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2017年7月1日 23/21℃ 曇り時々雨




梅雨入りが発表されて以降も好天が続いていた秋田県ですが、梅雨前線の北上に伴い本格的な梅雨シーズンに入りました。
今日はそんな梅雨空が本格化する前に足繁く山に通ったナイトウォッチングのお話です。


課業が終わった夕暮れ時、山に向かう道中では里山で見られる猛禽サシバの姿を目にします。

 

 

こちらは猛禽の割りに警戒心が然程強くなく、電柱の真下から撮影しても飛ぶことはありません。

勿論個体差はありますが、カメラを向けても我関せずといった個体が多い印象。


通い慣れた山に入り日が暮れた頃、辺りからは『キョキョキョキョ』と夜行性のヨタカの鳴き声が聴こえてきます。
肉眼で姿を確認できているものの未だ画像に残すことができないヨタカ、何とか画像に残せたらと思い試行錯誤を繰返しますがこれがなかなか難しい・・・


暗闇のなか高い所に止まり盛んに鳴いている姿は確認できるのですが撮影できる状況にはありません。
山を徘徊すると時々地べたに降りているところに遭遇しますが、こんな時は決まって飛ばれてしまいます。

 


運良く目の前に飛んできたと思えば・・・

 

 

まさかのコチドリ。
こんな夜更けに一体何をしてるのだ。


一方でヨタカよりもキツネの行動パターンを知ることになり、画像の出来はさておき狙って撮影できるようにもなりました。

 

 

一つ学んだのはキツネとタヌキの行動の違い。

キツネは開けた場所に出て来る前に一度立ち止まり、安全確認をするのに対してタヌキは猪突猛進。

突然飛び出してくるこの行動が轢死する結果に繋がるのでしょう。

 

 と言う訳でキツネは撮影させてもらえるのですがタヌキには逃げられっぱなし。


さて、明るい時間帯から山に入った時の出来事。
何か動く気配を感じふと見ると擬傷して羽をパタパタさせるコチドリの姿がありました。

「暗闇のなか現れたコチドリかな?」と思ったのと同時に「近くに巣があるのか?」といった疑問。
下手に動くと卵を踏み潰してしまう恐れがあるので、ジッと動かずにいるとコチドリが少しずつ歩き始め私の車のすぐそばに伏せました。


ギリギリセーフ。
巣の場所が確認できたのでその場を去ろうと車に乗り込みつつ巣を見てみると卵にヒビが入っていました。

既に誰かに踏み潰されていたのかと思い卵の様子を確認してみると・・・

 

 

近付いてみてビックリ。

割れた卵の中から『ピー ピー』と鳴き声が聞こえるのです。
今まさに殻を破り雛が孵ろうとしている瞬間でした。

コチドリの抱卵日数は25日。
よくこの場所で孵化まで温め続けたものです。
と言うのもこの場所は夜になるとキツネをよく目にする場所であり、少なからず車の侵入もあることから繁殖するには危険な場所。

ここまで頑張ったのに私の行動で何かあっては切腹モノですから速やかにこの場所を離れました。


さてさて、肝心要のヨタカの方は「一応」画像に残すことができました。

苦し紛れに撮った画像がこちら。

 

 

シルエットだけの分かる人には分かるといった証拠写真。

この写真を撮影するまで紆余曲折ありましたが、ヨタカが20時前後に同じ電線に止り15分程度鳴いたあと別の場所に移動するという行動パターンを割り出しました。


このパターンを知ることで更に試行錯誤を繰返し少しだけステップアップした画像。

 

 

証拠写真の域を出ませんが、手持ち+MF+超高感度+超スローシャッターの割りにはよく撮れたと思っています。

せめても街灯のそばに止まってくれるとありがたいのですが、こればかりはどうにもできません。
日中に見つけることができればこんな苦労をしなくて済むのですが・・・

ともあれ梅雨明け後、本格的な夏が到来したら再びヨタカの観察にチャレンジする予定です。

それまでの間じっくりと作戦を練ってみようと思います。

今日の観察日記はここまで。