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2020年1月11~13日

 

 


本日の日記はバードウォッチングガイド記。

今回のお客様は山好きなご主人と鳥好きの奥様のご夫妻、5泊6日の日程で秋田へお越しくださいました。
そのうち三日間、バードウォッチングを兼ねて観光ガイドの依頼を頂き主に男鹿半島と大潟村をご案内することに。

初日は生憎の空模様でしたが、男鹿半島の海沿いを北上する形でカモ類を観察。
漁港ではアカエリカイツブリの姿が見られましたが、突如強く降ってきた雨に車内からなかなか出られず・・・

 

 

オオハムorシロエリオオハムも確認できましたが、雨が強く降ってる間に沖の方へ離れてしまったようで思うような観察ができません。

『天気のことだから仕方ないよ!』と温かい言葉を頂き、少々気が楽になりましたが私としてはもどかしい・・・

とある漁港に立ち寄ると土砂降りのなかコクガンが餌を採っており、こちらは至近距離で観察。

 

 

コクガンと一緒にヒメウも間近で見ることができましたが、お客様の地元では遠くを泳いでいることがほとんどだそうで至近距離からの観察に喜ばれているようでした。

 


あちこち見て回り時刻は正午になろうとした頃、男鹿半島の突端である入道崎に到着。
こちらには観光客相手の売店やお食事処が立ち並んでいますが、ご主人の希望で秋田らしい食べ物のリクエストがありました。

少々値が張っても良いとのことでしたので、佇まいの立派なお店にご案内しようとしたところ・・・

『あそこのお店は?』

 

 

ご主人が気になったこちらのお店、この界隈では一際異色のオーラを放っており数十年前に入道崎でUFOが撮影されて以降、何かとUFO推しのお食事処。

あまりの怪しさに私は足を踏み入れたことがなく「ここは止めておきましょう」とご主人を制止しましたが『ここに入らなければ秋田を語れない』とご主人に押しきられ遂にUFOの聖地に足を踏み入れる運びとなりました。

店内に入り圧倒される私。

 

 

ご主人はUFOラーメン、奥様はしょっつるラーメンを注文。
臆病者の私はカレーライスを注文しましたが・・・

意外にも美味しい。
深みのある味わいでした。

UFOの聖地を巡礼した後は、ご夫婦で真山神社を参拝。

男鹿半島での観察と観光を終えた後は大潟村に向かい車を走らせるとオジロワシのペアを発見。

 

 

左側の個体は若いようですが、飛び立ちの瞬間の画像を拡大し翼上面の特徴を見てみると昨年末に大潟村で観察されたと話題になっていたカラフトワシの特徴と合致しました。

となるとこちらの個体はカラフトワシということになりますが、私の目にはオジロワシにしか見えません。

 

 

冷たい雨は霙に変わりなかなか観察が難しい状態が続きましたが、100羽ほどのハクガンの群れを見ることができました。

その他にマガンの群れを観察し、ヒシクイとオオヒシクイの違いを観察したのちシジュウカラガンを観察。

 

 

辺りが薄暗くなってきた頃から日没までの間、コミミズクを探しましたが残念ながら発見に至らずこの日の観察は終了としました。

 

 

 

 

日程2日目。

この日の観察も先ずはカモ類から。
特に珍しいカモは見られませんでしたが、ホオジロガモを中心に観察を行いました。

 

 

山好きのご主人から少し体を動かしたいとのリクエストがあり、雪山を登山しながらのバードウォッチング。
猛禽や小鳥を観察し、午後になったところで大潟村へ。

初日にハクガンの群れを観察していましたが、千羽超の本隊の群れを観察したいという奥様のリクエストに応え村内を捜索した結果無事に本隊を発見。

群れの規模が大きく私の単焦点レンズでは全ての個体を撮影することができません。

 

 

今回の旅行で一番のお目当てとしていたのがアオハクガンとのことで、こちらは時間をかけてじっくりと見て頂きました。

旦那さんは双眼鏡、奥様はスコープ、私はファインダー越しという形で各々観察や撮影を楽しみにましたが、自然や野生の生き物に造詣の深いご夫婦は兎に角熱心。

 

 

目が慣れてくると場所を移動した群れの中からでもアオハクガンの発見は相当早く、私のガイドが要らないような場面も。

間近で見るハクガンには大変喜んで頂き、私としては嬉しい限り。

 

 

群れの飛び立ち、着陸、採餌などを観察したところで猛禽類の狩り場へ。
こちらでは数日前から数年ぶりとなるハイイロチュウヒの♂が確認されたとのことで、♂の登場を待ちましたが残念ながら確認できたのは♀が3羽のみ。

同時にコミミズクの登場も期待しましたが、ハイイロチュウヒ♂と同様になかなか姿を見せてくれません。

出てくれないのであればこちら側から探してみようということになり、私は運転席側を、ご主人には助手席側を、そして奥様には後部座席から探してもらう形でゆっくりと車を走らせながら捜索に当たると・・・

 


『見つけた!』

ご主人が声を上げ、その際に撮影した画像がこちら。

 

 

いつもの望遠レンズで撮影した画像ですがパッと見た目には単なる草むらの写真。

この画像の中心部を拡大してみるとこちらを凝視しているコミミズクがしっかりと写っています。

 

 

ご主人の観察眼がすごい・・・
本当に驚かされる一幕でした。

間もなく日没を迎え活動時間に入ったコミミズクはヒラヒラと飛び始めましたが、何処からともなく別の個体が現れ絡み合いながら飛翔する場面を見たところでこの日の観察は終了。

 

 

 

 

日程3日目。

この日は小鳥の観察から。
奥様からキレンジャクを見たいとのリクエストがあり、あちこち探し回ってみたものの残念ながら観察できたのはヒレンジャクのみ。

賑やかだった小鳥たちの声が聞こえなくなったところで場所を移動し見ることができたのはフクロウ。

 

 

真っ昼間にこんなところで何をしているのか。
間もなく死角となる方へ飛んでしまいましたが、どうも怪しい。
ここを塒にしているのかもしれません。

その後は狩り場でハイイロチュウヒ♂を待ってみましたが、残念ながらこの時も姿を見ることができず・・・

しかし♀は頻繁に飛んでくれたので狩りをする様子はじっくりと観察することができました。

 

 

ホシムクドリも見られましたがかなり分散傾向にあるようでこの時に観察できた個体数は少なめ。

 

しかし少し離れた場所でも確認できたことから総数としては然程減っていないのかもしれません。

 

 

ご夫妻がこの日宿泊を予定していたのは秋田県内陸部の仙北市。
大潟村からは2時間半の距離であったことから、逆算する形で残りの時間はカリガネを探そうということになり村内をウロウロ。

ふと見るとハクガンの本隊が採餌中の場面に遭遇し一端停車。
探してない時ほどあっさりと出会えます。

 

 

観察を始めると夢中になるもので、カリガネは別の地域でしっかりと観察できていたとのことから時間の許す限りハクガンを観察することになりました。

アオハクガンも見つかり大潟村らしい風景の中で最後にハクガンの群れを観察できたのは良かったと思います。

 

 

ご夫妻は以前ダイビングをされていたそうで、2人で極寒の海に飛び込みクリオネを見たというお話や海外旅行のお話など、楽しいお話を沢山聞かせて頂くことができました。

ガイドの最後は地元で有名な醤油の醸造元へご案内。
買い物を兼ねて醤油ソフトを味わって頂き宿泊先へ送迎しましたが、本当に会話の絶えることのない3日間でした。

宿泊先は秘境と言えるような場所に所在しており翌日は様々な野鳥を観察できたそうです。

 

 

最後は握手でお別れをしましたが、ご夫妻の地元に来るとこがあれば『是非声を掛けて下さい!』という温かいお言葉を頂いたところで私のガイドは無事終了。

悪天候もあったり、寒暖差のあるお天気でしたが3日間の観察お疲れ様でした。

 

 

今回のガイド記はこれにておしまい。