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2019年9月1日 28/21℃ 晴れ




今回も先週に引き続きシギチの観察と併せてアカガシラサギの捜索を行う予定としていましたが、見事空振りに終わってしまいました

海岸ではトウネン1羽すら見当たらず、まさに閑古鳥が鳴いている状態。
寂しくも思える浜辺で唯一目にしたのは・・・

 


ザリガニ。

 

 

どんな理由があってか分かりませんが海から上陸してきたようで、丘に向かって移動しているようでした。

不思議に思って見ていましたが、ザリガニの進む先にあるのは草地でこのままでは息絶えてしまうことは必至。

不憫に思えたので捕獲して淡水の小川に放してあげました。
ちょっと良いことをしたので近々ザリガニがロブスターを持って恩返しに来ることでしょう。


妙なザリガニとの出会いで始まりましたがシギチの観察が思うようにいかなかったことから、今回の日記は行き当たりばったりの観察の様子を綴りたいと思います。

季節が進み稲穂が黄金色に色づき頭を垂れ始めた田んぼにはニュウナイスズメの姿が沢山。

 

 

この時期になると何処からともなくニュウナイスズメが大挙して押し寄せ農家さんが丹精込めて育てたお米を食い荒らします。

ざっと見た感じこの界隈には1000羽くらいの数が居たかもしれません。

 

 

群れで行動してる為、1羽飛んでしまうと次々と飛び立ってしまうので一般的に見られるスズメに比べると近距離からの観察は少々難しいように思います。

警戒心にも違いを感じますがスズメは雌雄同色なのに比べ、ニュウナイスズメは雌雄で羽色が異なり和名の由来となっている頬の斑も見られません。

 

【 スズメ 】

【 ニュウナイスズメ 】


 

ホクロのように見える黒い斑が無いということが和名の由来として広く知られていますが、調べてみると諸説あるようでなかなか興味深いお話がありました。

先ず一つが新嘗雀(にいなめすずめ)が訛ったという説。
新嘗と聞くと宮中祭祀の新嘗祭を思い浮かべますが、秋に収穫した穀物を食べるということに照らし合わせ新嘗雀と呼ばれたのかもしれません。

もう一つの説が平安時代、東北地方に左遷された貴族が恨みを抱いたまま死んでしまい、ニュウナイスズメに生まれ変わって宮中に納税された米を食い荒らしたという伝説から宮中(内廷)に入る雀、ということで
入内雀と呼ばれたようです。

 

 

このように鳥に纏わるお話は面白いものが多いので調べてみると新しい発見があるかも。


さて、次に観察したのはショウドウツバメ。

 

 

先月の観察では中継地に渡来する個体が少ないことを日記に綴っていましたが、ここにきて渡来するショウドウツバメの数が増えてきました。

今季はまとまった数が一気に渡るのではなく、少しずつ渡って行ってるのかもしれません。

 

 

電線に止まる際は太陽を背にして止まることがほとんどですが、なかには陽射しを正面から浴びる天の邪鬼のような個体も見られます。

低い電線に止まり伸びのポーズを見せてくれました。

 

 

Twitterでの情報になりますが、既に九州まで渡った個体もいるようです。
どの個体も無事に目的地へ辿り着きますように・・・


あちこち回ってお昼を過ぎた頃、やって来たのはクマタカ山。

久しぶりにクマタカの観察するため足を運んでみました。
現地では先輩が午前中から観察をされていたようでお話を伺ったところ『午前中は何回か出入りがあり、ずっと近くに止まっていた』とのこと。

いつもと変わらぬ行動のようで嬉しいお話を聞くことができました

午後も午前と同じように飛来することを願って待ってみましたが・・・

 


全然飛んで来ない。

「 う~ん、タイミングが悪かったかな 」

諦めムードが漂ってきた頃、後から訪れた野鳥の会の方が後ろを見上げ『 あれ?止まってますよ 』と声を上げます。

 

 

いつの間に飛来したんだろう。

南風が吹いている時には観察者に向かい真っ正面から飛んで来ることが多いようですが、この時は北風が強く吹いていたので背後から回り込む形で飛来したのかもしれません。

何はともあれ凛々しい姿を見れて良かったと思った瞬間、飛び立ちそうな気配。

ここはカッコいい姿を写真に収めようと脇を堅めガッチリとカメラを構えると・・・

 

 

右側の翼が避雷針にぶつからないよう翼の開き具合を調整し、体を捻るようにして目の前を通過していきました。

雲が多い空でしたが、この時は上手いこと青空背景での飛翔シーン。

 

 

この日一日を振り返るとシギチを観察する予定が節操なく観察して回り、久しぶりに日没間際までフィールドを駆け巡りました。

 


ここのところ日記の締めには次週への意気込みを毎度のように語っていますが、気象衛星の画像を見てみると日本の南には台風や熱帯低気圧があちこちに見られます。
これらが影響することで次の日曜日は曇り予報になっていますが天気が崩れそうな予感。

現在の台風進路予報はこちら。

 

 

まだ予報円が大きく進路が定まっていませんが、台風の直接的影響はなくても秋雨前線が刺激されることで活動が活発となり大雨になってもおかしはありません。

今は意気込みよりも何とか好天に恵まれることを祈っています・・

本日の観察日記はここまで。