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2021年12月5日

 

 

 

 

前回の続き。

 

日程2日目は東よか干潟で観察を行い、午後からは長崎県に移動してカツオドリを観察。

 

その道中ではクロハゲワシを見つけることができたものの長崎県でカツオドリの観察を控えていたことから後ろ髪を引かれる思いで佐賀県を後にしました。

 

肝心のカツオドリについてはお天気にも恵まれ良い場面を沢山見ることができ云うことなし。

 

 

最終日の日程3日目は前日と同様に長崎県から佐賀県へ移動して東よか干潟を中心に観察を予定していました。

 

 

これまでの観察を振り返ると渡来が確認されていないナベコウは仕方ないとしても、お目当てとしていたツリスガラの姿は未だ確認できないまま。

 

しかしながら想定していなかったオニアジサシとクロハゲワシを観察することができ思い描いていた内容とだいぶ違った旅行になったことは事実です。

 

最終日にツリスガラを見ることができれば文句のつけようがありません。

有終の美を飾ろうと意気込み長崎県を後にしました。

 

 

2021年 野鳥観察の旅 in 長崎県→佐賀県 ④

 

 

この日は前日以上に良いお天気に恵まれ穏やかな佐賀市の空には熱気球が沢山浮かんでいました。

 

 

佐賀平野で開催されるバルーンフェスタは全国的にも有名ですが実際に目にしたのは初めて。

 

熱気球を横目に東よか干潟を目指すと頭上を複数のカササギが通過。

欲の無い時ほど目にしますが、前日に見つけたクロハゲワシは気になりこの日は先を急ぎました。

 

前日発見した場所へ向かうと居場所としては然程変わらなかったものの、道路から離れた場所に佇んでおり遠巻きからの観察。

 

 

時々あくびや身震いをしていましたが、これといって大きな動きは見られません。

 

こうしている間に干潟での観察において“美味しい”時間を逃してしまう恐れがあり、クロハゲワシは暫く動くことはないだろうと判断し干潟の方へ移動しました。

 

 

干潟に到着して辺りを見渡すと前日に比べやや鳥が少ない印象。

その印象を与えた原因はカモメ類が少ないことにありました。

 

画像はズグロカモメと海岸に群生するシチメンソウ。

 

 

この日は風が穏やかだった為かカモメ類はあちこちに分散してしまったようです。

 

ソリハシセイタカシギは前日と同様で残念ながら近くで見ることができず・・・

 

 

私にとって滅多に見られる鳥ではありませんし見ることができるだけでも充分なはずですが、過去に良い経験をしているだけにどうしても欲が出てしまいます。

 

ざっと干潟の様子を見渡していると徐々に潮が満ち始めクロツラヘラサギの群れは前進を始めました。

 

 

潮が満ちてくるとハマシギの群れが干潟を乱舞します。

 

 

曾て地元の海岸でもシギチの群れが乱舞していました。

しかし現在はシギチの渡来が激減し、シーズン中に見ることのできる群れはほんの僅か。

 

その様な現実を突き付けられると、この光景がいつまでも変わらずに見られたらと願わずにいられません。

 

 

物思いに耽るようにハマシギの群れを眺めていたところクロツラヘラサギが相互羽繕いをしていることに気が付きました。

 

 

過去に宮崎県でも目にしていましたが、仲睦まじい様子が印象に残っており再び観察できたらと思っていただけに嬉しさも一入。

 

こちらは画像を拡大。

 

 

この時クロツラヘラサギだけではなくヘラサギも相互羽繕いをしており、其々観察できたことは大きな収穫です。

 

 

潮位が上がることでシギチとの距離もだいぶ近くなり双眼鏡で可能な限りチェックを繰り返しているとオオメダイチドリとハジロコチドリが並んでいることに気が付きました。

 

地元では絶対に見られない光景だと喜びカメラを構えた瞬間、群れ全体が飛び立ち撮影は間に合わず・・・

 

群れが落ち着いたタイミングを見計らい再び探してみたところ今度はアカアシシギと行動を共にするオオハシシギを見つけることができました。

 

 

どちらも秋田では珍鳥とされる部類。

特にオオハシシギについては私が野鳥観察を始めて以降、地元での記録は無かったように記憶しています。

 

私にとって初めての観察になりましたが、印象としては想像していたよりもずっと小さな鳥でした。

 

 

和名がオオソリハシシギに似ていることで勝手に大きな鳥を想像していたのでしょう。

この点に関しては勉強不足が否めません。

 

あっという間に満潮の時刻を迎えハマシギの群れは遊歩道を占拠。

 

 

東よか干潟において観察をする際、地元の暗黙のルールとして満潮の時刻はシギチたちの居場所に留まってはならないということを思い出し、このタイミングで海岸堤防へ移動しました。

 

ダイシャクシギの群れも潮位に合わせて居場所を移動したようです。

 

 

堤防から遊歩道を見下ろす形で群れを観察してみましたが、この頃になると逆光状態となりシギチのチェックも一苦労。

 

ツリスガラの捜索を前にクロハゲワシの様子も気になったことから東よか干潟での観察はここまでとしました。

 

 

干潟での観察を振り返ると前日は強風の影響を受け観察には不向きと思いましたが、蓋を開けてみると穏やかな天候の方が鳥の動きは控え目でした。

 

たった2日間の観察で確定的なことは言えませんが、干潟での観察はある程度風が吹いている方が良いのかもしれません。

 

 

さて気になるクロハゲワシは干潟で観察を行っている間に飛んでいたようで、少し離れた農地に移動していました。

 

相変わらずのんびりとした様子でしたがファインダーを覗いた瞬間、何かを警戒するような素振り。

 

 

首を伸ばすような姿勢に一体何を警戒したのかと思えば、農家さんが無造作に歩み寄っていました。

 

 

流石のクロハゲワシも距離を置きたかったのでしょう。

水路を隔てて一つ奥の農地へ移動。

 

 

背面でしたがこのタイミングでようやく飛ぶ姿を画像に残すことができました。

重々しい動作と大きな翼はとても印象に残っています。

 

 

この後ものんびりとした時間が続きあくびをする瞬間も画像に残すことができたのでこちらは画像を拡大。

 

 

天高く宙を舞う姿を見たいと思い暫く眺めていましたが、それは叶いそうにもありませんでした。

時間は有限、ツリスガラを探すためクロハゲワシの観察はここまで。

 

 

制限時間内にツリスガラを見つけ出さなくてはと車を移動させて間もなくトラクターがクロハゲワシに接近。

 

「飛び立つのでは?」と思い慌ててカメラを構えましたが、やはりクロハゲワシは動じることはありませんでした。

 

 

角度的に離れているように見えますが、実際はクロハゲワシの目の前までトラクターが接近しています。

トラクターに乗った農家さんはスマホでクロハゲワシを撮影していました。

 

ここで見切りをつけてツリスガラの捜索へ。

 

川沿いの葦原を中心にあちこち探し回りましたが姿も見えなければ鳴き声も確認できず・・・

 

制限時間を過ぎても尚、最後の悪足掻きと捜索を続けたものの遂に見つけることができないまま今回の観察旅行は終わりを迎えました。

 

 

時間をオーバーしたことにより空港ではドタバタ劇。

顔面が蒼白するほどの慌てぶりでしたが事故に遭うこともなく全日程を無事に終了し佐賀空港を後にしました。

 

 

 

 

私が佐賀県を後にした翌日、地元紙でクロハゲワシの渡来が報じられたようです。

 

記事によると体調に問題を抱えているとのことでしたが、実際のところどうなのでしょう。

目の当たりにした者としての感想としては判断がとても難しい鳥だと感じました。

 

その後12月11日には佐賀県から姿を消し翌12日には同個体と思われるクロハゲワシが山口県下関市を通過する姿が観察されたようです。

今後国内を迷行する可能性もあり何処かの地域で観察されるかもしれません。

 

動物の死骸を餌とする生態から日本で越冬するには問題も多いと思いますが元気に過ごしてくれることを願っています。

 

 

相性の悪いツリスガラはまた来年..

 

長くなってしまいましたが2021年 野鳥観察の旅 in 長崎県&佐賀県はこれにておしまいです。