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2022年1月17日

 

 

 

 

今回の日記は先月31日、大晦日の観察分から。

 

クリスマス寒波が襲来した翌日、本県は気温が急上昇。

雪は雨へと変わり降り積もった雪が融け始めると27日に日付けが変わった頃から急激に気温が下がり厳しい冷え込みとなりました。

 

風の強い状態は依然として続き断続的に雪も降っていたことから暴風雪警報が発令される大荒れのお天気。

そんな悪天候のなか、強風に煽られながら海沿いを南下するガンの群れを多数目撃しました。

 

翌28日には内陸のルートを南下するガンの群れも見られ、大潟村周辺で越冬している個体群は相当数移動したようです。

 

この様子から大潟村周辺の環境が著しく悪化していることを容易に想像できました。

 

 

年の締め括りは大潟村周辺の環境がどのような状態にあるのか観察を兼ねて確認してみることに。

始めに目にしたのは完全結氷した八郎潟調整池。

 

 

画像は見事にピンボケですがこの時期に結氷した記憶は久しくありません。

※太陽光の反射で目が眩みピンボケに気づいたのは帰宅してから..

 

例年であれば今時期、1月中旬~下旬になると結氷しますが間もなく目にしたのはガチガチに凍りついた水田でした。

 

ガンにとって大事な採餌場所である水田は雨が降った後の急激な冷え込みによりスケートリンク状態。

多少の積雪であっても雪を掘るようにして採餌をすることはできますが、流石にこの状態では餌を採ることができないでしょう。

 

 

そんな環境の変化により大潟村周辺は蛻の殻。

多くのガン・カモ類は大潟村以南の地域に南下してしまったようで閑古鳥が鳴いていました。

 

鳥がほとんど見当たらない状況に呆然としてしまいましたが、毎年渡来しているオオワシが気になり確認してみたところこちらは残留を確認。

 

 

居合わせた方のお話によると前日は弱ったハクチョウを捕食していたとのことでした。

 

ハクチョウが弱っていたと聞くと鳥インフルエンザの心配もありますが、現在までオオワシに特段の変化はなく体調には問題なさそうです。

 

オオワシを眺めているとオジロワシが飛来。

 

 

今季はオオワシとオジロワシが並んでいる場面も多く、最大で何羽のワシが同じ木に止まるのか楽しみにしていたのですが、獲物にありつけない状況が続くと場所を移動してしまうかもしれません。

 

前日に大物を捕食したことで腹が満たされていたのか飛び立つような気配は全く見られず。

 

置物のように動かないオオワシを横目に周辺の柿の木へ飛来する小鳥たちを観察。

 

頻繁に柿を食べに来ていたのはメジロの群れでした。

 

 

天然の柿シャーベットは人間目線でも美味しそう。

 

厳しい環境において熟した柿の実は小鳥たちにとって大事な食料源。

 

 

本県には人が手をつけることのない柿の木が沢山あり、観察の難しいこの時期に突っ立っているだけでも群がる鳥を見られる柿の木はバードウォッチャーにとっても有難いものです。

 

可愛らしいメジロたちを蹴散らすように現れたのはシロハラ。

 

 

定期的に現れては我が物顔で柿の実を食べていました。

 

 

この他にヤマガラ、ヒヨドリ、カケス、ムクドリも柿の木へ飛来していましたが、周辺ではレンジャクの声も確認。

今季初観察を期待しましたが、レンジャクに関しては残念ながら姿を確認することはできず。

 

少数ながらホシムクドリも目にできたことから群れで行動していたホシムクドリたちが気になり、どの様に過ごしているのか見に行ってみたところ群れは分散傾向にあるようでした。

 

 

僅かに露出した地面で餌を探す様子が見られ、なかには樹木の根元で採餌をしている個体も。

 

どの鳥も厳しい環境のなかで逞しく過ごしていたようです。

 

 

温く生きる私は簡単に食料を調達できる最寄りのコンビニへ。

 

コンビニに着くとミヤマガラスがいっぱい。

警戒心の強いミヤマガラスが人の気配が多いコンビニに群れているのは初めて見ました。

 

 

ゴミを漁ることのないミヤマガラスが何故コンビニに集まっているのか気になり暫し観察。

 

これも度重なる悪天候の影響によるものなのかと行動を注視していたところ、除雪された駐車場に雪融け水を飲みに来ていたことが分かりました。

 

 

田んぼで採餌をしている時には車を止めただけで飛び立ってしまうミヤマガラスも、この時だけはハシブトやハシボソを見ているかのようです。

 

近い距離であるからこそ見ることのできたミヤマガラスの柔らかい顔つき。

 

 

陽射しが照り付けると紫色に見える金属光沢を画像に残すこともできコンビニでの観察はとても楽しかった反面、周囲の目はとても冷ややか。

 

 

普通に考えると『カラスなんか撮って何してんだ?』となるのでしょう。

しかし私にとってはまたとない機会。

 

齢を重ねた個体ほど嘴の基部が白化するといった特徴や成鳥と幼鳥との違いなど、この日一番時間を割いて観察を行いました。

 

 

ミヤマガラスの観察を終えた後は細々と暮らすガンの群れの捜索へ。

 

ここまで観察を行ったエリアは私の車(ジムニー)でも進入の厳しい場所が多く捜索は限定的。

 

雪深い農道へ無理矢理入ったところでガンの群れは確認できません。

可能な範囲で探してみたところ雪の少ないエリアがあり、僅かに残ったヒシクイの群れを見ることができました。

 

 

こちらの場所は地形的に雪が少ない状態で経過していたようです。

休んでいる個体が多かったのでスナップ程度に撮影をさせてもらったところで海沿いへ。

 

暫く海も荒れていたせいか漁港ではクロガモが複数見られました。

 

 

太陽の力を借りなければ目を写すことができなかったことから、雲の隙間から陽射しが出たタイミングで撮影。

 

陽射しがあればあったで変にギラギラした写真になってしまい思うようにはいきません。

 

 

採餌の様子を観察できればよかったのですが観察している間は波に揺られる時間が続き2021年の観察はこの様にして幕を閉じました。

 

「ガンの群れは一体いつ戻ってくるのか、そして年明けからの観察はどの様にするべきか」

 

そんなことを考えつつ観察納めを終えて帰宅の途につきました。

次週から年明けの観察分を更新します。

 

本日の観察日記はここまで。