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2019年12月15日 4/1℃ 曇り

 


今日はガイドの依頼を頂いたお客様と一緒に観察を行ったのでそちらの様子を日記に綴りたいと思います。

お客様とは昨年の夏に別件で一度お会いしていましたが、秋田で冬鳥を観察したいとのお話がありこの度再会が実現しました。

 

前日の夜に秋田空港最終便で秋田入りをされたお客様をお迎えにあがり、宿泊先まで送迎するまで秋田での観察についてリクエストを伺ったうえ大まかなルートを選定。
観察の内容としては男鹿半島でカモやカモメを観察し、その後は大潟村でガンや猛禽の観察を予定しました。


早朝の時間帯に秋田市を出発して男鹿に入ったところで先ずはカモの観察。

ホオジロガモの群れを始めとして様々なカモ類を観察して頂きました。

 

そんな傍ら私は魚と格闘するウミアイサを撮影。

 

 

なかなか呑み込めずにいましたが、無理矢理といった感じで丸呑みしていました。

漁港を転々とする形で探鳥を行っていると岩礁で羽を休めるシノリガモが目に入り、お客様から『ほんの数分いいですか?』との声。
和気藹々とした雰囲気から一転、真剣な表情でシノリガモを観察されています。

 

 

鞄から取り出したスケッチブックに何の躊躇もなく描かれていくシノリガモ。

普段目にすることのない光景に釘付けの私。

 

 

お客様曰く『写真には写真の良さがあるけれど、私は絵の良さを伝えたい』とのことで、絵で表現する鳥について沢山お話を聞かせて頂くことができました。

その後はカモメの類いを観察。

 

 

港に集まるカモメをスコープで1羽1羽丁寧にチェック。
カナダカモメの交雑と思われるカモメを見つけることができましたが、こちらは時間を掛けて要検証。

 

ふと見るとこちらでもシノリガモがプカプカ。

 

シノリガモ御一行様。

 

 

外港は波が高く時化た状態でしたが波に揺られるカモ類の数は多く、しっかりと確認してみるとクロガモであることが分かりました。

黒い体に黄色の嘴が特徴的なので遠く離れていても識別は容易です

 

 

男鹿半島での観察を終え時刻を確認してみると間もなく正午になろうとしていました。
今時期は16時ともなると真っ暗になってしまうので足早に大潟村へ移動。

始めにオオワシを観察しようと思いましたが、想定していた場所におらず予定を変更してハクガンの観察へ。

お客様にとって秋田での一番の楽しみはアオハクガンの観察でした
期待に応えるべくハクガンの群れに1羽混ざるアオハクガンの幼鳥を丁寧に探します。

 


無事に発見。

・・・しかし寝てる模様。

 

 

ハクガンの群れの奥で寝ているガンが2羽。
右側の個体はヒシクイで左側の個体がアオハクガンの幼鳥です。

青でもなく黒でもない、灰色が混ざったような微妙な色合い。

一体どんな特徴を持つ鳥なのかしっかり観察したいところでしたが寝ているため全貌を見てとることができません。
ここで諦めるという選択肢は勿論無く、アオハクガンが起きるまで冷たい北風が吹き込むなか窓を全開で待つことにしました。

忍耐強く待っていると群れの大多数が飛び上がったタイミングで顔を上げましたが飛び立つ気配は無し。

 

※以降数カット撮影時の色温度設定にミスがあり色具合が不自然な写真となります。

 

 

目の回りには白いアイリングのようなものが確認できましたが、間もなく嘴を背に挿し込み・・・再びおやすみなさい。


群れを観察していて気付いたことがあり、成鳥は起きていても幼鳥は寝ている個体が多く人間の子供と同じでよく寝るといった印象を受けました。

暫く待ってやっと起きたと思えば伏せたまま羽繕い。

 

 

まだ眠たいのかあくびをしています。

 

 

挙げ句の果てに伏せたまま採餌を始め、横着者の印象が・・・

一体いつ起き上がるのだろうと待っていると、他の子がちょっかいを出すことでやっと起き上がったアオハクガン。

凝り固まった体を解すかのように伸びのポーズ。

 

 

連動する形で羽ばたきを見せてくれました。

脇から腰にかけての羽色は白いようです。

 

 

間もなく群れと共に飛び立ち場所を移動。

飛んで行った方向から降りそうな場所の見当がついたのでそちらへ移動してみることに。

予想通りの場所に群れは移動しており、再びアオハクガンを探してみると群の端っこで餌を採っていました。

 

 

最初に観察した時もそうでしたが、群れの奥に居たことを考えると自分が他の個体と違っていることを自覚しているのかもしれません。

 

 

一頻りアオハクガンを観察したところでオオワシの観察へ。
しかし想定していた場所とは違った場所に止まっており、いつもに比べると残念ながら観察し難い状態でした。

そんな訳で今回は先週撮影した画像を掲載。

 

 

時間が経つのは早いものであれやこれやと観察しているうちに日没の時刻を迎え、この日の観察は終了となりました。

秋田空港へお送りする迄の間、今回の観察を振り返り次の観察の話に花が咲いたことから、お客様と再びお会いする日はそう遠くないでしょう。

以上で今回のガイド記はおしまいとなります。

 

寒いなかでの観察、お疲れ様でした。