メールはこちらから

 

 

X (旧Twitter)はこちらから

 

 

2018年8月5日 28/24℃ 曇り時々雨




今日の日記はカンムリカイツブリの観察記。

3ヶ月に渡ってカンムリカイツブリの繁殖地に足を運び、定期的に観察することで様々な行動を見ることができました。

今回は今まで撮り溜めた画像を元にお話を進めていきたいと思います。

先ずはカンムリカイツブリの画像から。

 

 

体長は56cmとカルガモより少し小さい大きさ。

本州では主に冬鳥として渡来しますが、各地で留鳥化する個体が増え場所によっては一年を通して観察することができます。

私が野鳥を観察するようになり、この鳥を初めて見た頃に比べると年々個体数は増加傾向。
今では至るところで見られるようになりました。

容易に観察できることもあり今年は繁殖の行動に密着。
繁殖期に入ると求愛行動が此処彼処で見られます。

「クワッ クワッ クワッ」と鳴き声をあげお互いに向き合い求愛行動が始りました。

 

 

頭部を囲むような飾り羽が開き、左右に首を降ったり羽繕いに似たような動きを繰り返します。

静止画ではなかなか解りにくい複雑な行動なのでこちらは動画で撮影を行いました。

 

 

こうしてペアが誕生しますが、求愛行動は巣材となる水草などの運搬も含まれるようです。

カンムリカイツブリの巣は水生植物に運搬してきた葉や茎を複雑に絡ませ、それらを固定し浮巣を形成。

 

 

この行動は一度だけではなく同じペアで何度も繰り返し行われていました。


暫くすると浮巣も完成したようで巣の上で寝そべるような格好になる♀の姿が。
背後から♂がやって来てピョンと跳ねるように巣の上に乗ったところで交尾の始りです。

 

 

これで正式にカップル成立といったところでしょうか。

めでたしめでたしと思った瞬間、交尾を終えた♂が♀にヒップアタック。

 

 

これはひどい。
偶然このような画像になりましたがまるでDV夫のよう。

 


無事にカップルが成立した個体もいれば激しい縄張り争いをする個体も。

 

 

胸を合わせて押し合う姿は相撲をとっているようです。

こちらでは狭い範囲に見えるだけで11ペアの巣が形成されました


暫く間を置いて様子を見に行ってみると浮巣でジッとしているカンムリカイツブリ。
どうやら抱卵をしているようです。

抱卵は雌雄交代で行われ約1ヶ月近く卵を温めますが、転卵の際には卵を見ることができました。

 

 

転卵とは読んで字の如く卵を転がすこと。
卵を同じ状態で温め続けると卵の中の胚が殻に癒着してしまうので嘴を上手に使って卵を転がします。


無事に雛が誕生するまであと少しとここから毎週様子を見に行きましたがなかなか雛が孵りません。

カイツブリの類いは孵化してから少しの間、雛は親鳥の背中に乗る姿が見られます。
そのシーンが見たくて毎週通いましたがいつの間にか大きくなってる雛の姿が・・・

 

 

幾らなんでもこれは観察していた個体の子ではないでしょう。

今日は絶対にベビーラッシュになってるはずと観察を楽しみにしていましたが、前日の予報では大雨警報が出てもおかしくないほどの悪天候が予想される気象情報。

 


タイミングが悪過ぎる・・・

ダメ元で繁殖地に行ってみるとかなり遠くで親鳥と戯れる雛の姿。

 

 

時折ザーザー降りの生憎の空模様でしたが画像を拡大すると親鳥の背中に乗ってる雛の姿が見られました。

 

 

画像が酷すぎて残念。

他所様よりお聞きした話ですが、カンムリカイツブリは雛が孵化して間もなく親鳥は自分の羽を抜き餌のように与えるそうです。
こうしてペリットを吐き出させる練習をさせるとか。

背中に雛が乗るのは約2週間。
親鳥の背中で羽を与えられるシーンをどうしても見てみたいのでもう暫く観察を続けたいと思います。

 

 

カンムリカイツブリの話題で最後の画像は部分白化と思われる個体。

品よくとても綺麗でした。

 

 

 

今日のおまけ

コシアカツバメが一週間のでこんなに大きくなっていました。

 

 

もう親鳥と然程変わりません。

あと4日くらいで巣立ちを迎えることでしょう。

コシアカツバメは育雛中に巣の補修をしないという定説があるようですが、それを覆す動画です。

給餌と巣材の運搬・補修を同時進行することが判明しました。

 

 

おしまい。