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2020年5月23日 24/12℃ 曇りのち晴れ




今回の日記は先週観察することができたアカアシチョウゲンボウの続編になります。

この日は悪天候の予報でしたが朝から所々青空の見える良いお天気
先週は若葉寒という言葉が使われるような寒の戻りがあり肌寒いと感じる日もありましたが、それから一転して少し動くと汗ばむほどの陽気になりました。

天候が回復したことで鳥の移動にも勢いがついたのか、ふと空を見上げると鷹柱が。
ハチクマが渡ってきたようです。

 

 

この時にカウントできたのは31羽。

上昇気流に乗って帆翔し、高度を稼ぐと次々に北の方角へ流れていきました。

 

 

さて、今回観察できたアカアシチョウゲンボウは先週とは確認場所が異なり偶然の出会いから観察が始まりました。

田んぼにシギチが入っていないかと農道を進むと、前方よりチョウゲンボウらしき鳥が飛来。
念の為にと確認してみたところまさかのアカアシチョウゲンボウ。

 

 

先週の日記で綴った通り、抜けないことを願いつつも正直なところ抜けるだろうと思っていただけに嬉しい再会です。

この場所では広範囲に飛び回る様子が見られ、行動を注視していると飛んでいる昆虫を捕獲していることが分かりました。

アカアシチョウゲンボウの目線の先には昆虫が写っています。

 

 

昆虫を見つけると素早く方向転換をしてフライングキャッチ。

 

 

捕まえた昆虫は飛びながら捕食しますが、この行動は同じハヤブサ科のチゴハヤブサにも見られる行動です。

 

 

上の画像を拡大。

 

 

暫くその様子を観察していましたが、光線に対して見ている位置が悪く写真としては今一つといったものばかり。

その為、電線に止まり羽を休めるタイミングを待っていると絶好のチャンスが到来。

青空を背景に順光の位置から撮影させてもらうことができました。
やや光線が強すぎたものの、忠実に近い状態で羽色が再現できたと思います。

 

 

電線から飛び立ったアカアシチョウゲンボウは高いところを飛ぶこともあり、観察が困難な状況になると徐々に距離が離れ姿を見失ってしまいました。

しかし飛去した方角が先週観察した方向であったことから「元の場所に戻ったのでは?」と考え、再び飛来することを待たず捜索してみることに。

 


行きがけにトビにモビングされていた猛禽を目にし、よく見てみるとハチクマ。

 

 

地表近くまで降りていたようで、もう少し早く気付いていたら・・

肝心のアカアシチョウゲンボウは捜索するまでもなく、先週と同じ場所に止まっていました。

 

 

こちらでは電線から飛び立つと地面に降りるという行動を見せ、再び電線に戻ってきます。

一体何を狙って降りているのかと思いましたが、カエルを捕獲していたことが判明。

 

 

昆虫とは違いカエルは飛翔しながら食べないようです。

鋭い嘴で少しずつ身を啄み、丁寧に食べていましたが最後に残った脚の部分は丸呑み。
滑稽な姿だったのでこちらは画像を拡大。

 

 

捕食して間もなくフンをすると頭を小刻みに動かし何かを気にする様子が見られました。

 

その後直ぐに飛び立ち。

 

 

再び電線に戻るとアカアシチョウゲンボウの足には捕獲したカエルの姿が。

飛び立った電線から地面に降りた場所までは100mくらいあったでしようか。
よく見付けるものだと感心させられます。

 

 

捕食する様子を観察していて気付いたのは必ず頭から食べるということ。

美味しい部分なのか栄養価が高いのか、どんな気持ちで食べているのかは知る由もありませんが、美味しいものは最後に食べる私とは正反対のようです。

 

 

邪魔が入り食事の中断を余儀なくされたことを考えると、美味しい部分を先に食べておく方が得策かもしれません。
野に生きる者の掟なのでしょうか。

頭から上半身を食べ尽くすと最後に残った脚をまた丸呑みするのかと思いきや、千切って食べようとしたため脚が伸び~る。

一生懸命引っ張る姿が面白い。

 

 

ゴムパッチンを期待しましたが、残念ながら上手いこと食べていました。

その後もカエルの捕食は続き次から次へと捕獲する様子が見られましたが、風向きが変わると体の向きは逆側に。

 

 

やはり風で羽が捲れるあがることを嫌っているようです。

長時間粘って観察することで伸びの姿も見ることができました。

 

 

伸びの動作はどの鳥も共通。

この時は真下に近い位置に構えていたこともあり、翼下面や下尾筒の特徴がよく分かります。

 

 

伸びから間もなく飛び立ち。

しかし距離が近いことが仇となり直ぐにフレームアウト。

 

 

アカアシチョウゲンボウの動きに腕は追い付きませんでしたが、先週の観察時に比べるとお天気にも恵まれ観察の醍醐味を存分に味わえたことは何より幸運でした。

2年前に確認できた際、それまでの観察例が少なく個人的観察難易度は最高難度のどら焼き5つとしていましたが、今回観察できたことで通過するタイミングと場所を把握できたことから難易度を一つ下げようと思います。

 

 

他の地域で確認されている場所も秋田に渡来する環境と似ているようで、今後の観察はタイミング次第になるかもしれません。

そういった意味でも今回観察できたことは勉強になり、未来に繋がる経験値となりました。
先週情報を寄せて頂いた鳥友さんには本当に感謝です。

 

 

また来年、今回の経験を活かすことができるよう注意深くフィールドを巡回してみたいと思います。

本日の観察日記はここまで。


おまけの画像。
今季初撮影のコノハズク。

 

 

また寝不足が続く季節の到来です。