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2018年4月1日 12/6℃ 曇り時々雨




今日はエイプリルフール。
嘘をついても良い日とされていますが全て本当のお話。

実際のところ嘘をついても良いのは正午迄ということを調べてみて初めて知りました。

 

さて今日も前回と同様に男鹿半島を一周して渡り鳥の観察を行います。
二回連続で空振りをしているので今日は三度目の正直。

男鹿半島へ向かう道中、地元秋田市でもチェックポイントに目を光らせます。
目につく鳥を1羽1羽丁寧に確認していると何やらカラスが集り騒々しい・・・

不思議に思いよく見てみるとカイツブリのようなシルエットの鳥を囲むようにして集団で襲っていました。

カイツブリと言えば普段水辺に暮らす鳥。
何故こんな陸地に居るのかと思いましたが何はさておき助けてやらなければ。

 


私が近付くことでカラスは警戒して距離を取り、襲われていたのはアカエリカイツブリと判明。

 

 

首の辺りを怪我しているようです。

カラスに襲われたことが原因なのか、それともキツネなどの哺乳類に襲われたのかは不明ですが、私が歩み寄るとアカエリカイツブリは逃げるような素振り。

いかんせん陸地の上。
水辺で暮らす事に特化した足は歩行が苦手な為、意図も簡単に保護することができました。

 

 

きっと人間の手に捕まるのは初めてでしょう。

車に乗せる迄の間、唸り声をあげながら私の手を突っついたり噛んでみたり精一杯の抵抗を見せました。

勿論言葉なんて通じませんが「大丈夫、大丈夫」と声を掛け、車に乗せ手を離すと意外にもおとなしくなりました。

 


その時に撮影した動画です。

 

保護したまでは良かったのですが、この後どうすべきか・・・

一部首もとの羽を失っているものの捕まえた時にみせた抵抗する力はなかなかのもの。
鳥獣保護センターに移送するべきか放鳥するべきか悩みました。

しかし私の悩みとは別に、カラスから襲われずに済むとはいえ見たこともない環境に置かれて不安な気持ちは大きいはず。
取り合えず浜辺に連れて行き、その場で一度様子を見て判断することにしました。


海辺に着き、外の様子が見えると本能からか体を大きく動かし海に戻りたそうにするアカエリカイツブリ。
浜辺に放すと押し寄せた波の力を借りて海に戻ろうとします。

 

 

2~3度波が押し寄せたところで自力で海へ。

海に戻るとあっという間に沖の方へ向かい泳いで行くアカエリカイツブリ。

 

 

ホッとした半面、私の判断はこれで良かったのかと自問自答を繰り返しましたが一度海に放してしまった以上姿が見えなくなるまで見送ることしかできませんでした。


一年に一度はこのような保護に関わる場面に遭遇しますが、正直なところ本当に心臓に悪い。

性格上そのまま見て見ぬふりはできなく、かといって獣医のような専門的な知識もないため偽善者と云われたら否定もできません。
自分のことながら本当に困った性格です。


この一件により出足から大幅にタイムロスをしてしまい、加えて午後からは雨予報も出ていたことから男鹿半島を一周するには厳しい時間帯。

思案した結果、今日は予定を変更して秋田市内で観察をすることにしました。

何種か観察したなかで今回ご紹介するのは先日【ダーウィンが来た!】で特集されたエナガです。
先週の日曜日に巣造りの様子を観察されていた鳥友さんに案内して頂き現地へ足を運んでみました。

こちらがエナガの巣。

 

 

一見して鳥の巣のようには見えませんが、これは苔と蜘蛛の糸を縫い合わせるようにして造られた巣。

先日の放送では笹藪の中に造られ緑色の巣でしたが、こちらは営巣している木と同色で角度を変えて見ると木のコブにしか見えません。


こちらの巣が見える場所で待っていると羽毛を咥えたエナガがやって来ました。

 

 

先週の段階では苔を咥え外側を造っていたようですが、今日は羽毛を運搬していたことから巣作りは佳境に入っているようです。

 


必ず2羽でやって来て片方のエナガが巣から出ても、もう片方のエナガが出て来るまで近くの枝で待っているという何とも微笑ましい光景が見られました。

 

 

画像からは分かりませんが巣材が柔らかいため柔軟に巣が動きます
その様子は動画で撮影することにしました。

羽毛を咥えて飛来するエナガが出入りします。

 

 

この巧妙な巣は外側にウメノキゴケを貼り付け樹皮に似せるんだとか。

巣の中に大量の羽毛を敷き保温性を高め沢山の卵を産むようです。
ペアで雛を育てるのは勿論ですが、ヘルパーと呼ばれる別のエナガが育雛を手伝うという、見た目だけではなく行動も可愛いらしいエナガ。

 


タイミングが良ければ巣立ち雛が連なって並ぶ『もふもふ団子』が見られるかもしれません。

そんな楽しい場面を想像して今日の観察日記はこれにておしまいです。