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2021年9月26日

 

 

 

 

本日の日記は今月5日の観察分から。

 

かれこれ2ヶ月以上ジシギの観察を続けていますが、同時に進行していたのがシマセンニュウの観察。

 

観察といっても潜行性の鳥であることから見ること自体が難しく、運頼みの観察と云っても過言ではありません。

 

繁殖地である北海道では盛んに囀りも聞かれ容易に観察できましたが、秋田で見られるのは渡りの季節に限られるため観察難易度は格段に跳ね上がってしまいます。

 

今回始めに掲載するのは北海道で撮影できた個体から。

 

 

渡り鳥である以上、春と秋には本県を通過していることは確かなのですが、この様に観察することは難しいと考え北海道で観察を行いました。

 

 

話は昨年9月13日に遡り、頂いた情報を基にオオヨシゴイを観察していたところ畔にひょっこり出てきたのがシマセンニュウ。

 

正に棚から牡丹餅といった具合いで観察することができ、その後の観察ではマキノセンニュウも同じ条件で観察することができました。

 

この観察をきっかけに秋季には稲刈り前の田んぼにシマセンニュウとマキノセンニュウが潜んでいることが判り、今季もこの時期を楽しみに待っていたというのが観察の流れとなります。

 

 

今季の初認は8月22の日曜日。

更に翌週も確認できましたが証拠写真すら残すことはできませんでした。

 

見るだけでも難しい鳥を撮影となると一筋縄ではいきません。

 

初認から二週間経った9月5日、ジシギを観察するため農道でStop&Goを繰り返していたところ、畔に一瞬出てきたシマセンニュウを目撃。

 

 

このチャンスを逃すまいと暫く待ってみたところ・・・

 

 

撮影できれば御の字のシマセンニュウとあって無心でシャッターボタンを押しました。

畔に出ていた時間は10秒も無かったでしょうか。

 

 

それから20分ほど待ったところで再び姿を見せてくれましたが初認時に比べるとやや距離は離れてしまい、この時は体を反転させると直ぐに稲穂の中へ。

 

 

稲穂の中ではどの様な行動をしているのか見当もつきませんが、ガサゴソと動き回る姿は鳥とは思えず、まるでネズミでも見ているかのようです。

 

 

2回目の登場から1時間以上待ってみたものの一向に出てくる気配が無かったことから別個体、またはジシギが見られたらと考え農道を移動。

 

移動を始めて間もなく出会い頭に遭遇したのはタシギ。

 

あまりにも近かった為、スマホで撮影してみることに。

 

 

スマホで撮影した画像は画角が広いため距離が離れているようにも見えますが、この画角でジシギを撮影することは通常考えられません。

 

非現実的な話ですが畔にブラインドを張って粘ると撮れるかもしれない、その様な写真です。

 

同じ位置から望遠レンズで撮影した画像がこちら。

 

 

撮影するには適当な距離ではないことから少し後退したいと思いましたがタシギは硬直状態。

姿勢から警戒ではなく緊張していることが読み取れます。

 

不用意に動くと飛ばしてしまうことは必至。

 

こちら側から接近した形で距離が縮まると大抵は飛ばれてしまいますが、稀にこの様なこともあるのでタシギの緊張が解けるまで待ってみることにしました。

 

 

30分ほど経ったところでタシギに少しずつ動きが見られ、撮影するにあたって適正な位置まで離れてくれたことから撮影を兼ねて観察を開始。

 

 

頻りに上空を気にしているようでしたが、私の位置からは何を気にしていたのか見て取ることはできず。

 

おそらく猛禽を気にしていたものと想像しますが、暫くすると緊張と警戒が解けたようで採餌を始めました。

 

 

2ヶ月以上もの間、非タシギばかり見ていたせいか久しぶりにタシギを観察すると異彩を放っているようにも感じます。

 

羽の特徴や体のバランスも然ることながら、特にインパクトが強かったのは体の小ささ。

 

 

大きく撮った画像からはサイズ感を伝えることは難しく活字でも伝えることはできませんが、オオジシギに比べると圧倒的に小さく感じます。

 

特大のミミズを引っ張り上げたタシギは一度で飲み込むことはできないと判断したのか、執拗に突っつき3分割にしてミミズを飲み込んでいました。

 

 

捕食後は他のジシギと同様に動かなくなる時間帯もありましたが、その後もミミズを探して辺りをウロウロ。

 

特に距離は離れることなく、お気に入りの場所だったのか同じような場所で観察を継続することができました。

 

 

識別の要となる尾羽の撮影に関してはタシギであることが分かっている為ファインダーを覗き続ける必要はありません。

 

目に優しい観察をしていたものの伸びをした瞬間は反射的についつい連写。

 

 

片足を後方に伸ばしながら翼を広げ、反対側の足と翼のストレッチが終わると次に見ることができるのは翼下面。

 

非タシギばかり見ていたせいか随分と白く感じます。

 

 

伸びを終えたところで採餌を再開したタシギでしたが、一定程度食べて満腹になったのか嘴を脇に挿し込み寝る姿勢になってしまいました。

 

 

この状態ではいつ動き始めるのか分かりません。

 

移動を余儀なくされた形となってしまいましたが、せっかく休んでいる所を警戒させてしまうのも悪いので先ずはエンジンを始動して様子を見てみることに。

 

エンジン音を一瞬気にする様子が見られたものの直ぐに寝る姿勢へ戻ったことから、じわりじわりと後退してその場を上手く離れることができました。

 

 

その後、お目当てのシマセンニュウを見ることができたのは数時間後。

 

 

かなり距離が離れており正に証拠写真といった具合になってしまいましたが、次に姿を確認できた時には更に距離は離れてしまい証拠写真の撮影もままならない状態に。

 

 

結果としてこの日フィールドを巡回して確認できたのはトータルで4回。

 

12時間も外に居て見ることができたのはたった4回という結果を良しとするかは価値観の違いで人によって大きく異なることでしょう。

 

この様に見ること自体が難しい鳥であるため行動という部分はなかなか見ることはできませんが、懲りることなく観察のチャレンジを続けていきたいと思います。

 

 

本日の観察日記はここまで。