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2018年8月12日 30/20℃ 晴れ




今日から短い夏期休暇。
休暇初日はチゴハヤブサの観察です。

ちょうど今時期はチゴハヤブサが巣立ちを迎える頃で、今年も県の内陸南部地域に足を運んでみました。
渡来~営巣までを継続観察している訳ではないので実際のところ行ってみたところで観察できるかは分かりません。


先ずは成鳥を探すところから・・・と思いきや一昨年いつも止まっていた電柱にチゴハヤブサが。

 

 

人の気配が多い場所で繁殖するせいか警戒心は皆無に等しいと思います。

この電柱に成鳥が止まっているということは、もしや一昨年と同じ枯れ木に幼鳥の姿があるのではとそちらを見てみると・・・

思った通り。

 

 

しかし枯れ木に止まっていた幼鳥は1羽だけ。

一昨年の盆明けには4羽の幼鳥を見ることができていました。
「何処かに必ず居るはず」そう思い、他の幼鳥を探そうと思った瞬間、枯れ木から飛び立つ幼鳥。

 

 

もう上手に飛べるのか。
どうやら去年・一昨年に比べると巣立ちの時期が早かったようです。

よく見ると民家の屋根の上にもう1羽の幼鳥が。

 

 

暫くすると疎林の陰からもう1羽の幼鳥が姿を見せてくれました。

枯れ木に止まった幼鳥は足元がおぼつかない様子で、こんなところにまだあどけなさを感じます。

その様子は動画で記録。

 

 

一方で成鳥は凛々しい姿。

伸びのポーズで羽の特徴がよく解る写真を撮影させてもらうことができました。

 

 

伸びが終わると首を小刻みに動かし、どうやら獲物を狙っている様子。

飛び立った瞬間に連写しカメラ任せに撮れた一枚。

 

 

カメラの性能が良いと私のような素人でもまぁまぁな写真が撮れる時代です。

飛んで行った先を目で追うと複雑な動きをしながら狩りをしていました。
おそらくトンボやセミを捕まえているのだろうと適当にシャッターを押し、撮影した画像を拡大して一枚一枚確認していくとこのようなシーンが。

 

 

度々狩りをする親鳥の姿を見ることができましたが、一向に給餌をする気配が感じられません。

枯れ木に戻ってきても餌をせがみ鳴き続ける幼鳥を無視して羽繕い
その様子は動画で。

 

 

どうしたものかと観察を続けましたが給餌は確認できず、むしろ親鳥が幼鳥に狩りを見せつけるように枯れ木の回りを飛んでいました。

狩りの仕方を教えているのか、それとも巣の周辺から離れ本当の意味での巣立ちを促しているのか・・・
そんなことを考えながら観察を続けていると幼鳥の鳴き声が一際大きく聞えました。

 


漸く親鳥が獲物を持ってきたようです。
捕まえたのは・・・スズメ。

 

ちょっと辛い写真を掲載しますがありのままにお話します。

 

 

獲物の受け渡しのシーンを撮影しようとカメラを構えますが、親鳥は幼鳥に餌を与えようとしません。

今日、私が観察を始めたのは7時半。
この時の時刻は11時半を過ぎていて、つまり最低でも四時間は何も口にしていないのでお腹を空かせているはず。

幾ら鳴いて餌をせがんでも親鳥は獲物を見せつけているだけの時間が続き、我慢できなくなった幼鳥は親鳥に迫ると驚いたころに親鳥はヒラリと交わし場所を移動して再び獲物を見せつけました。

 

 

この行動は一体何を意味するのか。
注意深く見守っていると親鳥は獲物を持ったまま飛び立ちいつもの電柱の上へ。

やはり行動範囲を広げる為に親鳥がそれを促しているのではないのだろうか。
そんな風に思い、親鳥を注視していると再び枯れ木に戻ってきました。

 

 

獲物は握られたまま。

しかし幼鳥に与えることなく暫く鳴き交わしたあと再び電柱の上へ

電柱の上では獲物の羽を毟る様子が確認できたので、結局親鳥が食べてしまうのかと思いましたが枯れ木から移動しようとしない幼鳥に根負けしたのか親鳥が漸く給餌をしました。

待ちに待ったといった様子で夢中で食べています。

 

 

例年に比べ巣立ちが早かった分、今日は今まで見ることのなかった行動を見ることができました。

この近くではもう1ペアが繁殖をしていて、そちらはまだ巣立ちを迎えておらず繁殖の時期は多少ばらつきがあるようです。
もう少しするとこの地域は更に親鳥と幼鳥の鳴き交わしで賑やかになることでしょう。

幼鳥が自分で餌を捕れるようになった頃にはタカの渡りが始まる時期。
あっという間に季節は移り変わります。

 

 

今日の観察日記はこれにておしまい。