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2017年6月25日 27/16℃ 晴れのち曇り




今日はイワツバメの観察。

先ずは「イワツバメはどんな鳥?」ということで簡単にレクチャー。
秋田県内で見ることのできるツバメは4種で小さい順に・・・

*ショウドウツバメ 13cm
*イワツバメ 15cm
*ツバメ 17cm
*コシアカツバメ 19cm

ショウドウツバメは北海道に夏鳥として渡来し繁殖するツバメなので本州では旅鳥に分類されており、秋田で姿が見られるのは北上していく5月頃と南下していく8月頃。

他3種は渡って来る時期にずれはありますが夏鳥に分類されています。

 

ツバメは民家であったり道の駅であったり人の気配のする場所に営巣するので普段よく目にしますが、コシアカツバメも同様に人の気配のする場所を好むものの秋田では個体数が極端に少なく営巣が確認されている場所も極僅か。

一方でイワツバメは生息域が広く低地~高山で見られ、高原などの温泉街で姿を目にするツバメはイワツバメが殆どでしょう。

蘊蓄はここまでにしてイワツバメはこんな見た目です。

 

 

個人的には4種のなかで一番可愛い印象。

巣材となる泥を集めに何度も同じ場所に飛来していましたが、欲張り過ぎて咥えた泥をボロボロと落とす場面もありました。

 

 

スマートなツバメに対してずんぐりと丸っこい体型が特徴的ですが、高山帯の気温の寒い場所にも適応している為かライチョウのように足の指まで羽毛に覆われています。

この特徴は他のツバメに見られません。

 

 

この他の特徴として見られるのは腰の部分の白さ。

飛翔時は特に目立ちます。

 

 

ショウドウツバメとツバメは腰の部分に色の違いは無く、コシアカツバメはその名の通り腰に赤みがあります。


さて泥を咥え何度も往復しているイワツバメは一体何処に営巣しているのか。
追跡してみると直線距離にして500m程の小さな橋の下に出入りしているのを確認できました。

 

 

草を掻き分け橋の下を覗き込むと巣がいくつか見えましたが、咥えてきた泥を盛って巣を造りあげる様子は川の中に入らないと見えない位置にあるようだったので既存の巣を状況確認。

 


巣の形状はツバメが造るお椀型とコシアカツバメが造る徳利型の中間型といったところでしょうか。

 

 

ちょっとウンコがすごいことになっていますが心配無用。

下には川が流れているので天然の水洗便所。

 

 

岩場に営巣することが和名の由来ですが、近年では橋梁や学校などの人工物で繁殖することが多くなってきているイワツバメ。

環境の変化に適応して暮らすことのできる鳥もいれば、少しの変化でも生息場所を変えてしまう鳥もいるので、そういった意味でイワツバメは適応能力が高い鳥と言えるかもしれません。


さて、梅雨入りの発表後も好天が続く秋田県ですが徐々に暑さが増してきたので直射を受けての観察は辛くなってきました。
これから本格的な夏を迎える前に軟弱なことを言っていますが、暑さが苦手な私としてはイワツバメのような適応能力が欲しいところです。

このままではまた話が大きく脱線しそうなので今日の観察日記はこの辺でおしまいです。