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2020年5月17日 18/13℃ 雨のち曇り




この日曜日も渡り鳥を探して自宅近くの公園から探鳥を始めました

天気予報に反し低い雲に覆われた秋田市は霧雨が降っており観察には生憎の空模様でしたが、私にとって相性の悪い種はこの時期に確認されることが多く気を緩めることはできません。

霧雨から本降りに変わる時間もあり歩きながらの探鳥には躊躇を覚えましたが、晴れを待っても埒が明かないと考え意を決して外に出てみるとマミチャジナイがちらほら。

 

 

複数の個体が採餌をしていましたが、警戒心の強い個体が混ざることでなかなかじっくりと観察することができず・・・

そんな折り、不意に現れたのがアオゲラ。
石垣に埋め込まれた排水パイプを『何だこの穴?』と言いたげに覗き込んでいました。

 

 

石垣を横移動しながら目地に嘴を挿し込み、隙間に潜む虫を捕食しているようです。

長い舌が伸びている瞬間を撮影したいと思い粘ってみましたが、距離が離れていたこともあり残念ながら良い場面を捉えることはできませんでした。

 

 

アオゲラを観察したところでお目当ての鳥を探してみたものの、気持ちが高ぶるような声も聞こえなければ姿も見えません。

かなり濃い霧が立ち込める時間もあり、残念な一日の始まりが濃厚になってきました。

 

 

しかし私には思うことがあり・・・

「渡りが続いている間は“旬”を楽しむ意味でも渡り鳥を観察したい」

食べ物に旬の時期があるように鳥の観察にも旬な時期があると思います。
今は渡りの終盤に差し掛かっていますが、しっかりと探鳥を行えばまだまだ渡り鳥の観察は楽しめることでしょう。

しかし鳥の観察はタイミングや運にも左右されるもので、特に秋田のような探鳥地が広い地域では場所の選定も大事であり博打要素も高くなってしまいます。

公園での探鳥が芳しくなかったことから、次は何処で探鳥を行おうか悩んでいたところ鳥友さんからメールを着信。
内容を確認してみると・・・

 


『アカアシチョウゲンボウの成鳥♂を1個体確認しました』

噂をしていたら本当に出た。
実はこの数日前、Twitterを閲覧しているとアカアシチョウゲンボウの画像がちらほら。

2年前に観察したことを懐かしく振り返り、私も過去に撮影した画像を掲載したばかりの出来事でした。

 


善は急げ。
鳥友さんは所用のため現地を離れなければならないとのことでしたが、詳細な位置情報も寄せて頂いたこともあり迷わず現地に到着。

鳥友さんによると現地を離れる際に飛ばれてしまったというお話もあったことから捜索を余儀なくされると思いましたが・・・

アカアシチョウゲンボウはそこに居ました。
先ずは証拠写真の撮影から。

 

 

悪天候の影響によりシルエット的画像になってしまいましたが右側に写るのがキジバト。
左側に写るアカアシチョウゲンボウは一回り小さいことが見て取れます。

 


暫く離れた位置から様子を伺いましたが、特に警戒することもなく電線に止まった状態が続いたため少し距離を詰めて観察してみることに。

当時はかなり薄暗く、プラス補正を強めにして撮影したことから羽色がやや不自然になってしまったものの和名にある通り赤い足を見ることができました。

 

 

更にアイリング、蝋膜、下腹、下尾筒も赤褐色で日本で見られるハヤブサ科のなかでは異色を放つ鳥と言えるかもしれません。

留鳥として見られるハヤブサとチョウゲンボウ、夏鳥として見られるチゴハヤブサ、冬鳥として見られるコチョウゲンボウ、其々に観察できる時期は異なりますがこれらの種は狙って観察することが可能です。
(この他に数少ない冬鳥として渡来するシロハヤブサもいますが、秋田県でも観察例があるもののこちらに関しては例外)

 


アカアシチョウゲンボウに関しては数少ない旅鳥として渡来することから観察の機会が少なく私の知る限りでは秋田で4例目。

 

 

過去の記録を調べてみたところ・・・

秋田県初記録 5月18日
2例目 5月20日
3例目 5月22日

そして今回観察できたのが5月17日で、ほぼ同時期に確認されていることが分かりました。

このデータだけで判断するのは少々乱暴ですが、もしかすると今まで記録に上がらなかっただけで毎年同じ時期に通過しているのかもしれません。
今後この時期に狙って探してみると観察の機会が増える可能性もあり。


さて観察を続けていたアカアシチョウゲンボウですが、動きのない時間が続いたことから鳥友さんへ無事確認できたことを報告しているとまさかのタイミングで飛び立ち。
いい瞬間を撮り損ねてしまいました・・・

飛び立ったアカアシチョウゲンボウは少し離れた電線に止まったので離れた場所から再び様子を見ることに。
ここからは拡大画像です。

 

 

こちらの電線に止まると羽繕いをする様子が見られ、その直後に飛ぶ気配を見せました。

今度は外すまいとひたすら連写。

 

 

飛翔シーンが撮れたまでは良かったのですが、問題がこの後の行方

立ち木の死角に入った後の行く末が確認できず、一体どの方向に飛んでいったのか分からず姿を見失ってしまいました。

そのため時間を掛けて広範囲に捜索。
あちこち探して回りながら最近よく鳴き声を耳にするようになったカッコウを撮ってみたり・・・

 

 

勇猛果敢にチュウヒを追い回すハクセキレイを撮ったり。

 

 

残念ながらアカアシチョウゲンボウの発見には至りませんでした。
もっと色んな場面を見たかったのですが、今回は貴重な情報を寄せて頂き姿を見ることができただけでも良かったと思います。

次の週末まで滞在していてくれることを願って本日の観察日記はここまで。