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2018年6月3日 27/13℃ 晴れ



今日は話を少し遡り、先月29日に行ったナイトウォッチングのお話です。

以前より鳥友さんからナイトウォッチングのお誘いを頂いていましたが、仕事の繁忙期と重なり上手いこと折り合いがつかずなかなか実現できずにいました。

今回も平日のお誘いではありましたが、このタイミングを逃すと次のチャンスはいつになるのか分かりません。

私が行うナイトウォッチングは夏場の湯上がりに夜涼み程度にやっているようなものなので、鳥友さんから本格的なナイトウォッチング術を学ぶチャンス。
多少の無理は覚悟のうえ、課業終了と伴に待合せ場所へ向かいました。



時刻は19時。
日没直後でまだ辺りは薄明るい状態でしたが、鳥友さんと一緒に探検がてら林道を散策。

いつクマが出てもおかしくない(実際にいた)林道を進むと手持ちのライトに照らされた地面で何かが光りました

 

 

小動物にしては動きがない。
しかし生き物の目が光って見えることは確か、一体なんだろう。

 

足音をたてないようゆっくりと近付き確認してみると・・・

 


ヨタカだ。

 

 

これは幸先の良いスタート。

夜行性のヨタカを撮影する為、去年は何度かチャレンジしたものの電線止りのシルエット画像が精一杯でした。

今回のお目当てとは違った鳥ですが、想定外の出会いにやや興奮気味。


その後も林道を進み、辺りが真っ暗になったところで本格的に探鳥開始です。
鳥友さんと手分けをする形で周囲の枝という枝をチェックしていると『飛んだ』と鳥友さんの声。

コウモリのようにヒラヒラと飛んだ鳥が近くの枝に止まることを確認できたので集中的に捜索をすると漸く姿を見ることができました

今回のお目当て、コノハズクです。

 

足が可愛い。

去年の暮れに石垣島で見たコノハズクはリュウキュウコノハズク。
似てはいますが本州で見られる個体と別種になります。

 

 

体長は20cmと日本で見られるフクロウでは最小。

画像で見ると大きく見えますが、野外で実物を見た感覚としては握り拳ほどの大きさ。

 

 

秋田には夏鳥として渡来するため、まだ到着して間もないようです。

人を嫌う様子もなく時として直近の枝に止まることもありました。

 

 

近くで見るコノハズクからは息遣いを感じるほど。
喉を動かしながら『キョッ コー』『キョッ コー』『ブッ キョッ コー』と鳴く様子を何度も見ることができました。

雌雄では鳴き方に違いがあるようです。

 

また個体により性格の違いから行動にも変化が見られるとのことで、臆病であまり人前に出てこない個体もいれば、好奇心旺盛で人の周りを飛び回ったりと様々なんだとか。

その言葉を裏付けるように観察中には2度、私の顔とコノハズクの顔がぶつかると思うほど真っ正面に飛んで来ることがありました。

頭の上に止まるのかと思った程でしたが、夜間撮影に不慣れな私は暗闇の中を飛翔する姿を撮影する技術がありません。

そのため写真は全て止りもの。

 

 

探索中には夜間のフクロウ類観察についてのイロハを学び、今後に繋がる大きな経験となりました。

鳥友さんからは『今回の経験を元に頑張って下さい』とお言葉を頂いたので、今後は独自で生息調査を行い恩返しが出来ればと思っています。

 

其が結果的に環境保全に役立てたらいいなと。

 

 

楽しい観察はあっという間に過ぎ、時刻を確認すると日付を大きく跨いでいました。

我に返るようにして帰宅し、この日の就寝は午前3時。
仮眠程度の睡眠中、夢の中でもコノハズクの観察をするほど気分は高揚していました。

興奮のナイトウォッチングのお話はここまで。
普段見られない夜行性の鳥についてもこれから少しずつご紹介できればと思います。

 

 

おしまい。