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2018年2月4日 4/1℃ 晴れのち曇り




今日は二十四節気のひとつ【立春】です。
暦のうえでは春ですが、この時期の秋田は一年のうちで一番寒い時期。

今回は真冬のシーズンに姿が見られることのある、ちょっと珍しい鳥の観察です。
とは言ってもお目当ての鳥の観察については雲を掴むような話で、観察経験の無い私にとっては幻のような存在。


幻の鳥との出会いを求め、県内でも比較的目撃例の多い大潟村周辺に足を運び捜索を開始します。
先日猛威を奮った過去最強クラスの寒波の影響で大潟村を囲むようにして残る八郎湖は完全結氷。

氷上では大型猛禽の姿があちこちで見られます。

 

こちらはオジロワシの成鳥。
2羽確認できましたが、北海道で見られる個体と違って警戒心が強いため直ぐに距離を取られてしまいます。

お目当ての鳥を探し方々回ってみるものの気配すら感じることができず敢えなく撃沈。

大型猛禽の観察をしに来たのかと思うくらいオジロワシとオオワシしか見ることができず、今日はどうしようかと考えましたが何も良い案が浮かばず時間だけが経過・・・

 

空振りで帰るよりなら氷上に佇む大型猛禽の観察をと思いカメラを向けてみますが今日はどの個体もかなり遠い位置。

 

望遠レンズで撮影しているので肉眼での見た目とは違って実際はもっと遠くに居るように感じます。
風景を絡めて撮影するには全く問題ないものの最近ワンパターン化してることもあり、何か変わった観察をしてみたくなりました。


この後の行動について説明する前に先ずはこちらの動画を。

 

 

カメラをやっている人であればこれがどんな状況にあるのか分かるはず。

私が撮影する動画は一眼レフのおまけ程度に搭載された機能なので、ピントもマニュアルですしズームをすることもできません。
画像については撮って出しと云うやつです。

 


氷上に佇むはオジロワシの若鳥でしたが、光線の状態を考えるとかなり遠い位置から回り込むしかなく始めは湖の畔で撮影を行っていました。

完全結氷した八郎湖ではワカサギ釣りをする光景をよく目にするので氷が厚ければ私も氷の上を歩きオジロワシとの接近を試みたいところですが、寒気が抜けて以降気温が上昇したため所々融けている状態で今日はそんな釣り人の姿も見かけません。

この場所の直ぐそばでは水の流れがあったので氷の上を歩くなど、とてもじゃありませんが考えられません。

しかし私の悪い癖が出てしまいます。
一歩、二歩と氷の上を歩き、ここで氷が割れても何とか戻れるだろうと歩みを進めているうち調子づいた私は後戻りできない位置まで・・・

 


オジロワシが大きなあくびをしています。

 

 

剥出しの身でこちらから距離を詰めているにも関わらず全く警戒する気配が感じられません。

これは本当に想定外。
大潟村周辺に渡来する大型猛禽は1羽のオオワシを除いて警戒心の強い個体ばかりと思っていただけに私の好奇心を激しく擽ります。

氷上だから警戒しないのか?
未知のゾーンへ足を踏み入れやや興奮状態でしたが更に前へ進むと氷の色が変わりあからさまに厚さが薄くなっていることが見てとれました。

 


流石に危険を感じるので戻る・・・のが普通でしょう。
しかし私は腹這いになり匍匐前進。

腹這いになることで重さが分散されるので二足歩行よりは安全なはず。
無謀な努力の甲斐あって北海道での観察を疑似体験。

 

 

しばらく同じ場所で腹這いになっていると体温で融けだした氷で衣服はびしょ濡れ。

それと同時に氷から聞こえてくる謎の異音。
氷が割れそうな雰囲気・・・

これは不味いと慌てふためき下手な挙動を見せてしまった為にオジロワシは私と少し距離を置きました。

 

 

この期に及んでまだ撮影を続けていた己の馬鹿さ加減に呆れてしまいます。

きっとそのうち動物を観察していて命を落とすことでしょう。
何となくそんな気がしてなりません。

行きはよいよい帰りは怖い。
恐る恐る氷の上を移動して何とか陸地に戻ってきました。
もう二度とこんな真似はしないと思います。

だからこそ心残りなことが一つ。
氷上で腹這いになり、オジロワシ若と至近距離で対峙している私の姿を誰かに撮ってもらいたかった。
この点だけが悔やまれます。


今日はお目当ての鳥を見つけることができなかったものの結果的に貴重な時間を過ごすことができて満足な一日。

この辺で日記はおしまいとしたいところですが、ここで終わってしまうと『やっぱり馬鹿だったか』という印象が強く残ってしまうので、その後の観察の様子を少しだけご紹介。


帰りの道中ふと水辺を見るとアカツクシガモの姿が。

 

 

先月確認したアカツクシガモは場所を変えながらも未だ秋田に滞在中。

各方面から目撃情報が寄せられたことでおよその行動範囲が分かってきました。
寒波も乗り越え滞在しているところを見ると、もしかしたら春先まで姿が見られるかもしれません。


場所を少し移動して巷で噂のアメリカコガモを観察。
こちらでは2羽確認できましたが、離れた位置で餌を採っておりなかなか近付いてくれなかったので画像を拡大。

 

 

 

更にこちらの場所ではオカヨシガモの姿も見られました。

 

 

秋田でオカヨシガモと云えば春先に目にすることがありますが真冬に見たのは初めてです。

アメリカコガモやオカヨシガモを見ているとアカツクシガモが飛来

 

 

餌を採ったり羽繕いをしたりとのんびりした様子でしたが、ハヤブサの急襲がありコガモが1羽拐われてしまいました。

これに驚いたアカツクシガモは場所を移動。

 

 

このようにカモ類の観察も行いましたが、消化不良な感じが否めず。
カモ類に関しては後日改めて観察をして掘り下げた形で分かりやすい記事にしたいと思います。

今日の観察日記はここまで。