メールはこちらから

 

 

X (旧Twitter)はこちらから

 

 

2021年7月12日

 

 

 

 

今回の日記はチゴモズの渡来状況について。

 

日本では夏鳥として見られるチゴモズですが、生息地が局所的であることから観察できる機会は限られているようです。

 

生息環境の悪化または消失により個体数が減少傾向にあり、各地で行われている調査報告においても環境の保全が急務であると言われていました。

 

 

その様な状態を鑑みて、ここ数年は本県への渡来状況を把握するため個人的に調査を行っています。

 

しかしサンデーバーダーの私が行っているものなので調査には限界があり、データとしては正確性に乏しく実数を把握することは出来ませんが将来何かの役に立つ日が来るかもしれません。

 

そのような思いで今季も5月中旬頃から観察の合間に調査を行いました。

調査方法としては県の北部地域~南部地域まで縦断する形で繁殖が見込まれるような場所を巡回するものになります。

 

尚、今回の日記では調査中に撮影した画像をランダムに掲載します。

 

 

本県で渡来が確認できるのは例年5月下旬頃ですが、今年は渡りが早まったようで隣県の離島である飛島では5月上旬に渡来が確認されていました。

 

そちらの情報を参考に探してみたところ5月16日に今季初確認。

 

チゴモズの渡来は雄が先行する形で、渡来して間もなくは高い場所に止まり『ギチギチギチ』と鳴き声を発し雌を呼び込みます。

 

 

そのため渡来当初の雄は比較的容易に見つけることができますが、ペアが形成されるとひっそりと暮らすことが多く次第に見つけ難くなってしまいます。

 

なかには幾ら場所を移動してもペアを形成できない個体もいるようで“溢れ雄”としてシーズン中は独身で暮らす雄も。

 

 

ペアが形成されると雌雄が追い掛け合うようにして行動することが多く、営巣場所の選定をしているような姿が見られます。

 

 

毎年同じ場所に渡来する個体は縄張り意識が強く、余所者の雄を排除するように追い掛け回す姿も見られました。

 

 

こちらの個体は求愛給餌の合間に水浴びをして一休み。

体を震わせ水分を飛ばします。

 

 

水分を飛ばした後は入念に羽繕い。

羽のメンテナンスは欠かせません。

 

 

営巣場所が決まり巣材を運ぶようになると巣はあっという間に完成します。

雌が卵を産んで抱卵するのはおよそ2週間。

 

巣内での育雛期間も2週間ほどで巣立ちを迎えます。

 

 

巣立ちを迎えた雛たちは暫く巣のそばで暮らしますが徐々に行動範囲は広くなり、8月にもなると観察はかなり難しくなるというのが一般的のようです。

 

そのため私はチゴモズがどのタイミングで越冬地を目指し移動を始めているのか分かりません。

 

 

今季の調査結果は暫定的ではありますが以下の通り。

 

県北・3ペア

県央・5ペア 独身雄1個体

県南・2ペア 独身雄2個体

 

 

冒頭にも記載した通り、限られた時間のなかでの調査であることから正確性には欠けてしまいますが、今季もある程度の個体数を確認することができました。

 

 

一つのペアに的を絞り継続的に観察すると繁殖状況を詳しく見ることができますが、私が観察することで繁殖に不具合を及ぼしては元も子もありません。

 

そのため調査はあくまでも渡来数の確認というところに留め、今季の調査を終了としました。

 

 

今後も本県を故郷とするチゴモズが減少することのないよう、無事に繁殖し個体数が維持されることを願っています。

 

 

 

おまけ

 

調査中は様々な鳥を見かけましたがその中からサンコウチョウの雌雄とブッポウソウの画像を1枚ずつ。

サンコウチョウは枝葉の混んだ場所を素早く移動するので撮影は難儀させられます。

 

 

ブッポウソウは見晴らしの良い枯れ木に止まりフライングキャッチで昆虫を捕食していました。

確認できた場所は繁殖するような環境ではなかったことから移動の途中の個体だったようです。

 

 

本日の観察日記はここまで。