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2020年 野鳥観察の旅 in 北海道 (道東) ③

 

 

2020年12月11日 (午後)

 

 

 


前回の続き。

日程2日目の午前中は早朝から野付半島で様々な生き物を観察しました。
そのほとんどはエゾシカの観察に時間を費やしましたが、半島先端部で観察できたのはユキホオジロ。

 

 

秋田を離れる迄は雪景色の中で見るユキホオジロの群れに妄想を抱いていましたが、蓋を開けてみれば砂地を延々と歩く苦行が待ち構えていました。

それでも青い海を背景にユキホオジロの群れを見ることが出来たのは何よりの収穫です。

 

 


午後に予定していたのは漁港巡り。
お目当ては近距離で見る雄のコオリガモ。

初日に遠巻きながらコオリガモの群れを見ることが出来ていたことで欲が出てしまいます。

土地勘が無いこともあり海沿いを北上しながら目に入る漁港をひたすらチェックする形になりますが一番多く目にしたのはシノリガモでした。

 

 

次に多く目にしたのはホオジロガモ。

 

 

漁港にはヒメウも多く、岸壁に上がって羽を休める個体も。

 

 

外海にはクロガモが沢山。

 

 

アビ類も所々で見ることができたものの距離が遠く観察するには今一つ。

比較的近くで見ることができたのはシロエリオオハム。

 

 

波が穏やかだった為か漁港に入るカモの数は少なく、なかなかお目当てのコオリガモが見つかりません。

ヒドリガモも多少見られましたがオナガガモがほとんど見られなかったことはちょっと意外。

海沿いをひたすら北上するとウの群れがずらりと並んでいることに気付き、チシマウガラスが混ざっていないかチェックしてみることに。

 

 

残念ながらチシマウガラスは見られませんでしたが、驚いたのがこちらのウの群れは全てヒメウ。
所変わればといったところでカワウやウミウは1羽も混ざっていませんでした。

 

上に並ぶカモメに目を移すと其々齢の異なるシロカモメが5羽並んでおり、数の多さにも地域性の違いを感じました。

 


結局コオリガモを見つけることが出来ないまま羅臼町へ到着。
羅臼漁港近くの橋にはオジロワシのオブジェを飾った橋が架かります。

その名もオジロ橋。

 

 

シャレが利いてて面白い。

知床半島は先端部まで車で行くことは出来ませんが、以前の旅行で途中幾つか漁港があることを記憶していました。

僅かな望みに掛けて知床半島を北上。
しかし何処を見ても雄のコオリガモは見つからず・・・

 


車で行ける範囲で北上を続けましたが、結局のところ出会うことができたのはキタキツネのみ。

 

 

野付半島で出会った個体とは違い、こちらは一定の距離を保ち近寄ってくることはありませんでした。

喉が乾いていたのか氷結した水溜まりに歯を立てて氷を食べている様子。

 

 

なかなか砕くことが出来なかったのか舌を出してペロペロと舐める姿を見ることができました。

 

 

日没時刻が迫っていたこともあり、引き返す形で鷲の宿へ。

2日連続でシマフクロウの観察です。
どうしても雌の個体を見たいと思い、見学の予約を取っていましたが果たして姿を見せてくれるのか・・・

 


すっかり日も暮れて一時間ほど待った16時43分、ほぼ前日と同時刻に宿の背後から降ってくるようにして雄の個体が現れました。

しかしこの時は生け簀の前に降りることはなく、付近の木へパーチ

 

 

参考までに上の写真はISO感度25600で撮影。

宿のガイドではF4のレンズで推奨ISO感度は3200となっていますが、それは特殊照明に照らされる範囲で木に止まるシマフクロウを撮影するためには任意で設定を変えなければなりません。

私のカメラでは被写体を認識できずAFが効かなかったこともありMFでピントを合わせ撮影に四苦八苦していると、いつの間にか生け簀の前に雌の個体が飛来していました。

 

 

『いつの間に来ていたんだ・・・』

望遠レンズのファインダーばかり覗いていると視野が狭くなり、同時に飛来したことに気付けない落とし穴。

個体差はかなりあると思いますが、こちらの雌は雄に比べると褐色みが淡く体長も一回り大きいようです。

 

 

生け簀に泳ぐ魚に狙いを定め暫く身構えた状態が続いていたので、私も飛び込みに備えしっかりとカメラを構えました。

 

間もなく飛び込み生け簀の中でモゾモゾと動き飛び出たところを撮影してみると片足で2匹の魚を捕まえていることが判明。

 

一匹を咥え、一匹を片足で持ったまま獲物を丸呑みしました。

 

 

この時に気付いたのが、この雌は足環をしていないということ。

道内に生息する個体は全て足環をしていると思っていましたが、どうやら違っていたようです。
こちらの個体は環境省が把握できていない個体なのでしょうか?

 

 

もう一匹の魚も丸呑みすると暫くの間生け簀の前に留まりゆっくりとした時間が流れました。

雌が採餌を終えるのを待っていたのか雄が木の上から降りてきて生け簀の前へ。

 

 

この時、生け簀の前には雌雄揃っていたのですが500mmの単焦点では画角が狭く両方の個体をフレーム内に納めることは出来ません。
短いレンズも用意しておくべきだったと後悔・・・

やがて雌が生け簀を離れ上流側の木に止まると雄が生け簀に飛び込みました。

 

 

捕らえた魚の頭部を噛み弱らせているようです。

 

 

雄は獲物を食べることなく咥えたまま飛び立ちました。

 

 

獲物を咥えた雄は雌の止まる木へ移動し、雌よりも高い位置へパーチ。

求愛給餌の為の狩りだったようです。

しかし雌は直ぐに魚を受け取ることはなく暫く膠着状態が続きましたが、この時も手持ちのレンズでは雌雄揃った場面を撮影することはできず・・・

 

 

餌を受けとならない雌に対して何かアクションを起こして気を引こうとしたのか、雄は更に上流側の木に移動すると雌が追い掛けるように雄の元へ。

残念ながら撮影できる場所ではありませんでしたが、雌は雄から魚を受け取ったようです。

そして2羽とも暗闇の中へ・・・

 


前日と同様に雄はまだ何も食べていないことから、次の出現まで間もないだろうと思っていたところ10分もしないうちに再び飛来。

その際に撮影した画像ですが見事に失敗してしまいました。

 

 

暗がりに止まる姿を撮影しようとISO感度を25600まで上げたままだったことが原因。

設定を戻すことを忘れそのまま撮影してしまったので、推奨感度とは違った設定をするとご覧のような画像になってしまいます。

慌てて設定し直し撮影を再開。

 

 

この時は獲物を丸呑みし自分の腹が満たされるとあっという間に飛び立ちました。

 

 

大まかに一晩のうちに3回出るとされるシマフクロウですが、1回目の採餌が終わり次に出ることが予想されるのは日を跨ぐ頃。

念の為に19時30分頃まで待ってみましたが出る気配が無かったのでシマフクロウの観察はここまでとしました。

二晩とも1回目だけの観察でしたが私にとっては充分な内容であり、何よりも足環の付いてない雌を見ることが出来たのは大きな収穫

ただ一つ、雌雄揃った場面を捉えることが出来なかったのは唯一の心残り。
こちらについては次回の課題として、また一つの楽しみとしてとっておきたいと思います。

 

 

翌日はいよいよ日程最終日。
早朝から公園巡りをして小鳥の観察をしましたが、そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。