沿岸沿い約20kmの県有保安林や県管理の土地に40~45基の風車を設置するというものです。

この海岸沿いはシギ・チドリなど渡り鳥のルートとなっており、こちらに関してもかなりの影響があると思われますので、以上の観点からも県を始めとする各市町村・省庁・団体・企業には生態系への影響を十分に考えてもらいたいものだと思います。