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2019年9月29日 22/17℃ 雨のち曇り




2週連続で悪天候が予報された日曜日。

今回はタカの渡りの観察に出掛けたかったのですが、残念ながら観察できそうにもありませんでした。

 


何処で何を観察しようかと悩みに悩んで出た答えはヤマドリの観察
秋田県の県鳥に指定されるヤマドリですが秋田県民にはあまり馴染みの無い鳥だと思います。

と言うのも今年の5月19日の日記に記載した通り、古来から狩猟鳥になっているせいなのか秋田で見るヤマドリは警戒心が強い者が多くなかなか観察の機会に恵まれません。

 

※画像をクリックすると当時の日記にジャンプします。

 

 

人を見るとさっさと逃げてしまうヤマドリ。
県鳥ということを秋田県民にはどれくらい周知されているのでしょうか。


そんなヤマドリを狙って観察するには相当の経験値が必要になると思いますが、私は節操なく観察をするタイプなのでヤマドリに関しての知識はあまり持ち合わせておりません。

個人的な印象として遭遇率の高い時期は春と秋。
ちょうと今がその時期に当たり、生息場所についてのデータは多少持っているので後は運次第といったところ。


時間帯としては早朝と夕方が狙い目。
日中であれば薄暗い林道などで見掛けることがありますが、陽当たりが良く開けた環境にはあまり出てこない印象です。

これを踏まえ早朝に自宅を出発し最初のポイントに向かいました。
しかし現地に到着する頃には小降りだった雨が土砂降りに・・・

窓を開けられない程の降り方でしたが、小康状態になったところを見計らって探鳥開始。

しかし前日ツイートしたように、姿を見ることはできても観察はおろか撮影を許してくれません。

 


結果的にこちらのポイントでは成鳥♂2♀1羽を見ただけで終わってしまいました。
やはりヤマドリの観察は思うようにいかず気持ちを切り替えジシギの観察をしようか悩みましたが、その前に別のポイントで探鳥してみることに。

 


霧に包まれた林道をゆっくりと進むと・・・

 

 

林縁にキジの幼鳥を思わせる群れが出ていました。

ここではキジが居てもおかしくない環境ですが、何故か見るのはヤマドリばかり。

 

もしやと思い慎重に車を進め確認してみるとヤマドリの幼鳥の群れであることが分かりました。

 

 

しかし幼鳥たちは車を警戒しているようでどんどん離れていってしまいます。
距離が離れることで霧の影響が大きくなり思ったような観察をすることができません。

 


どのように観察しようか迷っていたところ前方から車が通り掛かり、これを警戒した幼鳥たちは藪の中へ駆け込み姿を消しました。
これはチャンスとばかりに駆け込んだ藪を通り過ぎ、進行方向へ先回りする形でスタンバイ。

過去に幾度となく見てきたキジの幼鳥は藪の中に入っても必ず同じ場所に出てきます。

 

同じ類いの鳥なのでヤマドリの幼鳥もきっと出てくるだろうと待つこと15分・・・


出てきた。

 

 

待っている間に土砂降りになったせいか思ったよりも時間が掛かりましたが1羽姿を見せると安心したかのように次々と林道に出てきます。

幼鳥の数は全部で5羽。

 

 

林縁に生えた草の種子を食べているようです。

 

 

こちらは砂利を嘴で寄せながら餌を探しているようでしたが何を食べていたのかは分からず。

 

 

キジと同様に雑食性で行動が似ており、表現し難い鳴き声でコミュニケーションを取っているようでした。

こちらは♀の幼鳥。

 

 

尾羽の先端は白色、こちらが♀の特徴のようでキジにこの特徴は見られません。

こちらが♂の幼鳥。

 

 

成鳥に見られるような赤褐色の羽に換羽してきているようです。
尾羽も少しずつ伸長しているようで、付け根部分にも淡橙褐色の特徴が見られました。

一見してキジの幼鳥と似たように思えますが、換羽しつつある状態で比べてみること似て非なるものであることが分かります。

 

 

【 ヤマドリ 】

【 キジ 】


 

画像のキジは同時期に撮影したものですが、ここまで換羽が進むとヤマドリとは全く印象が異なり見間違うことはないでしょう。

 

しかし少し時期を遡ると・・・

 

 

手前が♂の幼鳥で奥が♀の幼鳥。

♀の幼鳥はヤマドリの幼鳥に似ています。

 

孵化して間もない頃であれば、もしかすると見分けがつかないほど似ているかもしれません。

 

 

観察を続けていると♂の幼鳥が何度か母衣打ちを見せてくれました

成鳥の母衣打ちを今まで数回見たことがありましたが『ドドドドッ』という羽音だけでキジのように鳴き声は発しないようです。

 

 

Twitterに「通せんぼされた」とコメントを乗せて画像を掲載していましたが、一連のシーンのワンカットでした。

 

 

母衣打ちは成鳥に比べると羽ばたきが遅く『ドドドドッ』という音は聞き取れず。
成長するに従って音を発するようになるのかもしれません。


5羽の幼鳥のうち、母衣打ちを見せてくれた個体が私の車の前を行ったり来たりしながら餌を採るので近距離での撮影も。

後からになってスマホで動画撮影をするべきだったとちょっと後悔

 

 

時々窓を開けられない程の降り方になりましたが、一時的に藪の中に避難することがあっても直ぐに顔を出し長時間に渡り幼鳥の観察をすることができました。

前日にヤマドリの観察をすると決めフィールドに出ましたが、まさか幼鳥をじっくり観察できるとは思っていなかったので本当に運が良かったと思います。

 

 

そのお陰もあって撮影枚数が酷いことになり選定作業が大変・・・

長く観察を続けていると悲しい場面に遭遇することもありますが、このように思いもしない出会いに恵まれることもあり悪天候にめげずフィールドに出て良かったと思わされる一日でした。

 

 

※日記に掲載した画像以外にも沢山撮影したので、そちらの画像はアルバムの方に掲載しています。

上の画像をクリックするとジャンプします。

 

 

ヤマドリについてのお話はここまでですが、野鳥観察を始めて間もない頃に乗り換えた愛車を遂に手放すこととなりました。

観察用にと選んだジムニー。
10月3日の車検満了日をもってお別れです。

次に乗る車もジムニーですが、こちらは去年の12月に発注したもののあまりの人気に生産が追い付かず、納期は大幅にずれて早くても今年12月とのこと。
それまでの間は代車生活となります。

 


今まで沢山の野鳥を観察させてくれた愛車には本当に感謝。
沢山の思い出をありがとう。