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2020年8月9日 27/22℃ 曇り時々雨




今回の日記はコシアカツバメの観察記。

先週まで見られていたショウドウツバメの群れは例年よりも早く南下したようで、中継地となっている住宅地の電線を眺めてみると蛻の殻になっていました。

ショウドウツバメが渡ったことを確認し今回はツバメ繋がりで久しぶりにコシアカツバメの様子を見てみようと思い、営巣を確認していた場所へ行ってみることに。

6月7日に今季初の観察を行ったコシアカツバメでしたが、この日は巣材の採集場所から後を追う形で営巣場所を確認。
ちょうど巣を造り始めて間もない頃で、その後は巣がどのように形成されていくのか継続観察を行いました。

 

 

巣が完成してからは繁殖に支障がないよう観察を控えてきましたが、間もなく巣立ちを迎える頃。

参考までにコシアカツバメは孵化までの抱卵期間はおよそ20日、育雛期間の平均日数が24日。
巣の完成が6月21日頃で更に産卵日を予想して抱卵日数と育雛日数を足すと計算上では8月10日頃に巣立ちを迎えることになります。

 


能書きはこれくらいにしておいて、営巣場所へ足を運ぶと巣の真下にはウンチが沢山。
無事に繁殖していることが伺えました。

間もなく親鳥になった成鳥が飛来すると吸い込まれるように巣の中へ。

 

 

直ぐに巣を出ると立て続けにもう1羽の成鳥が飛来しました。

巣造りを観察していた頃、常にペアで行動してる様子を見ることができましたが驚いたことに育雛段階に入ってもペアで行動しており初めて見るケースです。

 

 

給餌を終えると2羽は揃って営巣場所を離れ再び餌の捕獲に向かったようでした。

親鳥が戻ってくる間、巣の入り口を注視していると雛の顔が見えこちらの様子を伺っているようです。

 

 

民家に営巣するツバメと巣の形状が異なることから外の様子は巣立ちを迎えるまでほとんど見ることができません。

狭い視野でいつも同じ風景を見ているはずなので、私の存在はさぞかし奇特な物に見えたことでしょう。

観察を続けていると雛が巣の外へお尻を向けました。
ウンチをする瞬間です。

 

 

しかしこの時は入り口の縁にウンチが乗ってしまい排泄は失敗。

そこに親鳥が戻ると排泄が失敗したことに気付いたようで雛のウンチを咥えました。

 

 

以前観察したイワツバメの親鳥は巣の真下へ咥えたウンチを落としていましたが、今回観察したコシアカツバメはウンチを咥えたまま飛び立ち。

 

 

通常、雛の排泄が失敗しなければウンチは巣の真下に落下しますがトイレトレーニングをしなくても本能で巣の中の清潔を保とうとする習性にはいつ見ても感心させられます。

 

 

ウンチをするタイミングを狙って撮影を行うことで、給餌の為に巣へ戻る親鳥と尾羽の長さや下尾筒の特徴を比べることができたので画像を並べてみたいと思います。

【 雛 】

【 成鳥 】


 

当たり前ですが、雛の尾羽は短くツバメ独特の燕尾(外側尾羽)は伸長中でした。
また雛の下尾筒は赤みがあるのに対し、成鳥は白っぽく縦斑が見られます。
巣立ち後の幼鳥を観察する場合、下尾筒の色で成鳥との見分けがつくかもしれません。

せっかくなので顔の特徴も比較してみます。

 

【 雛 】

【 成鳥 】


 

巣立ち間際ということもあってか顔は大差ないように見えますが、嘴には雛に見られる黄色い特徴が見られました。

鳥類共通ですが雛の口の色や形は親鳥の本能を刺激して給餌を促す効果があるそうです。

 

 

こんなに大きな口を開けられると親鳥じゃなくても餌を与えたくなる衝動に駈られるので視覚に訴えかける信号のようなものがあるのかもしれません。


給餌を待つ間、雛は巣の中で羽ばたきの練習をしていたようでゴトゴトという物音が響く時間もありました。

他に営巣を確認していた場所に行ってみると一足先に巣立ちを迎えており、親子で飛び交う姿が見られたのでこちらの親子も一緒に飛び交う日はそう遠くないことでしょう。

昨年はスズメに巣を乗っ取られることが多くなかなか繁殖が上手くいかなかったようでしたが今季は個体数が少し増えそうな兆しが見えています。

 

 

無事に巣立ちを迎え、この場所でいつまでもコシアカツバメの飛び交う姿が見られることを願い営巣場所をあとにしました。

 


コシアカツバメの観察を終えた後はオオジシギの観察へ。

自宅近くの田んぼはジシギの渡りのルートになっているようで、私にとっては自宅横の田んぼが観察を行う上での指標となっています。

今月4日の夜から自宅横の田んぼでジシギの声が頻繁に聞こえるようになり、そろそろ渡りのピークになるのではと思い自宅近くの田んぼをメインにジシギ探しをしてみるとオオジシギが沢山見られました。

 

 

オオジシギは今月下旬頃まで観察が可能なので、それまで継続観察を行い様々なシーンを纏めたところで後日改めて観察記を綴りたいと思います。

今回の日記では予告として画像を2枚掲載したところでおしまいです。