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2018年7月28・29日 ② 35/28℃ 曇りのち晴れ

 


猛暑のなか我慢大会のような観察が続きます。

異例のコースを辿る台風12号ですが、遠く離れた秋田はフェーン現象の影響により夜中も気温が下がらず早朝から29℃超え。
煮えたぎる車に乗り込み自宅を出発しましたが、果たして何時迄我慢できるのか。
野鳥観察は体力勝負。


前日は厳しい条件でカメラの感度を上げての撮影でしたが、今日は陽射しもあり順光の位置につけたことから肉眼でも容易に観察できそうです。

給餌を待って間もなく親鳥が飛来。

 

 

幸か不幸か巣の形状が通常と異なることから給餌の様子が丸見えです。

せっかくの機会なのでじっくり観察してみましたが餌のなかで一番多かったのはアブ。
画像を拡大します。

 

 

台風の影響で強い東風の吹くなかよく捕まえてくるものだと感心して見ていました。

しかし普通のツバメに比べ給餌の頻度は少な目。
風が影響してるのか、それともコシアカツバメの方が少しまったりとした飛び方をする分なかなか虫を捕まえる事ができないのか。


他に見られた餌でアブに次いで多かったのがバッタでした。

 

 

給餌は一瞬で行われる時もあれば、親鳥が巣の中に入りどの子に与えようかしっかりと考えてる場面も見られこのような姿を見ると本当に心が温まります。

猛暑のなかでの観察で既に全身温まっているのですが、流石にこの暑さは雛も辛そう。

 

 

こちらの巣と別の巣には成鳥が2羽往き来を繰り返し、巣に執着する姿が見られました。

観察している巣と同じように徳利状ではありませんが、こちらで繁殖するのでしょうか。

 

 

暫く様子を見ていましたが、どうも行動がおかしい。

何度も巣の下に降りる姿が見られ、乗っ取った巣にやって来るスズメを酷く警戒していました。

 

 

観察を継続すると朽ち果てた巣の縁にスズメが止り、キョロキョロと下を見渡しています。


一体下に何があるのか。

 

 

振り返ってみるとコシアカツバメも下を気にしていたように思え、私も気になったことから車を降りて確認。

 

 


「なんと!?」

 

 

地面にコシアカツバメの雛が落ちているではありませんか。

道理で成鳥が変な行動をする訳だ。
つまり下に降りていたのは親鳥。

 


私の存在に気付いた親鳥が警戒したためけたたましく鳴き始めました。

もう観察どころの話ではありません。
巣に雛を戻そうにも最低でも6勺の脚立がないと届かない高さ。
どうして私はこんな場面に遭遇することが多いのか・・・
神様は私に試練を課し過ぎなのではないかと思います。

 


迷ってる暇はないので近隣を訪ねて回り事情を話して脚立を貸して頂きました。
まさかこの猛暑のなかで脚立を担いで延々と歩くことになるとは思いもよらず。

 


汗だくになって巣の場所に戻ったところで一枚だけパチリ。

 

 

不可抗力と自分に言い聞かせ雛を片手に巣の中を覗いてみると他に雛の姿は無し。

「本当にこの巣に戻して大丈夫なのだろうか」

不安が過りますが、親鳥に余計な心配をさせないよう素早く雛を巣に戻してこの場を撤収。

車に乗り込み様子を見守ります。
親鳥が飛来すると雛が翼をパタパタさせ餌をねだる姿。

 

 

しかし親鳥は雛に餌を与えることはなく何度もこの場所を往き来します。

暫くこの状態が続き今度は親鳥が巣に止りました。
しかし雛に給餌せず下を気にしています。

 

 

「余計な手出しをするべきじゃなかったか・・・」

そもそも雛は何処から落ちたのか。
周囲の巣はスズメに乗っ取られているように見受けられましたが、確認の意味でもう一度巣の下に行ってみると物影にコシアカツバメの雛と思われる亡骸がありました。

2~3日くらい前に死んだと思われます。

何が原因で巣から落ちたのか分かりませんが他に雛の姿は無し。
唯一残った雛が地面で給餌を受け生き延びていたのかは定かではありません。

 


何はともあれ餌を貰えないことには巣に戻した雛が死んでしまいます。

もう少しだけ様子を見てみようと車に戻って間もなく・・・

 

 

煮えたぎる車の中、独りでガッツポーズしてました。

一度給餌を始めると2羽の親鳥が頻繁に給餌を繰り返します。

 


この姿は動画でも記録をしました。
一生懸命翼をパタパタさせる姿がとっても可愛いです。

 

 

脚立借りてきて本当によかった。
どうか巣立ちの時まで落下することなく無事に成長できますように

 

 

今日の観察日記はこれにておしまいです。

 

 

おまけ

 

立ち寄った施設の入口にこんな張り紙があり、目線の高さでツバメが子育てをしていました。

 


 

優しい方々に見守られているようです。

見ているこちらが嬉しくなるような出来事でした。