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秋田の野鳥 フィールドガイド

 

 

2017年11月25.26日 5/0℃ 曇り時々雪

 

 

 


この週末は県外のお客様からガイドの依頼があり、観光も兼ねて男鹿市・大潟村で冬鳥の観察をしました。

今回のお客様は秋田県にお越しになるのが初めてという九州在住の方。
折しもこの日は今季一番の寒波が入ったことで送迎に向かった秋田空港周辺は一面銀世界。
服装などについて事前打ち合わせをした際に、ほとんど雪を見たことがないとのことをお聞きしていたので冬の秋田を満喫してもらうには最高のロケーションです。

滑走路の除雪作業のため航空機の着陸がやや遅れましたが無事に到着。
お出迎えをしてロビーを出た瞬間『寒い!』の言葉を頂戴しました。

雪景色を楽しみながら一路大潟村へ向いましたが大潟村に着く頃には雪も無くなり私としては少し残念。

 


村に入って間もなく目に入ったのはハクチョウの群れ。

 

(私はここで撮影していないのでイメージ写真)


話によると今までハクチョウと云えばスワンボートくらいなもので実物を見たのは初めてだとか。

秋田では居るのが当たり前なので考えもしませんでしたがハクチョウが渡来する南端は何処なのでしょう。
ネットで調べてみると単独での確認は鳥取県辺りまであるようですが群れでの渡来は富山県が南端となるようです。

それを考えると九州の方がハクチョウを初めて見るというのも納得です。
この後はマガンやヒシクイの群れ、オオワシ・オジロワシ・ハイイロチュウヒ・ハイタカ・コチョウゲンボウなど様々な猛禽類を観察しました。


なかでもNHKの番組「ダーウィンが来た!」で大潟村を舞台にロケが行われたチュウヒに焦点を合わせしばし観察。

此処彼処でヒラリヒラリと飛んでいます。

 

 

車で走っていると至近距離を並走する形で見られることが多くあるものの、いざ撮影を試みると急に方向を変えて距離を取られてしまいます。

気にしていないようで実際はこちらの動きをよく見ながら飛んでいるのでしょう。
お陰でいいように弄ばれました。


さてこの時期の大潟村は何といってもハクガン。

 

 

こちらをお目当てに県外からお越しのバードウォッチャーをよく見かけます。

 


調べてみると毎年ガイド付きでツアーを開催している旅行会社もあるようですが、お値段はなかなかのものでした。
しかし広い大潟村で観察するのは地元の者でも苦労することがあるので致し方ないといったところでしょうか。

 

 

Facebookの野鳥コミュニティでも県外からハクガンの観察にお越しになった方が見つけることができずに終わったというコメントを目にしました。

アクセスの良い場所とはお世辞にも言えないうえに、村に来ても東京23区とほぼ同面積のなかからお目当ての鳥を探すのはやはり難しいものです。
それでも野鳥の楽園と呼ばれるだけありバードウォッチャーにとっては魅力的な場所であることには間違いありません。


大潟村での観察を終え、日没間際でしたが村を一望できる寒風山へ。

 

 

『寒い!寒い!田んぼは三年分観た』

こんなお言葉を頂戴しました。


夜はお客様のリクエストで『地の物を食べながら、地の物を飲みたい』ということで郷土料理店へ。
リクエストに添って、きりたんぽ鍋・ハタハタ・ぎばさを注文しましたが、ネバネバ系海藻のぎばさはテレビで取り上げられて以来品薄となりこの時は残念ながら品切れ。

 

日本酒が大好きだというお客様には私お奨めの「飛良泉」を飲んで戴きました。
こちらは普段酒を飲まない私でも美味しいと思えるお酒で、大変気に入られたようでもう一杯に留まらずお土産屋でも購入されていました。

 


そして翌日。

この日は観察と観光を兼ねて男鹿市を巡ります。
定番となったなまはげ像の前で記念撮影をして普段私が観察で訪れる場所を転々としました。

小腹が空いたところで船川港へ。

そば・うどんの自動販売機。

 

 

秋田市の道の駅にあるマシンと同型の物が実は男鹿市にも1基存在します。
今や海外にも知れ渡るこの販売機、吊り下げられた七味唐辛しが非常にシュール。

一杯250円也。

 

 

体が温まったところで荒れる日本海を楽しんでもらい、観光スポットとしては有名なゴジラ岩へ。
ここでも記念撮影をしましたが、使い慣れていないカメラを預けられたものでピント合ってるかやや不安。

 


その後も各所で探鳥を続けているとサプライズでユキホオジロが登場しました。

 

 

ここではペアが餌を採っていて、観察を続けるとあちらから近寄ってきてくれることもありサービス精神旺盛です。

しかしこちらのユキホオジロ、忙しなく動き回り撮影には苦労させられました。
そんな様子を動画でも撮影。

 

 

九州ではまず見られない鳥ではないでしょう。

ユキホオジロを満喫したところで次に立ち寄ったのは男鹿市の突端に立ち並ぶ売店。
ここでは味噌たんぽを食べて頂き、郷土料理店で食べることのできなかったぎばさを購入。

九州からのお客様であることを伝えるとお店のおばちゃんが気を利かせてくれて、ぎばさを異常なまでの梱包をしてくれました。
お陰でこのぎばさ、九州に着いても凍っていたそうです。


この後はなまはげ館へ。

 

 

こちらには男鹿市内各地で実際に使われていた110体の多種多様ななまはげ面が勢ぞろい。
地域によってお面の形が異なるのがよく分かります。

館内は色々な展示ブースがあり、一方通行の最後には売店が。

これは商売上手。

 

 

なまはげ館の隣には男鹿真山伝承館があり、伝承館は男鹿地方の典型的な曲家民家。

ここでは民俗行事として大晦日にのみ地元の人以外にはなかなか見ることが出来ないナマハゲ習俗を広く観光客の方にも知ってもらうため、寸劇形式で30分置きに開講しています。

 

 

実際になまはげをご覧頂いた後に感想を聞いてみると、家の中で暴れまわって帰っていくものだと思っていたものが意外にも家の人と押し問答があり、ご馳走を振舞いなまはげがお酒を飲んでる姿はイメージとだいぶ違ったようです。

そして『なまはげの人、喉大丈夫かね』と・・・。

 


観察と観光を終え、帰りの道中はお土産屋に立ち寄り再び秋田空港へ。
帰りの便も遅れて出発というハプニングがありましたが、無事に秋田を離れ帰郷。


旅行会社の観察ツアーとは全く異なるプランになると思いますが、今回はお客様の要望に添って秋田の良さや風習を肌で感じて頂きました。

そんな野鳥観察・観光ガイド記はこれにておしまいです。

 

 

来週は所用により観察をお休みしますので日記の更新はありません