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2020年2月23日 7/2℃ 雪時々曇り




暴風雪警報が発令された日曜日。

低気圧の通過に伴い、西高東低の冬型の気圧配置になったことからこの日の気温は右肩下がり。
寒さだけではなく暴風が吹き荒れる天候が予想されていたことから前日の段階では観察をお休みする予定としていました。

 


しかし起床して間もなく外の様子を見てみると風は強く吹いていたものの、雪は降っておらず空振り覚悟でフィールドを回ってみることに。

今季幾度となく足を運んだ大潟村に行ってみると、先週に比べガン・カモの数は減っておりシーズンの終盤を思わされる雰囲気が漂っていました。

これといったアテもなく車を走らせていると田んぼの畦道にはオジロワシが4羽並んでおり、秋田にしては珍しい光景であったことから遠巻きにでも写真に残そうと停車すると次々に飛去。

「う~ん、残念」

 


それから間もなく別の田んぼに佇むオジロワシを発見。

こちらは違った意味で珍しく接近することを許してくれました。

 

 

あまりにものんびりしていたのでこちらの個体は食後だったのかもしれません。

これ以上の接近は飛ばしてしまうだけだろうと考え、その場を離れた後は大潟村を1周してみましたが、これといった出会いもなく結局いつもの狩り場へ。

筋状の雲が流れ込んできていたせいか天候は目まぐるしく変わり突然の猛吹雪。
一部エリアにシジュウカラガンが密集しており、その様子を撮影してみようとカメラを向けましたがご覧の通り。

 

 

雪にピントが引っ張られてしまいオートフォーカス全く役に立たずマニュアルでの撮影となりました。

ゆっくり走っても5分程度の道のりをこの時は1時間かけて移動。
群れを警戒させないよう慎重に車を進めたことが功を奏し普段見ることのできない光景が・・・

 

 

次々に飛来するガンは全てシジュウカラガンで、その総数は2000羽を超えていたと思います。

シジュウカラガンだけの群れでここまでの数が集まった場面に遭遇したのは初めて。

 

 

群れを観察すると寝ている個体もいれば餌を採っている個体、羽繕いに余念がない個体と様々でした。

この壮観な光景を肉眼で見る印象に近付けようとズームレンズで撮影したりと、試行錯誤を繰り返しましたが思い描いたような画像を残すことはできず。

 

 

Web上で見るサイズではある程度鳥の姿形が分かるくらいの大きさで撮影する必要があり、そうなると群れ全体を写すことができません。

パネルにすることが前提であれば広角レンズで撮影し、鳥の居る風景として楽しむことができると思いますが人間の見た目通り一枚の写真に残すことは難しいものです。

 

 

採餌の様子は動画で撮影。

 

座りながら採餌する横着者の姿を見ることができます。

 

 

このシジュウカラガン、私が野鳥観察を始めた頃は百数十羽で一時絶滅のおそれのある鳥でした。

今では数千羽単位まで個体数が回復し、数が増えることで行動も変わり主な越冬地は宮城県になっているようです。
そのためまとまった数の群れを秋田で見ることができるのは晩秋の頃と北帰行の頃で、ちょうど今がその時期。

 

 

季節の変わり目に北帰前の群れを目の前にして感慨深く眺めていました。

シジュウカラガンを観察した後はハイイロチュウヒの雌を観察。
今季狩り場では3羽の雌が見られ、多くのバードウォッチャーを楽しませてくれました。

 

 

この日は時間毎に風の強さが増し、強風は暴風へと変わりハイイロチュウヒは思ったように飛翔することができないようです。

いつもはヒラヒラと低空で飛び回り不規則な動きを見せることから撮影には難儀させられますが、今回の暴風は私にとって神風となり意のままに撮影することができました。

 

 

風に逆らうように進むハイイロチュウヒは、風の影響が大きいせいかなかなか前に進むことができません。

停空飛行に近い状態が続き、風上側で観察していた私の目の前に来ることもあり面白いくらいに合焦します。

 

 

私にとっては楽しい時間でしたがハイイロチュウヒにとっては大変だったようで、草の陰に降りて休憩する姿が度々見られました。

あくまでも私の印象に基づいたお話ですが、もしかしたらこの程度の風はハイイロチュウヒにとって大したことではなかったのかも。

 

 

私の目を楽しませてくれたハイイロチュウヒは低空で私の車を横切り隣のエリアへ移動。

 

 

更に奥のエリアに移動してしまった為、本日の観察はここまでとしました。


この日の夜には秋田で越冬していたハクガンの群れの一部が早くも北海道に到達したという情報も入り、やはり今季は暖冬の影響で鳥の動きが例年とは異なっているようです。

今回は連休ということもあり、翌日は大潟村で今シーズン最後の冬鳥観察。
そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。