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2019年10月20日 19/12℃ 晴れ

 




今回も渡りの時期だからこそ見られる珍鳥探して各地を巡回。

先ずは先週確認していたムギマキがその後どうしているか気になり山へ足を運びました。
風の便りに姿が確認できなくなったとの話を耳にしていましたが、時期的に別個体が渡来している可能性もあります。

先週に比べ小鳥たちの声が賑やかな観察地、果たしてムギマキは居るのでしょうか。

 


一足早く現地入りしていた鳥友さんが2名いらしたので状況を伺ってみると残念ながらムギマキの姿は見当たらないとのこと。

 

「 う~ん、やはり完全に抜けてしまったか 」

着いて早々落胆の色が隠せませんでした。

しかし観察地には先週見られなかったマミチャジナイがあちこちに
とは言っても高い場所に止まる個体ばかりだったので観察するには難しい状態です。

 

 

少し粘ってみましたが条件良く観察できそうにもなかったので、気持ちを切り替えて男鹿半島に移動。

先週確認していなかった雑木林にも足を踏み入れ探鳥を行いましたが、条件としてはムギマキを探した山と然程変わらず“ 珍鳥 ”を見つけ出すことはできませんでした。

 


方々歩いて唯一じっくり見たのはヒガラ。

 

 

私の存在などお構い無しで、松の木にぶらさがって採餌したりと忙しなく動く姿が印象的でした。

心踊るような出会いがないまま時間は過ぎ、結局いつもの場所で待機することに。
心拍数が上がるような鳥が出てくれることを祈りながら暫く待っていると・・・

 

 

私が待っているのはこれじゃない。

 


待機を始めて2時間ほど経過した頃、車を止めていた脇の草地でモゾモゾと鳥が動いているのに気が付きました。

ホオジロかな?と思いながらも注意深く見ていると不意に顔を覗かせた謎の鳥。

 

 

「 何だ、この鳥??? 」

顔の印象はツメナガホオジロに似ますが嘴の色と羽の模様が違います。
やや心拍数が上がり始めました。

謎の鳥は草陰に見え隠れしながら少しずつ場所を移動し採餌をしているようで、抜けが良い時を狙って撮影。

後ろ姿。
頭部を除いた羽の特徴はカシラダカにそっくり。

 

 

また腰の部分には赤褐色の鱗模様が見られました。

画像を拡大します。

 

 

この特徴を持っているのはカシラダカとシラガホオジロの2種。

私はシラガホオジロの観察経験が無いのでこの時点ではっきりと自信を持ってシラガホオジロだと断言できませんでしたが、シラガホオジロであることを疑い注意深く観察を続けました。

一度ホオジロに追われススキが生い茂る場所に隠れてしまいましたが、再び顔を出すと今度は開けた場所に移動し採餌を始めたことで特徴が判りやすい状態に。

 

 

観察経験が無い私にとって唯一の頼りは図鑑になりますが図鑑を持ち歩いた時に限って良い観察ができないジンクスがあり、この時も図鑑を持っていなかったため見比べることができず。

ネットでの検索は可能でしたが、この時は目の前の鳥から目を離すことができなかったのでそれは後回し。

観察を続けていると不意に背筋を伸ばしたような姿勢になり、胸の特徴を見ることができました。

 

 

胸から脇にかけて細めで黒褐色の縦斑が見られます。

この点についてはシラガホオジロの特徴を示しており、頭部に次いでカシラダカとは別の特徴を持っていることからカシラダカの可能性が低くなりました。

その他の特徴として体長がやや大きく見えたことと、尾羽が長く見えたことからシラガホオジロと断定して間違いないでしょう。

ここで顔の特徴を見比べてるため先週撮影していたカシラダカと比較。

 

【 カシラダカ 】

【 シラガホオジロ 】


 

比べてみると明らかに顔の特徴は違うように見えますが、これはカシラダカの短い冠羽が立った状態のため。

図鑑に掲載されている写真やネットで見られる画像は冠羽の立ったものがほとんどですが、カシラダカは冠羽を伏せることもあります

そのせいか帰宅後にネットで調べてみるとカシラダカとシラガホオジロが誤認されているケースも見られ、私自身過去に誤認していた可能性も否めませんでした。


今回の観察は私にとって大きな経験となったと思います。

 

 

シラガホオジロということは判明しましたが、私にとって残る疑問は今回観察できた個体の性別。

当初♀だと思っていましたが、調べれば調べるほど分からなくなりお手上げ状態・・・
と言うのも個体差なのか年齢による違いなのか調べて出てくる画像の特徴が各々異なり何が正解なのか分かりません。

 

 

色んな角度から撮影した画像を元に調べていくと、行き着いた答えは雄の第1回冬羽。

似た特徴を持った画像がネットでも見られましたが、しかしネットの情報を鵜呑みにするのは危険。

やはり観察経験豊富な方の意見を伺うのが一番と思い、Twitterにも画像を掲載しましたが各方面に教示を仰ぐことに。

そして頂いた回答は『 ♂第一回冬羽でも今の時期であればすでに外見は♂になっているのが普通ですから、♀かと思います 』とのことでした。

 

 

その他にも画像から判断できるシラガホオジロの特徴を教示頂き私としては溜飲の下がる思い。
「 粘って観察してよかった 」と心から思える、そんな一日となりました。

 


今回はかなりマニアックな話題となってしまいましたが、この日の観察で一番のお気に入りの画像を最後に掲載。

シラガホオジロを待ってる間に見られたホオジロ。
採餌をしていると上空にハヤブサの姿が。
突然の登場に藪に逃げ込むこともできず、その場に固まり上空を気にする仕草がとても可愛かった。

 

本日の観察日記はこれにておしまいです。