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2020年4月10日 8/4℃ 雨時々曇り




今回の観察日記は連日実施しているナイトウォッチングの様子から

ヤマシギの活動時間については夕方~夜にかけてというのが一般的なようですが、一括りに夕方といっても曖昧な表現であり詳しいものではありません。

私がナイトウォッチングを行う時間帯は日によって区々ですが、殆んどが日没から1~2時間後となっています。

この日、秋田市の日の入りの時刻は18時12分。
仕事を終えていつも観察している林道に到着すると既に複数のヤマシギが活発に動き回っていました。

コロナ対策としては良い間隔。

 

 

この時の時刻は18時30分、辛うじてライトが無くても何かが動いて見えるような光量です。

車のヘッドライトで照射される範囲外にも複数のヤマシギが活動していました。
そのため全ての個体を一つのフレームに収めるのは至極困難。

 

 

ハンディタイプのライトで数を数えてみると狭い範囲で9羽確認することができ、一度に見た数としては最多を記録。

通常この林道で見るヤマシギの数は1~3羽程度ですが、今は渡りの時期ということもあり留鳥として生息する個体と漂鳥として渡ってきた個体が密集する形になったものだと推測します。

 

 

個体によって性格の違いがあり、林道を走り回る者もいれば私の方に近寄ってくる者も。

ヤマシギの目に私はどのように映っているのか想像もできませんが、相手側から近寄って来てくれることは観察する者にとって嬉しいものです。

 

 

目の前で採餌を始めましたがこの時はあまりにも距離が近く、望遠レンズではピントが合わず私が後退するほどでした。

採餌の様子を見て思うのは獲物を捕らえる精度の高さ。

 

 

適当に地面を突っついているように見えますが、かなりの確率でミミズを引っ張り出していました。

意図も簡単に餌となる生物を探り当てることができるのは何故なのか、非常に興味深いものがあります。

この日は結果として被りなく13羽のヤマシギを見ることができましたが、ノウサギも2羽見ることができました。

 

 

このようにして夜な夜な活動する生き物たちに楽しませてもらう日々が続いていますが、翌日は早朝からフィールドに出る予定としていたので早めに撤収。

 

 

 

 

2020年4月11日 12/2℃ 晴れ

 

 

 


春の珍鳥まつり第4弾。

日中の観察が不発続きでナイトウォッチングでストレスを解消していますが、今回は当たりを引くことができるのか。

今週は有給休暇で連休になったこともあり気持ちに余裕を持って自宅を出発。
仮に空振りでも予備日があることで、こんなにも気分が違うのかと男鹿半島を北上しました。

 


しかし各チェックポイントを回るものの見事に空振り。
ちょうと中間地点を過ぎたあたりでいつもの御仁と遭遇し『上から回ってきたけど全然ダメ』とのこと。

この言葉を聞くことで落胆の色は隠せませんでしたが、ここまで来たからには自分の目で確認したいところもあり北上を続けました。

それから間もなく地面を突っついている鳥を発見。

 


「ヤツガシラいるじゃん」

 

 

取り合えず御仁に連絡をして観察を始めましたが、これがなかなか難しい。

こちらの個体は警戒心が強めのようです。

 

 

ヤツガシラは餌の採り易い場所を見つけると狭い範囲で行動することの多い鳥ですが、今回見つけた個体は動き回ってばかりで落ち着いて観察をすることができませんでした。

良い餌場を探しているのかちょっと地面を突っつくと辺りをウロウロ。

 

 

なかなかの速足で少し目を離すと見失ってしまうくらいです。

いいように弄ばれ観察というよりも証拠写真を撮ってるような時間が続きました。

 

 

御仁が到着するまで見失わないようにと右往左往していましたが御仁は一向に姿を現さず。

どうしたものかと思っていたところ御仁から電話が入り『こっちもヤツガシラ見つけた』とのことでした。
話しによると御仁の見つけた個体は観察が容易とのことで、後で行くことを伝え取り合えずは目の前にいる個体の観察に集中。

 

 

とは言っても相変わらずウロウロするヤツガシラに翻弄され、気持ちは御仁の観察する個体へ傾いていきました。

間もなくして飛翔することにより100mほど距離が離れてしまったので、こちらの個体の観察はここまで。

 

 

場所を移動し御仁の観察しているヤツガシラを御相伴させて戴くことになりました。

「なるほど、これは近い」

 

 

しかし私の到着が遅かった為か良い場面を見ることがなかなかできず、距離こそ近いものの草の陰で採餌をしている時間が長く出てきた瞬間を撮影するといった具合いに。

どうもタイミングが悪かったようです。

 

 

暫く観察を続けると不意に飛び立ち少し離れた立ち木にパーチ。

そこから更にあらぬ方向に飛んで行ってしまいました。
この時の時刻は正午過ぎだったので、同じ場所で待つと再び飛来する可能性が高かったのですが、前日に発見していたギンムクドリが気になり大きく場所を移動。

仕事の移動中に発見したギンムクドリは国道沿いの看板に止まっており、移動の途中をたまたま目撃した可能性が高く再会の可能性は著しく低かったのですが現地に到着してみると・・・

 


「やっぱり居なかった」

残念無念。
仕方ないので次のミッションへ。

この日は珍鳥探しと別にもう一つ予定を立てており、それは日中のヤマシギの観察。

前夜の個体数を考えると「1羽くらい明るい時間帯に出てくるのでは」という淡い期待と、活動時間は夕方~という曖昧な部分をはっきりさせたいと思い15時30分から林道でスタンバイ。

 


特に小鳥が出てくる訳でもなく暇な時間が続いていると、何か小動物が動いたように見えました。

その際に撮影した画像がこちら。

 

 

出てきたのはアカネズミ。

こちらの画像では分かりにくいと思いますが真ん中に写っています。

 

 

明るい時間帯にアカネズミを目撃したのは初めて。
夜はたまに見かけることがありますが、なかなか撮影が難しく日中に撮影できるとは思いませんでした。

そろりそろりと近付いてもう一枚撮影。

 

 

もっとじっくり見たかったのですが、残念ながらアカネズミは近くにあった穴の中へ姿を消してしまいました。
単に写真を撮っただけに終わったものの、夜行性の生き物を日中に見ることができたのは運が良かったと思います。

 


それからは寒さに震える時間だけが続き、動きがあったのは17時50分。
300mほど離れた笹藪の中から何か出てきたように見え、その際に撮影した画像です。

 

 

拡大してみると・・・

「カケスかよ」

 

 

期待も虚しくカケスに騙され、日没時刻を過ぎてもヤマシギは現れませんでした。

ヤマシギは飛んで現れるのか藪の中から出てくるのか、せめてこれだけでも知りたいと思い更に粘って18時35分、藪の中からヤマシギが登場。

 

 

結局この日もライトを使うことになってしまいましたが、私が観察する林道では歩いて出てくるということが分かっただけでも収穫になったと思います。

この後もヤマシギの観察を続け帰宅したのは21時頃。
連休というのはここまで時間に余裕を持てるものなのかと思わされる一日でした。

 

 

翌日は春の珍鳥まつりに相応しくなるような内容になりましたが、そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。