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2019年8月18日 31/23℃ 晴れ




今回はシギチの観察。
旅鳥として日本を通過するシギチたちが渡来する頃になり、秋田でもちらほらと姿を見るようになりました。

 

日替わり弁当の如く入れ替わり立ち替わり渡来するので目の離せない時期ですが、秋田においては年々観察の難しい状態になっています。

ほんの数年前までは数百羽の群れが見られたり、あちこちの休耕田で多種多様なシギチが見られ体が幾つあっても足りないくらいでしたが今や・・・


秋田で最もシギチが立ち寄るとされている海岸に足を運んでも何も居ないなんてことが当たり前となってしまいました。

そのような状況が当たり前となった海岸に行ってみると辛うじてシギチの姿がちらほら。

こちらはソリハシシギ。

 

 

先日通過した台風の影響か、海岸には大量の海草が漂着していました。

大潮の時期とも重なったことでいつもとは違った様子に加え、警戒心の強いソリハシシギが混ざることで他のシギチも釣られて飛んでしまいます。

こちらはトウネン。

 

ざっと海岸を見渡してみたところ、この時に見られたのはソリハシシギ3、メダイチドリ2、シロチドリ1、トウネン2といったところ。

海岸を行き交う車、散歩する方、ドローンを飛ばす方の影響でシギチたちは落ち着かない様子。

そのようななかで比較的ゆっくりしていたのがメダイチドリ。

 

 

秋田に渡来するシギチが減ってしまった原因が人間の影響によるものなのか、自然現象が原因なのかは分かりませんが年々渡来数が減っているのは明らかです。

私の想像に過ぎませんが、海岸線に沿って立ち並んだ風車の影響と水張り休耕田が無くなってしまったことで渡りのコースが変わってきているのではと・・・

秋の渡りの時期に羽を休める場所がないことでコースが少しずつ変わり、その影響で春の渡りの時期も渡来数が減ってるのであれば悪循環としか言い様がありません。


話は戻り、海岸の観察が思うようにいかなかったことから水張り休耕田に移動してみるとコアオアシシギが2羽入っていました。

 

 

コアオアシシギは主にヨーロッパ南部から中央アジアで繁殖し、冬はアフリカ、インド、東南アジアに渡るようです。

日本には旅鳥として単独または小群で渡来するためトウネンのように数は多くありません。

 

 

生息環境としては水田や湿地帯を好むようですが、図鑑を見てみると干潟に入ることもあるようです。

しかし私の観察例を振り返ってみると水張り休耕田のみの観察でした。
また秋田では春の渡りの観察例は少なく秋の渡りに見られることがほとんど。

そのため私はコアオアシシギの夏羽を見たことがありません。

 

 

アオアシシギと足の色は異なり黄色に近い色をしており、長い脚と黒く細長い嘴が特徴。

体型もアオアシシギに比べるとスマートで、個人的にはセイタカシギに近いような印象を受けます。

 

 

長い脚を活かして比較的深めの水の中にも入り、歩きながら餌を探していましたが残念ながら何を食べているのかは分かりませんでした。

調べてみたところ他のシギチと餌は同じのようで、昆虫や甲殻類、軟体動物を餌としているようです。

 

 

水面や水草の間を啄んだり、泥の中を突っついて餌を採る様子をじっくり観察することで、ようやくシギチのシーズンに入ったことを実感。

 


コアオアシシギを観察した後は水張り休耕田探しの旅へ。

新しい観察場所を開拓することができれば今後の楽しみが増えるので、良く言えば未来への投資の時間。

しかしそう簡単に問屋は卸してくれませんた。

 


方々回ってみたものの水張り休耕田は見つからず、一部稲穂が間引かれた場所にタカブシギが1羽入っていたのを見つけたのみ。
しかも逆光で証拠写真を撮影しただけで終了。

 

 

結果としては残念なものでしたが、人知れずこのような場所で羽を休め移動していくシギチもいるようです。

今後のどのようなシギチを観察できるか分かりませんが、新しい観察場所の開拓も含めコツコツとフィールドを回ってみたいと思います。

本日の観察日記はこの辺でおしまい。