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2018年 総集編

 


2018年12月30日

 

 

 


あっという間の一年。
今年は特に駆け足で過ぎていったような気がします。

業務多忙に加え度重なる怪我、そのような状況でも観察は欠かさず行ってきましたが日記の更新は遅れがちになってしまいました。

即日更新を心懸け秋田の野鳥情報をリアルタイムに発信するはずでしたが、この点についてはやや反省の残る年になってしまったような気がします。


今年も県内を駆け巡り初めて見る鳥との出会いにも恵まれ、時には秋田を離れ固有種の観察を行い見聞を広めて参りました。
このように充実の一年を過ごすことができたのは多くの方からの支えがあってこそと感謝の念に堪えません。

そんな一年を振り返る意味で今年も各月毎に想い出に残る一枚をピックアップ。
私のなかで特に印象に残る画像を掲載したいと思います。


1月 【 アカツクシガモ 】

 

 

この月は先輩から頂いた情報により初めてコオリガモを見ることができましたが、やはり自分で見つけた時の喜びが大きくこちらに軍配が上がりました。
直ぐに抜けてしまうのかと思いきや春先まで長期滞在となり、幾度となく観察に足を運んだ記憶が残っています。

 


2月 【 オジロワシ 】

 

 

初めて氷結した八郎湖を歩き撮影したのがこの写真。
ワカサギ釣りを楽しむ方が歩くエリアと違い、一部融け始めた氷の上を歩き“薄氷の上を歩く”ということわざを実践しました。
今考えると何故このような行動に出たのか分かりません。
こんな危ない真似をすることは二度とないでしょう。

 


3月 【 ハクガン 】

 

 

自宅近くの田んぼで帰宅途中に見つけたハクガン。
ハクチョウの中にサイズの小さな子が混ざっているように見えましたが、いつもの肥料袋だろうと思いそのまま通り過ぎましたが変に気になりUターン。
よく見ると見間違いではなく群れからはぐれハクチョウと行動するハクガンでした。
警戒心の薄いハクチョウと一緒だったので普段では有り得ない距離での観察が記憶に残ります。

 


4月 【 ノゴマ 】

 

 

春の渡りが低調だったこの月。
最後の最後にノゴマを見つけることができじっくりと観察することができました。
藪の中を動き回り、目の前に顔を出したと思えばいつの間にか移動していたりとかなり弄ばれたような気がします。
特に記憶に残るのは何と言っても鳴き声。
『ワンワン』にはビックリ。

 


5月 【 アカアシチョウゲンボウ 】

 


例年以上に絶好調だった5月。
情報を頂き夏羽のヘラシギを初めてみることができましたし、多種多様な野鳥を観察することができました。
そんななかで選んだのがアカアシチョウゲンボウ。
やはり自力発見は嬉しいものです。
なんとこちらは後日に成鳥♂まで現れ大変驚かされました。
本当に盛り沢山の月だったと思います。

 


6月 【 カルガモ 】

 

 

可愛いの一言。
それ以外に表現のしようがありません。
何故こんなに可愛いのか。
ただひたすら可愛い。
可愛さ余って一日に2度観察したのも良い思い出。
地域の方々に成長を見守られてる様子も印象に残りました。

 


7月 【 コノハズク 】

 

 

ナイトウォッチング元年となった今年は本格的に夜の生態を観察するようになりました。
日中に目にしたことのないコノハズクも夜に探してみると意外と存在は身近なもので、性格の個体差というものを肌で実感。
時には好奇心旺盛なコノハズクが私の顔とぶつかるのではないかというほど接近してくることも。
年甲斐もなく寝る間も惜しんで夜な夜な徘徊を続けました。

 


8月 【 ホシガラス 】

 

 

運良く間近でじっくりと観察することができました。
登山道の直ぐ側でハイマツの実を突っつき喉をパンパンに膨らませ貯食の為に何度も往復する姿は見応えたっぷり。
何十ヶ所も餌の隠し場所を記憶するそうですが、たまに忘れられた実が芽吹き森の再生に役立っているようです。
一連の行動を観察することで環境に対する野鳥の役割を改めて考えさせられました。

 


9月 【 クマタカ 】

 

 

今年は多い時で一日に6回も近くに止まってくれる大サービスの日がありました。
飛翔時にはなかなか青空を背景にすることができず写真としては今ひとつでしたが、その時々で翼の形を変化させ巧みに森林を飛ぶ姿はカッコいいの一言。
下界を見下ろすように此方を見つめる姿は威風堂々という言葉がぴったりで見ていて飽きることはありません。

 


10月 【 オオムシクイ 】

 

 

渡りの小鳥探しは不調続き。
そんななか珍鳥臭漂う動きを見せたこちらのオオムシクイ、当初メボソムシクイとの識別ができずベテランの方からアドバイスを頂きました。
今まで鳴き声を頼りに識別していましたが、この種に限らず苦手とする類いの識別が瞬時にできるよう観察力の向上を考えさせられる良いきっかけになったと思います。

 


11月  【 イワヒバリ 】

 

 

渡りのシーズン、この秋は何が観察できるかと毎週のように男鹿半島に通いましたがイワヒバリのインパクトが一番強く残っています
情報を頂き現地へ足を運んでみたものの脳内図鑑から抜け落ちていたため初見では何の鳥であるか判らず。

当時は『日本初記録じゃ?』と言わしめるほど。
他所様よりイワヒバリと教えて頂きましたが、それでも海を目の前にして観察できたことは驚きでした。

 

 

12月  【 オオワシ 】

 

 

私の総集編、もしかしたら毎年12月はオオワシになるかもしれません。
この個体が繁殖地でどのように暮らし、いつ頃こちらに向かって旅立っているのかも分かりませんが、今年も無事に来てくれました。
元気であればそれだけで嬉しく思えるオオワシ。
8年前に見た時には既に成鳥の羽に換羽していたので13歳以上であることは確か。
この先もずっと元気な姿を見ていられますように・・・。

 

 

 

以上12枚が今年各月毎の思い出に残る一枚です。

この他にも甲乙つけがたい写真が沢山ありましたが、振り返ってみると今年は命に関わる場面に遭遇する機会が多く、野に生きる者の厳しさを改めて感じさせられました。

感情移入しやすい性格が仇となり保護と称し手を出すことで必要以上に気に掛かってしまい、結果的に何が正解だったのかと思い悩んだことも多々ありました。

外に出ることでそのような場面に遭遇する確率は高くなります。
しかしそれが自然界で偶発的に起きたことなのか人間が原因で起きたことなのか、私が観察を続けることで何かが見えてくるかもしれません。
辛い場面を目の当たりにすることもありますが生き物たちに起きている変化を記録していくことは大事なものだと考えます。

結果として環境保全や生態系保護の一躍を担えるのであればこれ以上の喜びはありません。

少々難しいお話になってしまいましたが、ホームページを閲覧してくださる方々には楽しんでもらうことが第一。
私が考えることは非常にシンプルで、生き物を観察する楽しさが少しでも伝わればと思っています。

 


今年も残すところあと一日となりました。
来年も皆様に多くの幸せが訪れることをお祈り申し上げます。

今年一年間、本当にありがとうございました。
それでは良いお年をお迎えください。