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2019年 野鳥観察の旅 in 八丈島 ③

 

 

2019年11月9日

 

 


前回の続き。

アカコッコを探し島内を巡ってみましたが残念ながら初日は発見に至りませんでした。

しかしアカコッコこそ見られなかったものの、シチトウメジロ・オーストンヤマガラ・タネコマドリをしっかり観察することができ個人的には上々の滑り出し。

日程2日目は早朝から探鳥を行う予定でしたが・・・


悲運にも荒れ模様の天候で外は真っ暗。
前日から悪天候が予想されため天気予報を何度も確認していましたが好転することはなく予報通りの天候となってしまいました。

雨風共に強く観察できるような状態ではありません。
しかし宿に籠っていたところで何も始まらないので、観察は別としてアカコッコの捜索に出ることにしました。

前日に探鳥を行った林道に入ると一段と暗く感じ、通りかかった車はライトを点灯するほど。
標高の高い位置は霧で見通しが悪く捜索すら困難な状態であったことから低地へ戻ることに。


風が強いことで雲の流れも早く一時雨が止む時間帯もあり、気合いを入れ直して探鳥を行うと道路脇に佇むアマサギを発見。

 

 

こんなところでどうしたんだろうと思い様子を見てみると何事もなく餌を採っていました。

八丈島にはサギが少ないのか後にも先にもサギを見たのはこの1羽だけ。

 

 

八丈一周道路という海岸線を走っていると八丈島小島が見えてきたので記念撮影。

観光パンフレットに記載されていましたが、八丈島小島はクロアシアホウドリの繁殖地となっているそうです。

 

 

ガイドツアーが催行されているようですが、重要な場所ということで基本的に上陸は禁止されているのだとか。

パンフレットには地元の学生さんが繁殖地の整備のため草刈りをする様子が掲載されていましたが、鳥たちにとって良い環境を末長く保全してもらえたらと思い眺めていました。

刻々と天候は変わり窓を開けられないほど強く降る時間帯もあり、この日最後に見たのは船に止まるイソヒヨドリ。

 

 

これといった収穫もないまま日没を迎えてしまいましたが、翌日の天候を確認してみると朝から快晴予報。
しかし私が予約していた帰りの飛行機は13:55発の便ということもあり、レンタカーの返却や諸々のことを考えると観察できるのはお昼頃まで・・・

 


思い立ったように空港へ走り予約していた便をキャンセル。
17:25発の便のチケットに取り直しました。

この行動が後に思わぬ展開になるとは露知らず。

ふと見ると空港の中でアカコッコを発見。

 

 

レストランの屋号にもなっているくらいなので島の人には周知されていると思ったのですが、公園で遊んでいる小学生たちにアカコッコのことを聞いてみると『知らな~い』『名前聞いたことあるけど見たことない』といった具合で意外にもそれほど知られた鳥ではないようです。


すっかり辺りは暗くなり、宿に戻るとこの日も海の幸が盛り沢山。

 

 

宿が良かったのか出てくるお料理はどれもこれも美味しいものばかり。

見通しの悪いところで探鳥を行ったせいか眼精疲労が酷く、翌日の探鳥に備えてこの日も早めの就寝をすることにしました。

 

 

 

 

2019年11月10日

 


快晴予報の最終日。

宿から外の様子を確認すると少し雲が残るものの青空の見える良いお天気。

泣いても笑ってもこの日が最後。
鼻息荒く宿を出発し最初の探鳥場所に向かって車を走らせていると歩道にチドリの類いが居たような・・・

ちょっと気になりバックオーライ。

チドリの類いに見えたのは尾羽の無いハクセキレイでした。

 

 

「尾羽は何処に忘れてきた?」

どうしたものかと気に掛かりましたが弱ってる様子も無かったので再び車を走らせ山の麓へ。


天気が関係あるのか、この日はカラスバトの鳴き声が頻繁に聞こえ飛び立つ姿は肉眼でもしっかりと見ることができました。
しかし繁った木から木へと移る形で飛行する時間が短く、咄嗟の動きにカメラワークが追い付きません。

私にとって相性の悪い鳥のようです。

 

一方でこの日もタネコマドリはしっかりと観察することができました。
こちらは橙色が淡く全体的に褐色みを帯びていることから♂の若い個体のようです。

 

何処かあどけなさが残り小鳥のマスコットキャラクターのような印象。

成鳥もよく見られましたが、この写真はちょっと残念。

 

 

シャッター速度さえ上がっていれば、普段なかなか見ることのできない部分をしっかりと見ることができたのですが・・・

タネコマドリを観察しているとオーストンヤマガラも登場。

 

 

こちらはゴツいの一言。

サイズの小さな鳥ばかり見ているせいか妙に大きく感じます。

 

 

沢筋ではタネコマドリの囀ずりに対抗するようにウグイスの囀ずりを耳にする機会が多く、目の前にひょっこりと姿を見せることも。

 

 

この島の季節感は一体どうなっているのでしょうか。
繁殖期が一年中続いているのかと思わされるほど賑やかでした。


島内を駆け巡り時刻を確認してみると午前10時過ぎ。
陽は高くなり鳥たちの活動が鈍くなってくる時間帯です。

私の心は完全に折れてしまいました・・・

 


見つからない鳥を探して時間を潰してしまうよりなら、釣り船をチャーターして海からクロアシアホウドリを観察しようと考え漁港で船乗りさんに直談判。

しかし返ってきた答えは『まだ渡ってきて間もないので海に出てもほとんど見られない』とのことでした。

クロアシアホウドリは12月に入ると個体数が増えるようで、今時期はまだ早かったようです。
アカコッコもダメ、クロアシアホウドリもダメで八方塞がり。


渋々漁港を後にし再びアカコッコを探しましたが見つけることのできないまま時間だけが過ぎていきます。
まるで島内に1羽しか生息していない鳥を探している気分。

正午が過ぎ漫然と車を走らせていた時の出来事、100mほど先を赤っぽく見える鳥が道路を横切る形で藪の中に飛び込む姿を目にしました。

 


「い、今のアカコッコだよな?」

一瞬の出来事で確信は持てませんでしたが、逸る気持ちを抑えてゆっくりと車を移動し飛び込んだ位置の手前で暫く待機。

もしアカコッコであれば餌を採るため藪の中から出てくる可能性があります。
しかし幾ら待っても姿を現すことはなく時間が経過するばかりだったのでこちら側からアプローチ。

 


慎重に藪の中を見て回ると・・・

 


「見つけた!」

 

 

漆黒の頭部に黄色いアイリング、紛れもなく成鳥♂のアカコッコです。
土壇場で遂に姿を確認することができました。

片足を引っ込めているところをみると、アカコッコは藪の中で休んでいたようです。

見つけることはできましたが、この状態ではまともな観察はできないと考え暫く待機することに。

 

そこへ何処からともなくシチトウメジロの群れがやって来ました。
道路沿いには実のなる木が自生しており、こちらの実を食べに来たようです。

 

 

薄暗い林道に比べると観察しやすく撮影も容易。

アカコッコが出てくるまでの間、シチトウメジロに相手をしてもらうことにしました。

 

 

シチトウメジロを観察していると突然体長の大きな鳥が飛来。
一体何が飛んできたのかと思いきやよく見てみると驚きのアカコッコ。

しかし何故見通しの良いところに出てくれないのか・・・

 

 

肉眼では実を啄む様子が見ることはできるものの撮影は極めて困難な状態。

幾つか実を啄むと再び藪の中へ。
しかしこちらの木へ執着しているようで、数十分すると再び姿を見せてくれました。

 

 

何とかそれらしい画像を残すことができたことと見通しの利く場所で採餌の様子をしっかり見ることができ、漸くアカコッコを観察できたという気持ちに。

一度は心が折れ観察を諦めていましたが、帰りの時間を変更したことが功を奏しこのような展開になるとは思いもしませんでした。

時間ギリギリまで粘り、その間に飛来した回数は計7回。
地面で落ち葉を掻き分けミミズを捕る姿を見ることはできませんでしたが、無事に観察できたことが何よりでしょう。

 

 

季節外れの八丈島でしたが、最後の最後に目的を達成することができ良い思い出を作ることができました。

次の機会には季節を変え今度はベストシーズンの八丈島で観察をしてみたいと思います。

今回の日記は少々長くなってしまいましたが 2019年 野鳥観察の旅 in 八丈島はこれにておしまいです。