メールはこちらから

 

 

X (旧Twitter)はこちらから

 

 

2019年9月22日 21/17℃ 曇り時々雨




台風17号の北上に伴い悪天候が予想された休日。

天気が大崩れする前にと自宅近くの農耕地へ繰り出しました。

今日のお目当てはジシギの類い。
水張り休耕田がほとんど無くなってしまった今、ジシギを観察するには湿地帯や畦道に居る個体を探す他ありません。

しかし湿地帯で見られる個体は草の背丈によって観察が難しかったり、畦道で見られる個体は角度が限定されたり遠かったり・・・

こんな理由から観察の難しいジシギですが、今時期になると稲刈りが終わった田んぼで比較的容易に観察することができます。


暴風の影響で倒伏被害が出る前に農家さんが慌ただしく稲刈りをしているのかと思いきや、意外にも農家さんの数は少なく稲刈りの終わっていない田んぼの方が多い状態でした。

農道をゆっくり進みながら田んぼに潜むジシギを探します。

 


「 見つけた 」

肉眼での見た目を再現するため、生息環境をスマホで撮影してみました。
この画像の真ん中にタシギが写っています。

 

 

真ん中といっても『 一体何処に居るんだ? 』といった画像ですが、同じ位置から望遠レンズで撮影したものがこちら。

巧いこと隠れています。

 

 

この“隠れている”というところを探し出すのが私の楽しみ。

とは云ってもこの個体はちょっと距離が遠く撮影という面においては適していません。
スコープを用いて観察するには適当な距離ですが、もう少し近くで観察できそうな個体を探して農道を行ったり来たり。

 


「 お、居た! 」

 

 

おそらく隠れているつもりなんでしょうけどバレバレ。

ジシギの類いは人が近付き警戒した時に見せる行動は直ぐに飛び立つか、その場に伏せるかの二通り。
このように伏せてその場をやり過ごそうとする個体に出会うことができると間近で観察することができます。

ある程度の時間、必要以上に警戒させずに見守ると『もう大丈夫かな?』といった具合いに動き始めますが、今回はそんな様子を動画で撮影しました。

 

※帰宅してから動画を確認してみましたが「 何これ? 」と思うくらい面白くない動画です。

 

 

瞬きすら可愛く見える。

複雑な模様の羽が保護色となりパッと見た目には気付き難い鳥ですが、意識して探すことでこんな鳥と出会うことができるのもバードウォッチングの醍醐味かもしれません。

こちらのタシギ、警戒が解けると辺りをウロウロしながら餌を採り始めました。

 

 

長い嘴を地面に挿し込み餌を探しています。

タシギの大きさは25cm、しかしこれは嘴を含めたサイズになるので実際の見た目は図鑑スペック以上に小さく見え、ちょっと目を離すと見失うことも屡々。

そんなこともあって近くから見るチャンスがあればじっくりと観察したいものです。

 

 

次々に餌を見つけて捕食しているようでしたが、一体何を食べているのか。

当初はミミズなのかと思いましたがどうも違うようです。

 

 

ミミズを食べる際はダンスを踊るようなコミカルな動きをみせ、その振動でミミズを誘き出しますがこの個体はひたすら嘴を抜き挿し

近くに寄って来るのを待ち、餌を獲った瞬間の画像を拡大してみました。

 

 

獲物はドジョウと判明。
田んぼの中にこんなにもドジョウが生息しているとは、ちょっと驚き。

必死に抵抗していますが最早これまで。

 

 

南無阿弥陀仏。

何匹かドジョウを食べるとタシギは溜まり水を上手に飲んでいました。

 

 

ジシギが水を飲むシーンを見たのは初めて。

上手いこと水を飲んでる様子を撮影できずちょっと残念。
それにしてもサービス良く観察させてくれる個体です。

 

 

周囲の田んぼはカラカラに乾きヒビ割れているところが多く、餌場が限定されたことにより好条件で観察できたのかもしれません。

暫く観察を続けているとカラスが近寄ってきました。
カラスに追われるようにしてタシギは畦道の上へ。

 

 

いつもこんな場所に居てくれたら見つけ易いのですが、私に見つかるくらいではもっと目の良い猛禽類に狙われてしまうでしょう。

複雑な模様の羽を活かしひっそりと暮らす彼等でも猛禽類に襲われてしまうこともあります。

 

いつぞや観察してる際、突然ハイタカが襲い掛かり攫われてしまう場面に遭遇したことがありました。

 


猛禽類の視力恐るべし・・・

 

さて、話は変わってタシギについて調べてみると手持ちの図鑑には春秋に見られる旅鳥(本州中部以南では冬鳥)という記載があります。

しかし秋田では真冬に見掛けることもあり越冬している可能性が

 

 

またヤマシギにおいては漂鳥扱いとなっていますが、こちらについては越冬していることを確認済み。

 

このように図鑑やネットの情報とは異なる場合があり、自分の眼で確かめた観察経験を基に正しい情報発信をすることが大事だと思わされました。

 

現時点では一部の個体が越冬しているだけなのか分かりませんが、タシギについては別の視点で観察できればと思っています。

 

本日の観察日記はここまで。

 

 

今日のおまけ

田んぼを行ったり来たりしてる際に見つけたこちらのタシギ、普段見るようなタシギと違うように思え色々調べてみたところ北アメリカ産亜種のウィルソンタシギというのに行き着きました。

 

※かなり距離が離れていたので画像は全て拡大しています。

 

 

一体この個体は何者なのか・・・

こちらについては検証を進め何か分かり次第お話できたらと思います。


ウィルソンタシギについて詳しい方がおられましたらアカゲラポストのメールフォームからご連絡頂けると幸いです。