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2019年3月3日 11/-1℃ 晴れ

 

 

 

 

今週は先週に引き続き塒立ちの観察。

前回は八郎潟調整池で観察を行いましたが思ったようなシーンを見ることが出来なかったため、今回は場所を変えて観察を行いました

今回訪れたのは大潟村の北側に位置する能代市の小友沼。


私の自宅がある秋田市からは約1時間半の距離。
5時にはスタンバイをしたかったので3時半前に自宅を出発して小友沼を目指しました。

現地に到着しまだ暗闇のなかから聞こえてきたのは沢山のマガンの鳴き声。

 

 

先週は10万羽を超すマガンが集結したとのことで、地元バーダー氏と共に観察を計画しました。

 

オッサン同士のやり取りを一部公開。

 

 

果たして今日は100,030羽いるのか。

先週観察した八郎潟調整池に比べると面積が55ヘクタールということもありマガンの声がかなり近くから聞こえてきました。


小友沼は渡り鳥のガンカモ類にとって国際的に重要であることから、平成11年に東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワークに登録され、現在は東アジア・オーストラリア地域フライウェイ重要生息地ネットワークに移行し、平成21年に参加地となったそうです。


沼の畔には観察小屋が設置されており、地元の方を始め多くの方がこちらでガンカモ類の観察をしているようです。
今日はちょうど観察会が開催され沢山の人が訪れていました。

 

 

沼を半周する形で歩道が整備されているので皆さん思い思いの場所で塒立ちの瞬間を待ちます。

辺りが薄明かるくなってきた5時22分、ガンの鳴き声が一際大きくなり、塒立ちの瞬間が訪れました。

 

 

残念ながら今日は10万羽には程遠く、私の見立てでは1万羽といったところでしょうか。



それでも先週よりは良い条件と言えるでしょう。

この時は一斉に飛び立つというより群れの一部が飛び上がったという印象で、頭上を旋回したマガンは再び沼へ戻る個体がほとんどでした。

そして5時53分、今度は一斉に塒立ち。

 

 

参考までに静止画の撮影に使用した機材はフルサイズのボディに

100-400mmのズームレンズ。

沼の奥の方で密集していたマガンが飛び立つことで黒い線から黒い帯へと変化します。

 

 

マガンの群れのなかにはハクガンも100羽ほど確認。

 

黒い帯は更に幅を広げピンク色に染まった空を覆い始めました。

 

 

辺り一面がマガンに覆われた瞬間。

 

 

圧巻の光景。

早起きは三文の徳ということわざがありますが、三文どころの話ではありません。
正にプライスレス。

一斉に飛び立ったマガンは最初の時と同じように一部の個体群が餌場へ向かい、ほとんどの個体は再び沼へ降りました。

今日はこのような塒立ちを数回繰り返しましたが、日によって塒立ちのパターンは異なるようです。

 

 

太陽が高くなるにつれ沼にいたマガンは少しずつ減っていきました

 

 

今日の総数が1万羽だとすると10万羽ともなれば迫力も10倍になるので是非ともそんなシーンを観察してみたいものです。

今回は静止画の撮影と同時に広角レンズで動画撮影を行いました。
朝靄の影響もあってかピント合わせが上手くできずぼんやりとした映像ですが、鳴き声があることで雰囲気を感じて頂くことができると思います。

 

 

今年は鳥の移動が例年より早いようで、このようなシーンを見れるのはあと僅かかもしれません。

なかには今日秋田を離れ北上した個体もいることでしょう。
無事に故郷へ戻れるよう、旅の安全を祈っています。

 

 

今日の観察日記はここまで。

 


※こちらの記事を見て小友沼で塒立ちの観察をされる方へ

沼への経路は分かりにくいため事前にしっかりと下調べをして下さい。
塒立ち前にヘッドライトを点けたまま沼へ進入するとガンやハクチョウが驚き飛び立ってしまいます。
車は小高くなった場所の手前に駐車するなど、他に観察されてる方の迷惑にならないようお願い致します。