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2012年9月5日



今回は観察日記ではなく保護記録です。

平日ということもあり普段通り仕事をしていました。
仕事をしながら聞こえてきたのはABSラジオのペット情報。
ABSラジオでは午前と午後に一回ずつ、迷子になったペットや保護されているペットの情報を放送しています。

この情報により沢山のペットが助かっていますが、やはり多いのは犬や猫の情報。
数は少ないものの時々鳥の情報もあり、そんな時は特に注意深く聞くようにしています。

今日は鳥の情報が1件とのことでボリュームを上げ聞いていると「9月2日、秋田市某所で種類は分かりませんがカワセミに似た形の鳥で、体の色は茶色で嘴の色はピンク、体の大きさは25cmくらいの鳥を保護しました。人に慣れている鳥です」との情報。


それってアカショウビンじゃないのか!???

人に慣れているという点は腑に落ちませんでしたが、気になってABSに連絡。
情報にあった鳥は特徴から飼い鳥ではなく野鳥の可能性が高いことと、もしアカショウビンであれば餌の問題(アカショウビンはカエル、トカゲ、魚などを餌とします)から一般家庭での長期間保護は難しいことを伝えるとスタッフの方が保護してる方に連絡を取ってくれるとのこと。

折り返しスタッフの方から連絡があり保護されてる方と直接連絡を取る手配をして下さり早速電話をしてみました。
直ぐに連絡が取れ、先方の話によると「人に懐いているから野鳥ではないと思うが餌を色々与えてみたがほとんど食べない。明日から旅行の予定があり飼い主が現れなければこのまま放すしかなく困っている」とのこと。

保護されてる鳥がアカショウビンでないにしろ、怪我などの影響で飛べない状態であればたちまち死んでしまうことが予想されるので「そのまま放されるのは心許ないので、宜しければ保護先が見付かるまで私が預かりましょうか?」との提案に先方から「いがった~!なんとかお願いします」とのお返事。

課業終了後に先方宅に伺う旨を伝え、その時がやってきました。
幸い同じ秋田市内ということもあり、ほぼ迷うこともなく先方宅に到着。

先方から「どうぞあがって下さい」と部屋に招かれ、そこにいたのは予想通りのアカショウビン!!!

パッと見た目、若干右翼が下がってるように見えました。
衝突したか何かに襲われ傷めた可能性があります。

先方の話ではコンビニに入ろうとしたら肩に乗ってきたそうで飼い鳥だと思ったそうです(^^;)

アカショウビンに気を取られて最初は気付きませんでしたが、周りにはフルーツやパンなどの餌が。
餌をどうしていたのか気になり聞いてみると・・・

「マグロの刺身とイカは少し食ったけど、他は何も食ってね(・∀・)」

イ・・イカ( ̄○ ̄;)!?

それは有りなのか!?と思いつつもここ数日ほとんど餌を食べていないことが分かったので、アカショウビンをカゴに入れ急いで自宅へ向かいました。


我が家にやってきたアカショウビンです。

今まで観察したことのある個体に比べ痩せ細ってるように見えます。
体重は100g未満に思えました。

生きたカエルや魚を与えたかったのですが、ここ最近の日照りで鳴き声や姿を見ることもなく、仕方ないので母からスーパーで魚を買ってきてもらいました。

しかし母が買ってきたのは刺身の盛り合わせに大きめの鮎にカレイ・・・
どーすんだこれ( ̄○ ̄;)
しかし欲を言ってる場合ではないので取り敢えず刺身を与えてみることに。

反射的に咥えたものの食べる様子はありません。
環境がガラッと変わったせいもあるかと思い少し薄暗くしてこっそり様子を見てみることに。
30分ほど様子を見ましたが置物のように固まったまま動きは無し。

このままではいつ死んでしまうか分からない状態なので強制給餌をすることにしました。
川魚である鮎をすり身にしてシリンジで吸い上げアカショウビンに与えます。

自分でもまさかのアカショウビンへ強制給餌。
長い嘴はプラスチックのように堅く、挟む力は痛いくらいです。

なんとかかんとか餌を与えることは成功して一安心。

無駄な体力を使わせないようカゴに入れ照明を消して今日は休ませることにしました。



2012年9月6日

アカショウビンが気になり昨日はなかなか寝付けず(´Д`)
そして今朝はいつもより早く起床。

アカショウビンは玄関に隔離しているので行ってみると活発に動く音が♪
カゴの中に入れていた水の張った容器に浸かり水浴びをした形跡がありました(´∀`)
カゴから出して様子を見ます。

緊張しているのか置物のように動きません。

そして今朝も強制給餌を行います。

昨日よりは幾分慣れました。
3回に分けて少しずつ与えます。

口に入ったのを確認して様子を見ていると、嘴をモグモグして味わっているようにも見えました。
昨日より少し元気になった感じもします。

間近で様子を見ていましたが、ここでアカショウビンは頭を左右にブルブル。
嘴の中に残っていたすり身が飛び散り、私の顔はすり身だらけ(´Д`)

さてこのアカショウビンですが、大森山動物園の知り合いに事情を説明したところ、動物園の方で治療・保護をしてもらえることになりました。

獣医さんに連絡をして頂き夕方に連れて行く手配をして動物園へ。
専門家に看てもらうことができ、後は元気を取り戻し野生復帰ができることを祈るばかりです。

無事に放鳥ができるその日まで・・・
頑張れアカショウビン!