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2019年10月13日 19/11℃ 曇りのち晴れ




東日本に記録的大雨をもたらした台風19号、13都県に特別警報が発表される未曾有の大災害となりました。

秋田県には13日未明に最接近したものの本県を囲む山々が台風の脅威をブロックする形となり、これといった被害の報告もなく河川が増水する程度に留まったようです。


今回の日記を更新するにあたり、先ずは被災された方々にお見舞い申し上げるとともに一日も早い復旧と復興をお祈りいたします。

さて台風19号は週前半の予報よりも早めに三陸沖へ抜けてくれたお陰で、日曜日の朝には雨があがり急速に天候の回復が見込まれました。

しかし吹き返しの風が強く海沿いでの観察は厳しいだろうと判断し、今回は比較的風の影響の少ない山間部で観察を行うことに。


観察場所に足を運び初めに目にしたのはヤマドリ。

 

 

綺麗な成鳥の雄でしたが木陰に居たので全身を見ることができず。

『ドドドドッ』という音を立て母衣打ちをしていました。

 

 

私の存在に気付いたのか斜面の影に降りていく様子が見られたので、足音を立てないようこっそりと裏側に回ると・・・

 

 


「うおっ」

クマが居た。
その距離僅か20mほど。

咄嗟にカメラを構えましたがクマは一目散に逃げてしまい、残念ながら画像を残すことはできませんでした。
逃げた場所を確認すると獣道になっているのか植物が不自然に倒れていたので、もしかするとこの場所がクマの通り道になっているのかもしれません。

それを知ってかこの場所には注意喚起をする看板が。

 

 

魚を食べる姿に違和感を覚えるのでドングリを食べてる姿に変えてもらいたいところ。

肝心のヤマドリの姿は見当たらず、暫く辺りの様子を伺っているとカラ類の混群がやって来ました。

山に来たからには山の鳥に焦点を当てゴジュウカラを撮影。

 

 

北海道で見られるゴジュウカラはお腹が真っ白で亜種シロハラゴジュウカラになりますが、秋田でも稀にお腹の真っ白なゴジュウカラを見掛けることがあります。

それがシロハラゴジュウカラに該当するのか分かりませんが、この日見られたゴジュウカラは普通のゴジュウカラのみでした。

 

 

ベレー帽を被ったような可愛いコガラも見られましたが、こちらはなかなか撮影させてくれずかなり渋い印象。

対照的に平地でも見掛けるコゲラが『俺を撮れ』と言わんばかりに目の前で餌を採っていたので遠慮なしに撮影。

 

 

『ギィー ギィー』と鳴き声を発しながら餌を採っていました。

カラ類の混群を観察しているとヒタキ特有の動きを見せる小鳥がいたので、よく見てみるとサメビタキ。

 

 

こちらは渡りの途中の個体でしょう。

そして不意に現れたのがムギマキ。

 

 

こちらが今日お目当てとしていた小鳥です。
この鳥を見たくて毎年この時期になると山へ足を運んでいますが、去年は渡来を確認できずに終わっていました。

取り合えず渡来を確認できたということで、見失わないようしっかりと動きを目で追っているともう1羽確認。

しかしこちらは動きが素早く撮影を許してくれません。
証拠写真だけでもと思い四苦八苦していると何とか枝の被らない良い場所に止まってくれました。

 

 

ムギマキは特定の植物に飛来する様子は見られずカラ類の混群と行動しているようで、広い範囲を周回するように動いていたことから今年の観察は難しいかもしれません。

この日見られた個体は移動の途中にたまたま見られたものなのか、居着いてゆっくり観察できるようになるのか今のところ分かりませんが今後の動向に注目していきたいと思います。


カラ類の混群と共にムギマキの姿も見られなくなり、暇を持て余してウロウロしているとオオアカゲラがドラミングをする音が聞こえてきました。

音を頼りに探してみると割りと高い位置に止まっており、残念ながら観察は難しい状態。

 

 

何か一種をじっくり観察したい私にとって悶々とする時間が続きます。

お目当てのムギマキも確認できなくなってしまったことから、気持ちを切り替えヤマドリがよく見られる林道へ移動することにしました。

 


私が観察する林道は地点の始めから終わりまで徒歩で30分ほどの距離。
こちらをゆっくりと車で進みます。

曲がりくねった場所や一日を通して薄暗い場所は要注意。
何が居るかワクワクしながら林道を進むと林縁で餌を採るトラツグミを発見。
驚かせないよう観察しやすい位置に車を止めると対向車が・・・

 


タイミング悪過ぎ。
驚いたトラツグミは木の上に移動してしまいました。

 

 

結局このカットを撮影したところでトラツグミは飛び去り、振り出しに戻ります。

林道ではホオジロ、アオジ、カシラダカが多く見られたものの珍鳥と呼ばれるような小鳥は見られず終点に到着。

 


終点で暫く時間を潰し、鳥たちが落ち着いて出てくるタイミングを見計らったところで始点に向かい出発。

片道で出が悪くても往復することで何かしら出会いに恵まれることもあり、今回は2週間前と同じ場所にヤマドリが出ていました。

 

 

一度は藪の中へ姿を消しましたが、以前の観察と同じように目の前へ・・・

姿を見せたのは雌の幼鳥でしたが、この2週間のうちに尾羽が伸び成鳥に近い特徴へ変わっていました。

 

 

下の画像は2週間前に撮影したものになります。

 

 

見比べてみると換羽の様子が一目瞭然。
成鳥雌に見られる複雑な模様が顕著に見られるようになっていました。

以前は群れで行動していたヤマドリの幼鳥ですが、今回姿を見ることができたのはこの1羽のみ。

各々行動するようになったのか、たまたま1羽した出てこなかったのか分かりませんが、立派な成鳥になり繁殖してくれることを願っています。

この様に今回の観察はヤマドリに始まりヤマドリに終わりました。
今週は久しぶりに祝日も休暇ということで翌日の月曜日は男鹿半島で珍鳥探し。

その様子は後日更新の日記へ続きます。