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2022年 野鳥観察の旅 in 鹿児島県 ②

 

 

2022年1月23日

 

 

 

 

前回の続き。

 

私にとって二度目の訪問となった出水市のツル飛来地。

 

日程初日は万羽ツル(マナヅル・ナベヅル)の中から今季の目玉となるソデグロヅルの他、カナダヅルとクロヅルを捜索。

 

 

時間が限られていたこともありソデグロヅルとカナダヅルの観察については及第点。

 

クロヅルに関しては時間内に「これだ!」と言える個体を見つけることができず消化不良のまま初日の観察を終えました。

 

 

日程2日目は早くも最終日。

 

「ちょっと鹿児島に行ってきた」というショートスケジュールの為、秋田までの乗り継ぎを考えると昼頃には出水市を離れなければなりません。

 

時間は有限。

少しでも有意義な内容にしたいと考え夜明け前に宿を出発しました。

 

とは言っても秋田の感覚と比べると夜明けがかなり遅く、7時頃になって「ようやく明るくなってきたかな」と思えるほど。

6時台はまだ真っ暗闇です。

 

 

7時半頃にツル観察センターへ到着すると四方八方から給餌場に集まる群れの様子が見られ、その様子はスマホで動画撮影してみることに。

 

 

映像を見ての通り飛来地は雨雲に覆われ観察には生憎のお天気。

 

今までの旅行を振り返ってみるとお天気に恵まれることが多かっただけに、運で考えるとこの様なこともあって当然でしょう。

 

この日はツリスガラを主体としてツル以外の野鳥を観察しようと決めていたことから様々な環境に目を配り探鳥を楽しむことにしました。

 

始めに目にしたのはコクマルガラス。

 

 

画像は成鳥ですが鳴き声を耳にする頻度からミヤマガラスの群れには幼鳥が相当数混ざっていることが伺えました。

 

 

意外な発見だったのはニュウナイスズメ。

 

 

九州の旅で目にしたのは初めて。

今まで単に気付かなかっただけかもしれませんが群れの規模からして個体数は多いようです。

 

こちらは何処の地域でも季節を問わず見られるオオバン。

しかし秋田のバードウォッチャーにとっては斬新なシーン。

 

 

秋田では水辺以外の場所で見られるケースが少なく田んぼで採餌をしている姿はなかなか見られません。

 

例え普通種であっても地域性の違いを観察するのは面白いものです。

 

 

水辺で見られたのはツクシガモ。

 

 

前回の旅行では佐賀県の東よか干潟で目にしていましたが観察というところまで至らなかったことから、こちらは少々時間を割いて観察。

 

 

逆立ちをするようにして採餌をする姿を見ることができました。

 

 

またこちらではハマシギの群れも少数見ることができましたが、この頃から雨足は強まる一方。

 

 

雨だけではなく風も強まり風向きを考えなければ車の窓を開けられないほどに..

 

田んぼで採餌をしていたイソシギは警戒心が皆無といった様子でピント合わせが出来ないほど近寄ってくる場面もありました。

 

 

地域柄タヒバリの個体数が多く至るところで見ることができ、ちょっと気になったのはこちらの個体。

 

 

撮影条件により色が濃いめの画像になってしまいましたが、実際の見た目は明らかに他の個体よりも色が淡く違和感を覚えました。

 

 

しかし胸の斑模様や翼帯など特徴はタヒバリそのもので個体差の範疇のようです。

 

田んぼの中を駆けて移動することもあり、何をしているのかと思えばクモを追って捕食していました。

 

 

タゲリもあちこちで見られましたが、地元を含め他の地域と比べると警戒心の緩い個体が多いと感じさせられました。

 

これも地域性による違いなのでしょうか。

 

 

時間の経過と共に雨足は更に強まり観察不可といった状態に..

 

車の屋根を打ち付ける雨音が煩くツルの鳴き声を書き消すほど。

様々な野鳥を横目にしながら探していたツリスガラも流石に諦める他ありませんでした。

 

小鳥たちもブッシュの中へ避難したようで目にできるのは体長の大きな鳥やカモ類のみ。

 

 

そんな折、目にしたのは飾り羽が伸長しているヘラサギでした。

 

一瞬だけ窓を開けて撮影した画像です。

 

 

過去の観察経験を振り返ってみると飾り羽が伸長している個体を見たことがなく、私にとっては目新しいものでした。

 

またこちらの近くでは群れるヘラサギを発見。

 

 

風雨を堪え忍んでいるようで風向きによって姿勢を変えるといった行動が見られました。

 

嘴の特徴が各々異なり幼鳥と成鳥が混ざった群れであることが見て取れます。

 

 

別角度からも撮影。

 

 

雨風の強い状態は依然として続き、この時点で残された時間はあと僅か。

 

闇雲に移動して時間を消費するよりならばと、時間の許す限りソデグロヅルの観察をすることに。

 幸い前日と同じ場所で採餌をしていたことから探すまでもありませんでした。

 

周囲に飛来したミヤマガラスを追い立てる様子。

 

 

独占欲が強いのかジャイアンを思わせる行動は前日と変わらず。

 

 

車内から観察を続けていると前方からこちら側へ飛んでくるチョウゲンボウが見られ、勢いよく飛んできたことから「ぶつかる!」と思った瞬間..

 

驚いたことにチョウゲンボウは車のボンネットに着地。

 

観察中にハクセキレイが車の屋根をトコトコ歩くようなことはたまにありますが、猛禽類が車に止まったのは初めての経験でした。

 

即座に車内からスマホで撮影しようと思いましたが、私の借りたレンタカーはボンネットの形状が急勾配でチョウゲンボウは滑り落ちるようにして付近の杭に移動。

 

残念と思いつつもボンネットに止まることを考えると警戒心がおかしなことになっている個体だと判断し、杭に車を横付けする形で撮影してみることに。

 

想像通りの個体でした。

 

 

カメラを構える動作にも動じることはなく、チョウゲンボウは我関せずといった様子で獲物を物色。

 

この時の撮影機材がAPS-Cであれば顔のドアップ写真になっていたことでしょう。

 

長く観察を続けていると色んなことがあるものです。

 

肝心のソデグロヅルは強雨でもお構い無しに採餌を続けており、合間には丁寧に羽繕いをする様子が見られました。

 

こちらは画像を拡大。

 

 

尾脂線がかなり発達しており大きく突起していました。

嘴で挟み込むようにして分泌液を搾っている様子。

 

嘴に付着させた分泌液を羽に擦り付け撥水性を高めているようでした。

 

 

羽繕いの様子を眺めていたところでタイムアップ。

 

前回の旅行では観察地と空港が近かったこともあり搭乗時刻ギリギリの行動でしたが、今回は空港までの移動距離も長く余裕を持って出水市をあとにしました。

 

振り返ると正味一日程度の観察でしたが、限られた時間のなかで楽しい時間を過ごすことができたと思います。

 

 

またしてもツリスガラを見ることは出来ませんでしたが、これでまた九州での観察を楽しむ理由付けができました。

 

来季はツリスガラを観察するためだけに足を運ぶことになりそうです。

 

 

それまでにコロナが収束していることを願い2022年 野鳥観察の旅 in 鹿児島県はこれにておしまいです。