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2020年5月5日 15/8℃ 曇りのち晴れ




大型連休3日目。

前日はお目当てとしていた鳥に出会うことができなかったことから、この日はいつもと違った観察場所へ。

今回の観察場所に選んだのは年に数回足を運んでいる雑木林の水溜まり
こちらでの観察スタイルは定点観察となりますが、今年は普段お目に掛かれないような鳥に出会えることはできるのか。

実際のところ過去の観察を振り返ってみても当たりを引いた試しはありませんが、行かずして後悔するより行って後悔を選択。


雑木林に足を運ぶと鳥の鳴き声が賑やかで今日は期待できると待つこと6時間。
結局お目当ての鳥は現れず・・・

マミジロ雄の姿を目にしましたが残念ながら撮影には至らず、唯一撮影できたのはイスカでした。

 

 

早朝の時間帯は200羽を超すイスカの群れが集まってきたものの、あとちょっとで水溜まりに降りて来るというタイミングで猛禽が現れ、警戒したイスカの群れは物凄い羽音を立てて一斉に飛去。

それから数時間、今季初認となるツツドリの鳴き声を聞きながらお目当ての鳥を待っていると再びイスカが飛来。


今度は水を飲む場面を見ることができました。

 

 

オリーブ色の個体が雌、暗赤色の個体が雄。

交差した嘴こそイスカの特徴であり、堅い松かさをこじ開け種子を食べることに適しています。

巣立ち後に自力で種子が採れるようになる頃、嘴が交差するようになるのだとか。

 

どちら側に曲がるかは個体によって異なるようです。

 

【 ♀ 】

【 ♂ 】


 

話が前後してしまいますがこちらの場所で定点観察を始めて間もなく、いつもの御仁からコホオアカを3羽確認したという連絡を頂いていました。
改めて自分のタイミングの悪さを痛感。

お目当ての鳥が出てくれたら願ったり叶ったりという風に良い一日になりますが、待ち惚けの時間が続けば続くほどコホオアカの情報には葛藤を覚えました。

過去の記録を思い返してみても秋田で観察されるコホオアカは抜けが早く、じっくり観察できる機会はそれほど多くはありません。

御仁から送られてきた画像を見てみると其々特徴が異なり複数の個体を観察できるだけでも魅力的ですが、なかにはスマホで撮影できるほど間近で見られる個体がいるのだとか。

終日定点観察を行うつもりでしたが、天気予報を確認してみるとこの日の夜は晴れ予報になっておりコホオアカが抜けてしまう可能性が大。
悩んだ結果、定点観察を切り上げコホオアカの観察をすることにしました。


現地に到着してみると直ぐに目に飛び込んできた2羽のコホオアカ
便宜上、ここからは其々の個体をA・B・Cと表記します。

先ずは個体Aの画像から。

 

 

成鳥夏羽になると顔の赤みが強くなりますが、こちらの個体が一番色の薄い個体でした。

 

 

コホオアカに関して簡単に説明すると、日本で見られるホオジロ類では最小サイズ。

14cmのスズメよりも1cm小さなサイズですが、スズメと違った姿勢をすることが多く肉眼で見るとだいぶ小さな鳥に見えます。

 

秋田では春と秋の渡りの時期に観察されますが、ここ数年は観察例が多くなっているようです。

 

 

観察を始めて分かったことが、警戒心の違い。

 

どちらの個体も共通して言えるのは過去に観察した個体よりも警戒心が薄く「近い」といった印象を受けましたが、個体Aに関しては段違いです。

俗に珍鳥と呼ばれる鳥は篭脱けかと思うほど警戒心の感じられない鳥が多い傾向にあり、正に個体Aは警戒心を全く感じさせませんでした。

 

 

先に観察を行っていた鳥友さんの撮影した画像が近過ぎて顔だけの写真になったのも頷けます。

離島で観察される渡り鳥は旅の疲れで近寄れるケースが多いようですが、個体Aに関しては特に弱っている様子もなくひたすら採餌を続けていました。


こんな機会二度とないかもしれないと思い存分に観察&撮影をさせてもらいましたが、次に掲載するのは個体Aに比べちょっと距離を取っていた個体Bの画像です。

 

 

御仁から送られてきた3枚の画像のうち、こちらの個体Bが二番目に赤みの強い個体。

赤みが一番強い個体は別の場所で見つけたとのことだったので、そちらは最後に観察することにして個体Bの特徴をじっくりと観察。

採餌方法は個体Aを含め過去に観察をしてきた個体と変わらず腹這いのような姿勢でしたが、個体Bに関しては何かに警戒すると付近の植物に飛び移り様子を伺うという行動を見せました。

 

 

決して遠くに飛ぶということはなかったものの、このような場面が何度かあり個体Aとは警戒心に違いがあるようです。

至近距離でじっくりと観察できていたこともあり、個体Bについては何か面白い場面が見られないかと粘っているとお立ち台の上に・・・

 

 

いつもは地面で採餌をしている場面がほとんどなだけに、小石に乗ってるだけでも新鮮に見え嬉しい瞬間でした。

伸びの姿などまだまだ沢山見たいシーンはありましたが時間が押してきたことと一番赤みの強い個体Cが気になり、こちらでの観察を終え場所を移動することに。

実際に見る個体Cは一体どのようなものか気になり、現場に到着してみると・・・

残念ながら抜けていました。

かなり粘って付近を探して回りましたが何処にも見当たらず。
少々残念ではあったものの午前中の空振りからコホオアカを2個体じっくりと観察できたことを考えると、ここで終了としても納得のいく良い結果でした。

 

 

この日の観察はここまでとなりますが、翌日はいよいよ大型連休最終日。
連日の観察で疲労が蓄積していましたが、この時期だからこその出会いに期待してフィールドを回ることに。

そちら様子は後日更新の日記へ続きます。