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2021年6月13日

 

 

 

 

今回の日記はアカアシチョウゲンボウの観察記。

 

アカアシチョウゲンボウは日本へ数少ない旅鳥として渡来し、春と秋の渡りの時期に各地で記録されているようですが統計的には春の記録が多いようです。

 

中国東北部や朝鮮半島北部で繁殖し、冬季はアフリカ南部へ渡り越冬するそうで、日本には一部の個体が移動の途中に立ち寄っているものと思われます。

 

個人的な記録としては2018年・2020年と過去に2回観察することができ、いずれの記録も共通するのが5月下旬頃。

 

 

過去の日記にも記載した通り、この時期に本県を通過しているものと考えられます。

 

本県に渡来すると約1週間~10日ほど滞在したのち移動するようですが、このタイミングを狙って探すと定期的に観察できるのではと思い今季もアカアシチョウゲンボウを探してみることにしました。

 

 

5月第4週の日曜日頃に渡来を予想していましたが、この日は山間部で観察を行っていたため第5週の日曜日に捜索。

 

アカアシチョウゲンボウは開けた農耕地を生息環境としており、電線に止まることが多いことから思い当たる場所を注意深くチェックして回ると運良く発見。

 

 

今回確認できたのは雌。

 

昨年観察できた個体は雄であったこともあり、雌雄による違いや個体による性格の違いなどじっくりと観察してみることに。

 

先ず初めに感じたのは警戒心の違い。

 

 

アカアシチョウゲンボウは他の猛禽に比べると格段に観察しやすい印象はありますが、昨年観察できた個体に比べると警戒心はやや強め。

 

車に対しての警戒心は見られませんでしたが、農作業に従事される農家さんに対しては一定程度の距離を保ってるように見受けられました。

 

剥き出しの身で距離が縮まると飛んでしまいます。

 

 

暫し観察することでこちらの個体との距離感が掴めたので、次に着目したのは採餌の様子。

 

アカアシチョウゲンボウはチゴハヤブサと同様に飛んでいる昆虫をフライングキャッチすることの多い鳥ですが、昨年観察できた個体に関しては地面に降りてカエルを捕食することがほとんどでした。

 

 

今回の個体は一体どのような行動を見せるのか。

 

電線で獲物を物色する様子を動画撮影してみました。

※終始電線に止まっている姿なのでこれといった映像は含まれておりません。

 

 

電線から不意に飛び立つと少し離れた場所に移ったり、時には地面に降りる姿も見られましたが獲物となっている生き物はカエルではないようです。

 

狩りの失敗が多く想像するような捕食シーンを見ることは出来ませんでしたが、唯一見ることのできた場面を拡大して掲載。

 

 

フライングキャッチをして捕まえたのは緑色を帯びた甲虫類のようでした。

 

この日は西風が強く時々雨が降ったり日射しが差し込んだりと変わり易い天候で、撮影した画像は曇天空抜け画像のため写真がいまいちパッとしません。

 

獲物に関しても色が何となく分かる程度で、詳しいところまでは見て取ることができず・・・

 

 

少しでも羽色を忠実に近い状態で撮影できたらと考え、電柱を背景に被せてみたりと四苦八苦。

 

アカアシチョウゲンボウに合わせて撮影すると空が変に白くなってしまいますし、空に合わせると被写体が暗くなってしまったりと撮影に関しては難儀させられました。

 

 

撮影に関しての話はひとまず置いといて、観察当初から気になる点が一つ。

 

こちらの個体は外側尾羽がかなり傷んでおり、磨耗が激しく原型を留めておりません。

 

中央尾羽だけは綺麗に換羽しているようですが、尾羽の傷みが酷いせいかホバリングをしての狩りは少ないように思えました。

 

 

ホバリングをする機会は少なかったものの私の頭上近くでその姿を見せてくれることがあり、その時ばかりは嬉々として連写。

 

 

しかし曇天空抜けが恨めしい・・・

 

 

この日の観察は正午過ぎから夕方まででしたが、これといって変わった行動は見られずほとんどの時間は電線に止まっている姿を眺めているだけでした。

 

観察を振り返ってみると狭い範囲で行動していたため渡来して然程経っていないものと想像しましたが、移動するタイミングは一体いつになるのか。

 

過去の観察例から考えてみると移動日が近くなると行動範囲が広くなる傾向があり、どのタイミングで抜けるのか気になります。

 

 

 

この日の観察から2日後の6月1日、仕事先が観察場所の延長線上にあり、仕事を終えてから立ち寄ってみたところ初認の時と全く同じ場所に止まっている姿を確認できました。

 

 

この日の午前中、鳥友さんが朝一番で観察していたところ姿を消してしまったそうで、抜けてしまったと思っていただけに嬉しい再会です。

 

更に初認日に比べるとうっすらと青空の見えるお天気だったので撮影できた写真も一味違うものになりました。

 

 

運良く再会することはできましたが、一度姿を消したという事実から秋田を離れる日は近いのかもしれません。

 

そう思うと色んな場面が見たくなり欲が出てしまいます。

 

私の気持ちを察してくれたなんてことはありませんが、このタイミングで頭掻き。

 

 

一連の動作といった感じで伸びの姿も見せてくれました。

 

 

伸びをしたあと急に落ち着きが無くなり何かを見つけた様子。

直後に電線を飛び立ったので、この日の観察はここまで。

 

職場へ戻る時間を考慮しての観察は気持ちにも余裕が無く約30分程度の観察でしたが、非常に濃厚な時間を過ごせたと思います。

 

 

今回の確認で3回目となりましたが定期的に本県を通過していることが裏付けられたと判断してもよいのではないでしょうか。

 

データを積み重ねることによってより一層正確なものが得られると思うので来年も同じ時期にアカアシチョウゲンボウを探してみたいと思います。

 

 

本日の観察日記はここまで。