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2017年9月23日 27/18℃ 曇り時々雨



秋分の日、今回は連休を利用してフェリー乗って海鳥観察。

予定では船舶を所有する知人にお願いして秋田沖での観察するはずでしたが、休暇のタイミングが合わず再び秋田港に就航する日本海フェリーに乗ることになりました。

 

 

こちらの便に乗るのは2度目となります。

秋田の観察に拘る私としては秋田沖での観察ができたらそれでよいのですが、北行きの便に乗ると苫小牧東港まで強制連行。

他に海鳥の観察をする手段がないので津軽海峡や日高沖での観察は見聞を広める為と割り切り、片道10時間の旅が始ります。

前回の観察の様子を知らない方はこちらを先にどうぞ。
画像をクリックすると前回の日記へジャンプします。

 

 

今回の観察にあたり一週間前から天気予報と睨めっこ。

天気予報では週末良いお天気になるとのことでしたが、天気図を見てみると観察のタイミングに合せ日本の南岸を低気圧が通過するようでした。

にわか気象予報士は雨を予想していましたが、直近になると状況は好転し良いお天気に恵まれそう。

しかし蓋を開けてみると秋田市は四方八方に雨曇が見えるお天気。
さすが雨男。
期待と不安が入り交じるなか、定刻の6時50分に秋田港を出港しました。

 

 

出港して約10分、外港に抜けると東側から忍び寄ってきた雨曇に覆われポツポツと雨が落ちてきたので、本降りになる前に屋根がある場所に避難。

間もなくザーザー降りのお天気になってしまいましたが、海鳥の出は好調で前回に比べるとかなり早い段階から姿を確認することができました。


背景に写るのはいつも車でウロウロしている漁港です。

 

 

オオミズナギドリがほとんどですが群の中に一羽ハシボソミズナギドリが混ざっていました。

しかし距離があることと悪天候でなかなかピント合わせが上手くいかず。
画像を拡大してもこの程度。

 

【※9月26日追記 こちらの画像に関してハジロミズナギドリに見えるとご意見を頂きました】


北側を見ると青空が見えていたので一刻も早く良い条件で観察したかったのですが、私の願いは叶うことなく曇天が続きます。

嘆いてばかりもいられないので目に入る海鳥を可能な限りチェックしていると、オオミズナギドリに比べかなり小さな海鳥が目に入りました。

腰が白い。
コシジロウミツバメか?

 

 

観察経験が浅い私は瞬時に識別ができません。
まして広い海で移動する船に乗りながら体長20cmそこそこの鳥を識別するのは経験が物を言います。

直ぐに図鑑と照らし合わせてみたいところでしたが、それは後から幾らでもできるので取り合えず目の前の海鳥に集中。

次に目に入ったのは体が丸っこく褐色みを帯びた海鳥。
フルマカモメの暗色型だろうか。

 

 

こちらは後から調べてみるとハジロミズナギドリと判明。

図鑑やネットの記事を見てみるとコシジロウミツバメもハジロミズナギドリも太平洋側で見られることが多いと記載がありました。

秋田沖での確認は珍しいケースのようですが、そもそも秋田沖で海鳥を観察する人がいないだけで記録が上がってこない可能性も否めません。


秋田県の県北に位置する能代市の沖合いを航行してると「チュチュン チュチュン」とセキレイのような鳴き声が。

何処だ?何処だと辺りを見回すと頭上を通過していく姿が見え慌てて撮影。
ファインダー越しに見るセキレイは濃い黄色でツメナガセキレイと判明。

しかしピント合わせが上手くいかないままツメナガセキレイは船の上部へ飛んでいってしまい姿が見えなくなりました。
腕のない自分が恨めしい。

ツメナガセキレイは姿が見えないながらも船の上部から鳴き声が聞こえていたのでしばらくタダ乗りしていたようです。

 


時々海上を通過する小鳥の姿が見えたので確認をしてみるとツバメであることが判り、単独で渡っていく姿を見ると感慨深いものがありました。

 

 

船は更に北上を続け八峰町の沖合いを進む頃には陽射したっぷりの良いお天気に。

この頃になると船から近い距離でオオミズナギドリが飛ぶことが多く、じっくりと観察することができました。

 

 

波と波の間を飛び、この波から発生する気流を長い翼を上手に受け止め水面をスレスレに飛んで行きます。

海鳥ならではの飛行方法をしばし堪能。

 

 

八峰町の沖合いを進むと県境を越えて青森県深浦町の沖合いを航行。

ここからは私の管轄外。
しかし北に行けば行くほど海鳥の数は多くなり群れで羽を休めている姿も多く見られました。

この頃から風が強くなり始め撮影をするにはやや厳しい環境に。
前回の観察では津軽海峡に入ってから何処を見ていいのか分からない程の海鳥が確認できていたのでタイミングが悪いことこの上無し。


 

一度ぷっつりと海鳥が見られない時間があり、早めの昼食をとっていると何かが跳ねて水飛沫が上りました。

イルカだ!

慌ててカメラを構えるも撮影に至らず。
う~ん、残念。

トビウオが飛んでる姿も見ることができましたがこちらは見入ってしまいカメラを構えることさえできませんでした。


船は津軽海峡へ入り珍しい海鳥との出会いを期待しましたが、これがびっくりするほど姿が見当たりません。

遠くにちらほらとオオミズナギドリが見られる程度で拍子抜け。
そんなオオミズナギドリのそばで水飛沫が上がるのが目に入りました。

イルカか!?

 

 

お互いに動いている状態なのでだいたいの当たりをつけてカメラを構えていると・・・跳ねた!

すかさず連写!

 

 

何だこれ?
イルカじゃない。

・・・マグロだ。

数カット上手く撮影することができたので比較的ピントが合っている画像を拡大。

 

 

近くを飛んでいるオオミズナギドリが翼を開いた時の長さは120cmで跳ねたマグロの大きさと同等に見えます。

ヒレの特徴や体の模様を参考に色々調べてみたところ泳ぐ黒ダイヤことクロマグロのようです。

サイズ的に考えるとこれからもっと大きくなることでしょう。

 
暫くマグロの撮影を楽しみ船は竜飛岬を通過。

 

 

依然として海鳥が見られない時間が続き、更に風も強まってきました。
もうカメラを構えても煽られて狙い通りに撮影ができない程の風です。


ピンポンパンポ~ン

『ご乗船のお客様に申し上げます。只今、風が非常に強くなってきている為デッキを封鎖致します。デッキにいるお客様は船内にお戻り下さい』


は???

俺の海鳥観察はどうなる、船旅をしに来た訳じゃないんだ。
往生際悪くデッキに留まっていると乗務員のお姉さんが登場。

結構可愛い。
いや、そんな問題じゃない。

お姉さんに諭され船内に戻ると船の一番後方にあるオープンデッキなら外に居てもよいとのことで、すかさずそちらに移動しました。

しかし場所が場所とあって観察には不向き。

そんなオープンデッキの様子を動画で撮影。
面白くも何ともない動画ですが音で風がどれほどのものかお分かり頂けると思います。

 

 

津軽海峡から日高沖に抜ける頃、更に天候は悪化しデッキに立っているのも辛い状況に。

強風で目は開けていられず涙はボロボロ流れる、巻き上げられた海水が飛んで来るで何か罰ゲームでもしてるような気分でしたが、ここで海鳥の大群と遭遇しました。

 

 

もうどれを見たらいいのか分からない程の数。

しかし天候の影響もあって何の群れであるのか判りません。
ただ闇雲にシャッターを押してるだけ。

 

 

観察とは程遠い状態が続きます。

後からモニターで画像を確認すると何の群れであるのか判りますが、その中に珍しい鳥がいたとしてもそれは“写っていた”というだけで観察したことにはなりません。

歯痒い想いをしながらも取り合えずシャッターを何度も押しましたが、次第に群れはまばらとなり再び鳥のいない海を眺める時間が始りました。


強風に耐えながら前傾姿勢を保持しつつ海鳥が出るのを待っていると、日高沖抜けて間もなく一際大きな鳥が目の前に現れました。

大型の海鳥、コアホウドリです。

 

 

翼を開いた時の長さは200cmですが、これでもアホウドリの仲間では小さい方。

それでも秋田港を出港してからずっと見てきたオオミズナギドリに比べると相当大きく感じますが、時化た海のなかで姿勢を縦にされると非常に確認し辛くなります。

 

 

 

見失わないようファインダー越しにずっと見ていましたが次第に距離は遠退き視界から消えていきました。

 

 

強風が吹き荒れるものの波は然程高くないという、海鳥を観察するには悪いコンディションだったのかその後はパッとせず。

それでもへこたれることなく再び大型の海鳥が現れるのを待っていると・・・


ピンポンパンポ~ン

『ご乗船のお客様に申し上げます。本船は定刻より30分早い16時50分、苫小牧東港に到着予定です』


は???
何故急ぐ。

踏んだり蹴ったりとはこのこと。
項垂れる私に共に観察をした方が『またリベンジしましょう』と優しく声を掛けてくれました。

何だかんだであっという間に苫小牧東港へ到着。
久しぶりに踏みしめる北の大地。

広がる景色や外の匂いは秋田港と何ら変わらず。
唯一売店に並ぶ“白い恋人”が北海道を感じさせてくれました。

北海道の滞在は約二時間。
乗ってきた船に再び乗り込み今回の観察は終了となります。

振り返ってみると今回の観察はマグロが一番の思い出となりました。
次回は海鳥が印象に残るようリベンジをしたいと思います。

 

長い日記にお付き合い頂きありがとうございました。

 

 

火星14号飛んでこなくてよかった。
おしまい。