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2017年5月21日 24/14℃ 晴れ




今日は二十四節気の一つ『小満』。
立夏から数え15日目頃、 陽気が良くなり万物の成長する気が次第に満ち始めることから小満といわれています。

暦通りここのところ好天が続き、今日は快晴の夏日予報。
そんな今日の観察はコシアカツバメの渡来状況の確認を兼ねての観察です。


2年前、苦労の末に見つけ出した営巣場所へ行ってみると辺りを飛び交う複数の個体を確認。

巣の様子を見てみると殆どが朽果て、早速補修に取り掛かっている個体の姿が見られました。

 

 

秋田県では局所的に見られるコシアカツバメ、県内で営巣を確認できているのはこの場所と去年新たに支部の先輩が見つけた2箇所のみです。

 


一般的によく見られる普通のツバメに比べると約1ヶ月ほど遅れて渡ってくることから繁殖に向けてまだ準備段階のようですが、こちらは巣が壊れずにいたのか軽めの補修をしていました。

 

 

この独特の形状の巣から見える顔が本当に可愛い。

こちらで原形を保っていた巣は2つあり、もう片方はスズメに乗っ取られていました。


これが本当の空き巣。

 

 

犯罪で言うところの空き巣は窃盗の手口の一つで家人が留守中の家屋に侵入して金品を盗むことを言いますが、こちらは家ごと強奪。

更には勝手に内装をリフォームしてしまうので質が悪い。
こうなってはもうコシアカツバメは出入りできません。


しばらく観察をしてみると新たに巣を造っているのが一ヶ所で補修を行っているのが三ヶ所でした。

だいたい5分間隔で泥を運搬してくるようでしたが、2年前に追跡調査した方向とは違った方向を往復。
何処から運搬しているのか気になったので追跡調査の開始です。


やってみると2年前より地味に辛い。
林を越え建物の陰を飛んで行くので直ぐに視界から消えてしまい一人での追跡は本当に体力勝負。

途中に田んぼがあったので「なんでここから持っていかないんだよ」とブツブツ呟きながら右往左往。

ようやく見つけ出した場所は営巣場所から直線距離で1km以上離れていました。

 

 

ここでゆっくり観察と言いたいところですが車を取りに戻らないといけません。

ふと我に返るとこんな労力を遣って一体何になるんだという話。
鳥を見て給料出たらいいのに。

 


車で再びコシアカツバメが集まる水溜りに戻ると20羽ほどの姿が・・・

 

 

はて?

画像には全て写ってませんが、どう考えても営巣場所で確認した数と一致しません。

どうやら他の場所でも営巣してそうな雰囲気。
これは追跡調査が必要です。

しかしさすがの私も少々疲れが出ていたので休憩を兼ねながら泥を採りにくるコシアカツバメを観察しつつ飛んで行く方向の確認。

 

 

見た目通り腰が赤いからコシアカツバメ。
実に安直なネーミング。

オオアカゲラのように縞模様の方が目立つのでシマシマツバメでもよかったような気もしますが・・・


くだらないことを考えていないで調査開始。

 

 

再び始まった地味な作業。

しかしながら私の苦労話なんてどうでもいいですね。
見てる側からすれば知ったこっちゃない。

お前が勝手にやってるんだろという話で、新たに確認した営巣場所に到着。

結果的に云うと新たに発見した場所は2箇所。
それぞれが別方向で片方の営巣場所に至っては五つの巣を確認しました。

 

 

こちらはコンクリート造の建物で奥まったうす暗い場所に営巣しており、雨風の影響は皆無なようですがスズメが虎視眈々と巣を狙っている姿が見られました。


今はまだ局所的に見られるコシアカツバメですが今後各所で繁殖がすすむことにより、西日本の地域で見られるよう観察の機会が増えるかもしれません。

先ずは今年も無事に繁殖できますように。

今日の観察日記はここまで。

 

 

おしまい。