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2022年4月30日

 

 

 

 

本日更新する日記は地元を離れ旅先での出来事を綴る観察旅行記。

 

 

今回の目的地は私にとって足を踏み入れてはならなかった禁断の地。

村の言い伝えで『あの場所へ行くと生きて帰れぬ』と代々云われていた..と言うことはありませんが、勝手に行くまいと決めていたのは山形県の飛島。

 

 

毎度言ってる通り地元を離れての観察はその土地で見られる固有種を目的としたもの。

近年は有名な観察地巡りの面も出てきましたが珍鳥を目的とした旅行は私のポリシーに反します。

 

渡り期に見られる珍鳥は地元で探したいという思いから、今まで情報を寄せて頂くことがあっても珍鳥目当てに地元を離れたことはありませんでした。

 

 

今まで頑なに拒んできた珍鳥目当ての旅行でしたが、今回はいつも秋田へ遊びに来てくださる客人の要望から話は始まりました。

 

飛島での観察に同行をお願いされたものの飛島では先輩がガイドをしています。

先輩は地元の山形県や飛島を中心に全国各地でガイドをしているベテラン。

 

そこで先輩を紹介する形で一度は丁重にお断りしましたが根負けする形で旅のお供をすることに..

 

 

正直なところ飛島に興味が無かった訳ではありません。

 

隣県ということもあり渡り期には毎日のように情報をチェックしていましたし、秋田で探鳥をするにあたって随分と参考にさせてもらっていました。

 

図らずも禁断の地へ足を踏み入れることになりましたが、飛島は一体どの様なところなのか。

 

鬼が出るのか蛇が出るのか想像すらつかない観察旅行のはじまりはじまり。

 

 

2022年 野鳥観察の旅 in 飛島 ①

 

 

前置きが随分と長くなってしまいましたが旅行というほど大それたものではありません。

 

飛島へ渡るフェリーターミナルまでは自宅から1時間30分の距離。

ちょっとした遠足です。

 

 

初めて飛島へ渡るということもあり記念にと思いフェリーターミナルの外観を撮影しました。

 

 

飛島までの所要時間は約1時間15分とのこと。

 

こちらは船の外観。

 

 

定員230名、約21knotで航行するそうです。

 

船内の様子。

 

 

せっかく船に乗るからには海鳥を見ない訳にはいきません。

飛島航路ではどの様な海鳥が見られるのかと2Fのデッキへ移動してスタンバイ。

 

 

13時45分、酒田港を出航。

 

沖へ出て海鳥の出現を今か今かと待っていましたが、この日はベタ凪だったせいか海を眺めているだけの時間が続き飛島へ近付いてきた頃にようやくオオミズナギドリを確認できました。

 

ちらほらと見られるオオミズナギドリはいずれも距離が遠く、双眼鏡でぼんやりと眺めていたところ不意に船体の近くを飛んだのはウミスズメの群れ。

 

 

咄嗟に撮影しましたが群れは一気に船から遠ざかります。

このウミスズメの群れが唯一の収穫で75分の航路観察はあっという間に終わってしまいました。

 

港へ入港して間もなく目に飛び込んできたのはウミネコの大群。

 

 

港周辺はコロニーになっているようで数えきれないほどのウミネコを見ることができました。

 

 

港では船の入港に合わせ宿の方たちが屋号を記した旗などを掲げて来島者をお出迎え。

そのため迷うことなく宿へ移動することができます。

 

初めての飛島ということもあり港前のマリンプラザを記念撮影。

 

 

ここで飛島へ無事到着したことを先輩へ連絡すると『ようこそ!鳥のいない島へ(^^;』との返信が..

 

 

「鳥が少ないのか..?」と些か心配になりましたが手荷物を整理したところで早速探鳥へ。

 

しかし飛島にレンタカーはありません。

周囲10km程の島ですが徒歩若しくはレンタルサイクル(無料)での移動となるため探鳥は健脚向けのようです。

※マリンプラザには電動自転車が有料でレンタルされていました。

 

島で探鳥をするにあたり右も左も分からないことからフェリーターミナルに掲載されていた地図を頼りに移動を開始。

 

 

赤線を引いた道路は島を一周できる舗装道路。

ノンストップで歩くと所要時間は2時間程度でしょうか。

 

今回は客人が足腰に痛みを抱えていることから舗装道路のみの移動となりましたが、集落の反対側に位置する畑エリアまでは急な坂を登らなければなりません。

 

そこで宿の方のご厚意で畑エリアまで送って頂くことに。

 

畑エリアへ到着すると先輩の言葉に反して鳥が沢山。

 

 

オオルリ、キビタキ、ルリビタキは目線以下の位置で沢山見られ「これでも鳥が少ないのだろうか?」と思わされるほど。

普通種の多さに驚かされます。

 

また鳥との距離が異常に近く、離島ならではとも思わされました。

 

 

これは渡りの途中の個体が立ち寄っているため体力を消耗している状態なのでしょう。

 

目的地へ向かって移動する前に栄養を蓄えなければならないことから人を警戒するよりも餌を採ることに意識が取られているように感じました。

 

 

私は鳥を探す役割りを担っていた為、手当たり次第双眼鏡でチェックをしているとハチジョウツグミと呼ぶには物足りなさを感じる四畳半ツグミを発見。

 

 

この他に夏羽のカシラダカやアトリも多く見られ客人は地域性を感じているようでしたが、離島らしい珍鳥を探していたところムジセッカを発見することができました。

 

 

客人は初めて見たとのことで早速の収穫です。

 

 

地元でムジセッカを探す際には鳴き声を頼りにしていますが、この様に開けた場所へ出ている姿は見たことがなく、これも飛島マジックと言っていいのかもしれません。

 

畑エリアを下りウミネコのコロニーを眺めていると崖の上にはハヤブサの姿が。

 

 

ウミネコたちは怖くないのでしょうか?

 

ハヤブサを見ているとアマツバメの鳴き声が聞こえ、空を見上げてみると小規模な群れが見られました。

 

 

後日先輩から聞いた話によると飛島周辺では少数が繁殖しているとのこと。

 

坂を下って港周辺に辿り着くと集落の道路沿いでコホオアカを発見。

 

 

地元では考えられない状況。

 

 

やはりこの個体も渡りの途中で体力を消耗しているのか人の往来を気にする様子もなく採餌に夢中のようでした。

 

 

こうもあっさりと珍鳥が見られることに驚きを隠しきれませんでしたが、気になるのは集落に屯する野良猫たち。

 

特に港周辺では野良猫が多く見られ、体力を消耗し動きの鈍い鳥はたちまち餌食となってしまうことでしょう。

 

 

あまりにも動きの鈍いコホオアカが心配になりましたが私にはどうすることもできません。

 

港周辺の集落は地元の男鹿半島を思わせる雰囲気で、海岸線に沿って通る道路と集落を抜ける道路が平行しています。

 

集落を抜ける道路はこの様な雰囲気。

 

 

この道路にも鳥が多く、まるでスズメの様に見られるオオルリは正に飛島マジック。

 

 

初日は約2時間程度の探鳥でしたが離島ならではの様子を垣間見ることができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。

 

宿へ着いたところでムジセッカとコホオアカが見られたことを先輩へ報告すると『今、島にいる珍鳥全部見ましたね。明日1便で帰っても大丈夫です(^^;』との返信が..

 

 

冗談はさておき心配だったのは翌日のお天気。

天気予報を確認してみたところ夜から雨が降り始め、翌日は終日雨予報になっていました。

 

悩んでもお天気ばかりはどうにかなる問題でありません。

明日は明日の風が吹くということで気持ちを切り替え初めての飛島に乾杯。

 

 

予報通り夜更けは雨が降り出しましたが翌日の様子は後日更新の日記へ続きます。