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2019年 野鳥観察の旅 in 石垣島 ②

 

 

2019年6月8~10日 ②



前回はアジサシ類の観察の様子を綴りましたが、今回は石垣島で見ることができた鳥たちと生き物たちのお話です。

空港を出て最初に観察できたのはヤエヤマシロガシラ。

 

 

島内のあちこちで見られましたが、電線に止まっていることがほとんど。

画像は3日目に撮影したもので畑のスプリンクラーに止まっている姿を撮影しました。

肝心のファーストコンタクトはレンズが雲ってボツ。
気温差や湿度の高い条件が重なるとレンズが雲ってしまうので石垣島のような環境ではエアコンの使用もほどほどにしないと、ここぞという場面で痛い目に遭うかもしれません。


此方は給餌を待っているのか羽をパタパタさせながら鳴いていた個体。

 

 

声量も大きく特徴的な鳴き声を発するので、この声を聞くことでまた南国に来ているんだなと実感させられました。

ヤエヤマシロガシラと同様に沢山見かけたのはイシガキヒヨドリ。
本州で見られるヒヨドリは灰色ですが、此方で見られるイシガキヒヨドリは茶褐色。

 


同じように茶褐色と言えばリュウキュウキジバトも本州で見られる個体と色合いが異なり「濃いな」といった印象を受けます。

 

 

色合いの濃淡で言うと北国ほど白っぽい鳥が多いのに対し南国ほど原色に近い濃い色をした鳥が多く、こういった亜種を観察する時間も楽しいものでした。

そして亜種のなかでも一番あからさまな違いを見せたのがイシガキシジュウカラ。

 

 

かなり黒っぽく見えます。

更に言うと私は姿を見るまで鳴き声を聞いてもシジュウカラとは思いもしませんでした。
黒いだけではなく鳴き声も違うとは驚き。

 

 

亜種シリーズはもう少し続きます。

高いところで羽繕いをしていたのはリュウキュウサンショウクイ。

 

 

此方は去年の秋に沖縄本島でも見ることができましたが、今回は本州で見られるサンショウクイと比較できるような画像を残すことができませんでした。


次の画像はリュウキュウアオバズク。

 

 

本州で見られるアオバズクは夏鳥として渡来しますが、石垣島で見られるリュウキュウアオバズクは留鳥として一年を通し見られるようです。

近くで見た画像を地元で観察した個体と見比べてみましたが、私にはこれといった違いを見出だすことはできませんでした。

 

 

強いて言えば頭部の色が濃いような気もしますが・・・

何処を見ても亜種だらけの石垣島ですが、カラスも同様でサイズが一回り小さく見えるのがオサハシブトガラス。

 

 

此方の個体は巣立って間もない幼鳥で、親鳥からの給餌をねだっている様子です。

まだ飛ぶことが下手なようで着地に失敗してひっくり返っていました・・・可愛い。

 

 

亜種シリーズはここまで。

ここでちょっと箸休めに石垣島で見た生き物の話題を。

海辺で観察をしていて沢山見かけたムツゴロウのような生き物。
調べてみるとミナミトビハゼという生き物のようです。

 

 

特に潮が引いたマングローブで沢山見ることができました。

見た目と裏腹にすばしっこく動き回り愛嬌のある容姿をしています

 

 

次の画像は鮮やかな緑色のサキシマカナヘビ。

体長は25cmくらいあったでしょうか。
地元で見るようなカナヘビと違って尻尾が長く動きが機敏でした。

 

 

移動する際にはジャンプをすることもあり身体能力が高いようです

 

 

続いてナイトウォッチングで見た生き物たち。

日没後に車を走らせると道路には沢山カエルが出ており、それを避けながら移動しているとカエルとは違ったシルエットを目にしました。

オカヤドカリのようです。

 

 

大きさとしては成人女性の握りこぶしくらいだったでしょうか。

そしてオカガニ。

 

 

こちらは成人男性の握りこぶしくらいの大きさ。

夜の石垣島は生き物たちでいっぱい。
残念ながら事故に遭ったカメを目撃することもあり、車の運転は昼間以上に気を使わなくてはいけません。

鳥以外の生き物で強烈な印象に残っているのがヤシガニ。

 

 

Wikipediaで調べてみたことろヤシガニの大きさは40cmで脚を広げると1m以上なんだとか。
体重も4kgを超えるようで納得の大きさでした。

このヤシガニ、私が泊まった宿の近くで遭遇しましたが車通りが多く牽かれてしまうのは目に見えていたため車を止めて救出作戦。


しかし触ろうにも見た目に強烈なハサミが恐い・・・

 

 

調べて判ったのですが、挟む力はライオンの噛む力に匹敵するそうです。

そのため近くに落ちていた蘇鉄の皮を使ってヤシガニ釣り。
上手いこと釣れたもので藪の中に運搬してあげました。

石垣島でのちょっとした珍事件のお話をしたところで生き物シリーズのお話はここまで。


野鳥の話題に戻り本州では見られない鳥たちのご紹介。

先ずはズアカアオバトの亜種であるチュウダイズアカアオバト。

 

 

本州で見られるアオバトとは別種になりますが「何処が違うんだ?」といった印象。

台湾で見られるズアカアオバトの頭部には赤みがあるそうで、これが和名の由来になっているようですが日本のズアカアオバトにはそれが見られないのだとか。

石垣島で見られるチュウダイズアカアオバトも同じで赤みがなく、違いとしては体が一回り大きいそうです。

 

 

大きいと言われたら大きかったような・・・

ハト繋がりで鬼門となったキンバト。

このハトは植物が生い茂った薄暗い場所にいることが多く警戒心も強いことから、肉眼で見れたとしても撮影難易度は高いそうです。

そのため撮影できた画像はこの有り様。

 

 

分かる人には分かるといった証拠写真。

本来であればこんな画像を残したかったのですが・・・

 

 

今回の旅行期間中、3回姿を見ることができましたが唯一無二のチャンスもピント合わせに手こずってるうちに姿が見えなくなりました。

続いてリュウキュウツバメ。

 

 

沖縄本島でも見られましたが、石垣島で見る個体の方がお腹の褐色具合が濃い印象を受けました。

冬期間は本州に夏鳥として渡来するツバメが越冬するため、ツバメとリュウキュウツバメが混在するようですが今時期はリュウキュウツバメだけのようです。


個人的に好きな鳥のシロハラクイナ。

車通りの多い道路にも平気で出てきます。

 

 

そのため事故に遇いそうな瞬間も目にした他、残念ながら既に息絶えた個体も目にしました。

おそらく石垣島で一番事故率の高い鳥だと思います。

 

 

よく出てくる割りにコソコソ動く姿がたまりません。

警戒心が強いのか弱いのか・・・

 

 

過去に秋田県で迷行記録がありますが、一体どのようなルートを辿ってきたのか非常に気になるところ。

夏鳥として渡ってくるバンもそうですが、そもそもこの手の鳥が長距離を移動すること自体不思議にも思えます。

 

 

今は繁殖期ということもあり、何度か雛の姿を見ることができました。

クイナの類いはどれも黒毛玉。

 

 

次も私が好きな鳥のムラサキサギ。

此方も秋田県に迷行記録があります。

 

 

地元で見るアオサギは目を合わせただけで飛んでしまうこともありますが、石垣島のムラサキサギはのんびりしていてるのでバードウォッチャーにとって有難い存在。

ゆったりと歩き長い首を伸ばして獲物を物色しているようでした。

 

 

雑食性が強く何でも食べてしまうため、今時期は鳥の雛も食べるようです。

暫く様子を見守りましたが今回は残念ながら何かを補食するといったシーンを見ることができませんでした。

 

 

そして石垣島で外せないのがカンムリワシ。

今は一年のうちで一番観察が難しい時期とあって、今回の旅行で観察できたのはこの1羽のみ。

 

 

島中探し回ってようやく見つけることができました。

地元の方であれば今時期でもだいたいの目星はつくと思いますが、私のような他所者にとっては難易度が高め。

やはりカンムリワシの観察は真っ白な幼鳥も見れる冬期間の方がいいかもしれません。

 

 

空港周辺もそうですが、島の至るところにカンムリワシのオブジェや絵柄が見られ、レンタバイクのナンバープレートにもカンムリワシが描かれていました。

こちらが石垣島のゆるキャラのぱいーぐる。

 

 

新石垣・南ぬ島空港のマスコットキャラクター。

石垣島の方言で南の島を『ぱいぬしま』と呼ぶこととカンムリワシ英名を掛け合わせたことが名前の由来になっているようです。


さて今回のナイトウォッチングでは対象をリュウキュウコノハズクだけに絞りました。

リュウキュウアオバズクは日中に観察することができたので、リュウキュウコノハズクを探すため日没後に外に出てみると・・・

 

 

びっくりするくらい個体数が多い。

四方八方から声が聞こえてきて、何処を見たらよいか迷うほど。

 

 

地元で見るコノハズクとは別種になりますが、鳴き声はあきらかに違うものの見た目に差異を感じません。

じっくり見たいところもありましたが、石垣島の最低気温は28℃ということもあって夜も暑い。
日中の疲れもあったことから無理はせず、程々にして宿に戻りました。


だいぶ日記が長くなってしまいましたが、最後は石垣島で見られる外来種の話題です。

『ケーン ケーン』という鳴き声と共に聞こえてくる羽衣打ちの音。
鳴き声の主はコウライキジ。

 

 

前回の訪問でも本州で見られるキジを見ることはありませんでしたが、今回も期間中にキジを見ることはありませんでした。

もしかしたら石垣島に生息するのはコウライキジだけかもしれません。

 

 

そして〆を飾るのはインドクジャク。

こんな鳥が島のあちこちで見られます。

 

 

地元の方のランニングコースになっている場所でも平気で餌を採っているので島では当たり前の光景かもしれませんが、クジャクの居るところではレンタカーがよく止まっていました。

繁殖期のせいか鳴き声を聞く機会が多くあり、見た目と裏腹に『ニャー ニャー』とネコの声にそっくり。

 

 

また旅行期間中には2ヵ所でアルビノのクジャクを目にしました。

かなり距離が離れていたので2羽いるのか、同一個体かは不明。

 

 

このように石垣島は島全体が動物園のような雰囲気で昼夜問わず生き物の観察が楽しめました。

生き物好きにとっては本当に楽しい場所であると思います。

 



さて次回が観察旅行の最後の記事となるリュウキュウアカショウビンの観察記ですが、業務多忙のため更新にはもう少々時間が掛かる見込みです。

そんな訳で予告的画像を・・・

 

 

後日更新の日記へ続きます。