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2019年12月1日 8/0℃ 曇りのち雨




早いもので今年も残すところあと1ヶ月となりました。

今日は下り坂の天候が予想されていたため自宅近くを巡回。
冬に見られる小鳥たちを中心に観察を行いましたが、先週観察をしたユキホオジロの写真選定がようやく終わったので今回の日記はユキホオジロの観察記。

 


今時期はハクガンをお目当てとしたバードウォッチャーが多く、大潟村では他県ナンバーの車をよく目にします。
そんな日曜日の観察場所についていつもの御仁と打ち合わせを行いました。

地元人が他県の方の邪魔にならないよう場所を譲る形で大潟村から離れ『秋田市~男鹿市の海沿いで珍鳥を探してみよう』ということになり其々エリアを分けて探鳥を行うことに決定。

日曜日は早朝から珍鳥が立ち寄りそうな場所を重点的に捜索しました。

期待度の高い場所を探してみたものの、これといって珍しい種は見つからず移動を始めて間もなく御仁より入電。

 


『ユキホオジロ2羽見つけました』

電話越しに激しい連写音が聞こえてきます。

 


マッハ0.05で現場へ急行するとユキホオジロはのんびりと餌を採っていました。

 

 

これで4週連続の確認となりましたが、毎回別ポイントでの確認で羽の特徴からも各々別個体のようです。

過去の記録を振り返ってみても2週連続や、1週置きといった観察例はありましたが4週連続というのは異例の記録。

 

 

今まで人目に付き難い場所を通過していただけなのか、今季はたまたま日曜日に出が良いだけなのか・・・

ユキホオジロに当たり年ということがあるのか分かりませんが、もしそうだとすれば今季は他地域でも観察のチャンスが増えるかもしれません。

 

 

前回観察した個体に比べると警戒心は然程感じられず近距離で観察できる時間も多くありました。

伸びの姿も様々な角度から。

 

 

そして掻き掻き。

『あ~、気持ちいい』

 

 

秋田では砂利が敷かれたような環境で確認されることの多いユキホオジロですが、この時は土が露出した場所で餌を採っており今まで見ることがなかったウンチの形状を見ることができました。

 


鳥に興味のない方でも車にひっかけられたりすることで鳥のウンチを目にする機会は多いと思います。

だいたいはペースト状であったり液状に近いものを想像しますが、ユキホオジロのウンチは白色で木質ペレットによく似ていました。

 

 

同じホオジロ科の鳥でもウンチの色や形状が異なるという意外な事実。

餌となる物が同じなのにウンチに違いが出るのは何故なのだろう。

不思議に思いながら採餌の様子を観察していましたが、草の種子を食べていたユキホオジロの挙動が大きくなり何事かと思い画像を拡大して確認してみると・・・

 

 

虫を捕食していました。

別カットになるとハサミムシのようにも見えますが何の虫かは正体不明。

 

 

以前も謎の生き物を捕食する様子を観察したことがありましたが、雑食性が強いのかもしれません。

今回もユキホオジロの採餌の様子を動画で撮影しました。
いつもとは違ったシステムで撮影を行ったため、前回の映像に比べると格段に画質が向上しています。

 

 

同じ採餌のシーンですがこちらはズームver.で、映像に写る辺りに落ちている白いものがユキホオジロのウンチ。

 

 

暫く観察を続けると不意に飛び立ってしまった為、御仁をその場に残し私は捜索へ。

徒歩で方々探していると御仁から『戻ってきた』との知らせがあり、元の場所に戻ろうとすると遥か彼方でユキホオジロが2羽飛翔する姿を目にしました。
また飛んだのかと思いましたが、再び同じ場所に戻ってくるだろうと考え観察場所に戻ってみると・・・

 


「はて?これは一体どうなっているんだ?」

何とびっくりユキホオジロは1羽増えて3羽で採餌をしていました

 

 

私が捜索しに行った際に目にしたものは何だったのか。
不思議に思いつつも3羽のユキホオジロを目の前に観察を兼ねて撮影を楽しむことに。

こうなると欲が出るもので3羽を一つのフレームに収めたいと思いましたが、これがなかなか上手くいかず。

付かず離れずの微妙な距離で、思い描くようなシーンを撮影することは出来ませんでした。

 

 

何度か餌場となる場所を飛び立ち、周囲を旋回するように飛翔することがあったので面白半分でその姿の撮影にチャレンジ。

しかし飛翔速度が速くカメラワークが追い付かず。
苦し紛れに連写を続け何とか撮影できた画像がこちら。

 

 

白と黒コントラストが美しい。

ユキホオジロの飛翔は翼を閉じて滑空することが多く、そのシーンを捉えた画像はまるでミサイル。
こちらは画像を拡大。

 

 

先行する形でSNSには「ミサイル」と言葉を添えて画像を掲載していましたが『魚のように見える』という方が圧倒的に多い結果に

ミサイルが何処に飛んで行くのかと見失わないよう目を凝らしていると何処からかともなく5羽の群れが合流。

「え?全部ユキホオジロ!?」

合流して間もなく3羽のユキホオジロはこちら側に飛んできて、うち1羽が目の前に着弾。


不思議そうにこちらを見ています。

 

 

体が剥き出しの状態であれば通常では考えられない距離ですが、車の中から観察できるからこそ。

とは云っても去年観察した際には剥き出しの身で至近距離から観察できたことを考えるとユキホオジロは警戒心の薄い個体が多いように思います。

目の前に飛来したユキホオジロは私のことなど気にする様子もなく餌を採り続けていました。

 

 

まとまった数の群れであれば警戒心の強い個体が1羽飛ぶことで他の個体も飛んでしまいますが、こうして観察できるのは通過個体の多い秋田ならではなのかもしれません。

今回の観察ではユキホオジロのウンチについて学ぶことができ私にとっては大収穫。
取り合えず今は数日間続いた写真の選定作業が終わりホッとしています。

 

 


~後日談~


今回観察を行った地域では連日ユキホオジロが確認されていますが、画像を確認すると全て別個体であることが分かりました。

ユキホオジロと言えば北海道で観察される鳥というイメージが強いものの、秋田でも渡りの時期に毎年観察できていますし越冬している可能性も十分にあります。

 


今季は例年以上に観察例が多いこともあり、今後は今までと違った形で観察の機会があるかもしれません。

そんな日を楽しみにして本日の観察日記はここまでとなります。