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2019年4月25日

 

 

 


春の珍鳥まつり第3弾。

ヤツガシラとシベリアジュリンを観察以降は空振り続きの日々。
各方面から頂いた情報も活かすことができず悶々とした日が続いていました。

この時期は何処にどのような出会いが待っているのか分かりませんし、自力で見つけたいという思いから仕事で移動する際もカメラを持ち歩いてみたものの撮影を許してくれたのはホンドギツネのみ。

 

 

予定では大型連休までに5種くらいは話題にできるだろうと見込んでいましたが装填不良を起こしているのか、なかなか3発目となる話題を発射することができませんでした。

シーズンに入った当初は暴発気味だっただけにギャップが酷い・・


そして第3弾として漸く観察できたのがコマドリです。

 

 

今年も例年と同時期の渡来。
渡り鳥というのは本当に不思議なもので、過去に確認した日付を振り返ってみると全く同じ日に確認されるというのは珍しいことではありません。

 


此方で観察されるコマドリは長居することなく移動してしまい、その後は人の目に付きにくいような笹藪の中で暮らすことから渡来して間もない今時期が観察のチャンスです。

この時は目立った場所で餌を採ることが多く、比較的近い場所で囀りを聞くことができました。

 


その様子を動画で撮影を行いましたが不安定な姿勢だった為いつも以上に映像が揺れます。
興味のある方は画像をクリックして下さい。

 

 

観察を始めて間もない頃は神出鬼没といった感じで翻弄されましたが、暫く行動を見ることである程度のパターンが判ってきました。

渓流沿いを周回するようにして移動しながら餌を採っていましたが、時にはロープを渡ったりと面白い場面も見られ肉眼で見たい気持ちと画像に残したい気持ちが交錯します。

 

 

人工物絡みは嫌う方もいらっしゃる方もいると思いますが個人的にお気に入りの画像。

 

下の画像も可愛らしい感じでお気に入り。

 

 

山肌の斜面を跳ねるように移動を繰り返し、時には激しい流れのある場所に潜り込むこともありました。

苔にしがみつき垂直に近い姿勢で止まることもあり足の力が強いようです。

 

 

このような姿勢を保つことができるのは単に足の力が強いだけではないのかもしれないと思い調べてみたところ、コマドリの体重は約14gと五百円玉2枚分。

同じ大きさのスズメの体重は約24gなので10gも軽いことが分かりました。

スズメと同じ大きさではあるものの、体のバランスは異なり足は長めです。

 

 

オレンジ色が目立つ羽色をしていますが、落ち葉の上を移動していると気付かないことも屡々。

何か動いたなと思えば案外近くに居たりと観察している者を嘲笑うかのように移動を繰り返していました。

 

 

しかしこの羽色のお陰で、苔の生した場所に出た時は非常に目立ちます。

 

コマドリの英名は Japanese robin で直訳すると日本のコマドリ。

苔とコマドリは❝和❞を感じることのできる絵面ではないでしょうか。

 

 

暫く出の良い時間が続きましたがパタッと姿を見せなくなり、他に観察していた方もポツリポツリと姿を消していきました。

残ったのは私と地元バーダー氏のみ。

二手に分かれての出待ちは根比べの様相でしたが、私が根負けをして移動しようとすると音も無くコマドリが出現。

そしてコマドリの近くには赤い実の植物が。

聞くところによると前日にこの実を食べるコマドリの姿を鳥友さんが目撃していたとのことで「もしかするとこの実を食べにやって来たのか?」と思い待ってみると・・・

 


本当に来た。

 

 

植物の真後ろから実を啄んでいたので口に含んでいる様子は私の場所から見えませんでしたが、実を食べていたことは確か。

虫を食べる鳥だと思っていましたが意外にも雑食のようです。

そしてここからサービスタイムに突入。

 

 

手を伸ばせば届くような撮影不可の位置に顔を出したり、お立ち台と言えるような石の上に乗ったりと観察だけではなく撮影も存分に楽しむことができました。

今までの苦労は何だったのか・・・

 

 

物陰に隠れたと思えばバーダー氏の足元に出てみたり。

『何処に行った?』と辺りをキョロキョロ見渡すバーダー氏に「足元に出てるってば」と指を差す私。
愉快な時間が続きます。

 

 

普段は人間と接する機会も少なく、怖い思いをしたことがなければ警戒心が薄くなるのかもしれません。

珍鳥と呼ばれる鳥はこのように観察されるケースが多いように思います。

 

 

此方のコマドリ、ウグイスとオオルリと共に日本三鳴鳥とされていて、間近で観察をしながら美声も聞くことができ至福の時間を過ごすことができました。

同じ時期に同じ鳥を観察できる喜び。
他の鳥にも言えることですが、変わらないことが何より大切なことでもあります。

鳥は環境の変化に敏感なのでちょっとしたことで今まで観察できていたものが見られなくなることも多く、改めて環境の保全について考えさせられました。

 

 

色んな生き物にとって住み良い環境が守られたらと思います。

少々固い話になりましたが、大サービスのコマドリには本当に感謝
楽しい時間をありがとう。

 

 

さて明後日から待ちに待ったゴールデンウィークに入ります。
連休期間中は観察に勤しむため日記の更新は後回し。

 

連休明けに少しずつ更新できたらと思いますが写真整理の進み具合によっては大幅に更新が遅れるかもしれません。

 


どのような連休になりどのような観察ができるのか。
楽しい観察の連続になることを願ったところで本日の日記はこれにておしまいです。