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2021年5月2日

 

 

 

 

今回の日記はコマドリの観察記ならぬ撮影記。

 

社畜の私もようやく大型連休に突入しましたが、今年の大型連休は安定して晴れる日が見込めず観察には生憎の天候が続くようです。

今日も目まぐるしく変わる天候のなかフィールドを回ってきましたが連休中の様子は後日ゆっくり更新するとして、今日は昭和の日に撮影したコマドリのお話。

 

 

例年4月中旬~下旬にかけて夏鳥として渡来するコマドリが秋田県に到着します。

 

繁殖期は亜高山帯の笹藪などに潜むコマドリですが渡来して間もなくは山の麓や低地の公園などでも姿を見ることができ、この僅かな期間がバードウォッチャーにとって観察のチャンス。

 

今季は今までと違った観察を多く取り込もうと考えていたことからコマドリの観察は予定していなかったものの、天候が今一つであったことから急遽予定を変更して遅ればせながら私もコマドリの観察へ。

 

 

昭和の日ともなると低地で見られていた個体も亜高山帯へ移動を始める頃であり、空振り覚悟でしたが観察場所に着いて5分も経たないうちに姿を確認。

 

幸先の良いスタートで後は開けた場所に出てきてくれることを願ってひたすら待つのみ。

 

 

待つこと2時間。

やっとの思いで出てきてくれたコマドリは一瞬で笹藪の中へ・・・

 

 

あっと言う間に姿が見えなくなりました。

その後は微かに囀りが聞こえるだけで全くと言っていいほど姿を現しません。

 

待ち惚けの時間が続き、不意に現れるのはミソサザイのみ。

 

ピントは目に合っていますが近過ぎることで尾羽どころか足もボケてしまいます。

 

 

手を伸ばすと届いてしまいそうな位置を動き回ることも多く、こんな時はズームレンズに利便性を感じました。

 

単焦点の望遠レンズではこういったシチュエーションに滅法弱い。

構図を作るには自ら後退する他なく、だからと言って下手な挙動を見せると驚かせてしまいます。

 

 

小さなミソサザイが大きくなり過ぎてしまいせっかくの可愛らしさが伝わりません。

 

動き回る野生動物が相手とあって理想通りの写真を撮らせてもらえる機会はなかなかありませんが、できることであればこれくらいのサイズで撮ることができたらと考えています。

 

 

撮影に関してのお話はほどほどにしてチョロチョロと動き回るミソサザイを見ていると羽虫を捕まえて移動することが多く子育てに大忙しな様子でした。

 

 

同じところを出入りしていたので営巣場所が直ぐに分かってしまいましたが、人を警戒せずに出入りをするあたり、こちらで暮らす個体は人間に対して怖い思いをしたことがないのでしょう。

 

そのDNAが受け継がれることでまた同じように人の足元をチョロチョロと動き回る個体が生まれるのだと思います。

 

 

肝心要のコマドリは依然として姿を見せない時間が続き、やっとの思いで見つけてもこの様な状態。

 

こちらの写真にしっかりとコマドリが写っています。

 

 

望遠レンズで撮影してもこの状態なので現場では間違い探しと言っても過言ではありません。

 

画像の一部を拡大した上でコマドリが分かりやすいようにコントラストを引き明るさを少し上げてみました。

 

 

この様に加工することでしっかりとこちらの様子を伺っていることが分かります。

 

表立った場所に姿を現すこととは違い、これが本来持つコマドリの生態なのではないでしょうか。

そういった意味では一番コマドリらしい写真なのかもしれません。

 

その後も“コマドリらしい”写真を量産。

 

 

長時間やきもきする時間が続いていたところ藪の中を移動していたコマドリが急な岩場へ躍り出てきました。

 

ずり落ちそうながらも踏ん張りながら岩場を移動する姿を捉えた画像がこちら。

 

 

以前の観察でも垂直に切り立った岩場へ移動し苔に掴まりながら採餌する姿を目にしていましたが足の力は相当強いようです。

 

岩場を離れるとそそくさと移動して再び藪の中へ。

 

 

表立った場所では鮮やかに見える羽色も少し場所を変えただけで途端に目立たなくなり、一見派手なよう見えて実際は自然に溶け込む羽色をしていることが見て取れます。

 

結局この日は目立った場所にほとんど出てくることはなく、予報通り13時を過ぎた頃に雨が振り出し観察は終了となりました。

 

 

ミソサザイに関しては色んな場面を観察することができたもののコマドリについては撮影もすらままならず、やはり今回は一足遅かったようです。

 

 

業を煮やした私が大きく移動することで例年と同じような写真を数カット撮らせてもらうことはできましたが、誰が何処で撮っても同じような画像になってしまい、距離や構図に関して課題の残るものになってしまいました。

 

観察には程遠かったこの日、唯一のチャンスを棒に振ってしまった残念な画像を掲載して本日の日記を終わりたいと思います。

 

 

おしまい。