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2023年 野鳥観察の旅 in 道東 (2月) ②

 

 

前回の続き。

 

 

2ヶ月連続で足を運んだ冬の道東。

前回の旅は-20℃という極寒の予行演習となりましたが、本番の今回は2℃という気温に拍子抜け。

 

メインイベントに掲げていた流氷クルーズは流氷帯の位置から完全に諦めていたものの蓋を開けてみれば大成功。

 

 

流氷帯へ到達した時は嬉しさが込み上げ言葉になりませんでした。

 

お天気にも恵まれ、穏やかな陽気に包まれ見ることのできた流氷は生涯忘れることはないでしょう。

 

 

2023年2月25日

 

 

日程3日目。

 

旅程として3日目の午前はフリープラン。

 

流氷クルーズが欠航した場合を想定して日程3日目は予備日と捉えていましたが、予定通りに事が運んでいたため宿泊先から最寄りの公園で探鳥を始めることに。

 

こちらはハシブトガラ。

 

 

ひっきり無しに姿を見せますが前回とは様子が異なり忙しない様子。

 

複数の個体が追い掛けあう場面が多く、行動の変化から季節の移ろいを感じることができました。

 

その様ななか比較的ゆっくり見ることができたのはシロハラゴジュウカラ。

 

 

行動パターンが決まっていたこともあり採餌の様子をじっくりと観察。

 

幹から幹へと移動するエゾアカゲラの撮影難易度は高めでした。

 

 

警戒心の強い個体だったように思います。

 

公園の探鳥でお目当てとしていたのはシマエナガでしたが、残念ながら確認できたのは鳴き声のみ。

 

意識して探すと見つからないシマエナガの観察は本当にタイミングが大事だと感じさせられました。

 

 

時間の経過と共に小鳥たちの賑やかさも落ち着き、この後は野付半島へ。

 

知人よりハマヒバリ確認の情報を頂き足を運んでみましたが、天候が急激に悪化し視界の悪い状態が続きました。

 

キタキツネも目を細めるような空模様。

 

 

動ける範囲内で探鳥を続けたものの、やはり天候の影響から捜索は思うように進まず正午をもって断念。

 

野付半島を後にして午後からは鶴居村を目指し移動を始めました。

 

 

約2時間ほどの道のりですが、1月に観察をご一緒させて頂いたモモンガのお兄さんより『エゾフクロウが虚に2羽入っていた』との情報を頂き少々遠回り。

 

2羽と欲張らずとも雪が降るロケーションのなか撮影できればと考えましたが、間もなく現地へ到着といった頃にみるみる天候が回復。

 

結果として虚に入るエゾフクロウは残念ながら単独でしたが、私が道東入りをしていることを知り情報を寄せてもらえることが何よりも嬉しく思います。

 

 

別の場所で見られるエゾフクロウを観察しようと考え移動を始めると牧場付近で複数のタンチョウを目撃しました。

 

体長が大きいだけに離れていても存在感は抜群。

 

 

ファインダー越しにタンチョウの吐息が見られ、鳥の呼吸を感じることができるのもこの時期の北海道ならではでしょうか。

 

 

一頻り観察したところで再び移動を始めると今度は道路端にタンチョウが。

 

車を止め“北海道の日常”を撮影しようと思いカメラを構えると突然始まった求愛のダンス。

 

 

近過ぎたことに加えて挙動が大きく構図もへったくれもありません。

 

こんなにも間近でタンチョウの求愛ダンスを見たのは嘗て大潟村に住み着いていたタンチョウを観察して以来の出来事です。

 

当時、独りぼっちで求愛ダンスをするタンチョウを見て切ない気持ちになったことを思い出しました。

 

道路端で求愛ダンスをするタンチョウを眺めていると雪が降り始めロケーションは抜群。

 

 

エゾフクロウを観察するため先を急ぎ、撮影できたのがこちらのシーン。

 

 

念願叶って雪の降るなかエゾフクロウを見ることができました。

手短にエゾフクロウを撮影したところでこの日の観察はここまで。

 

宿泊先へ移動しゆったりとした時間を過ごしましたが、この日の夜は予想もしない出来事が待っていました。

 

 

夕食を済ませ風呂に浸かり、就寝前に星空でも眺めようかと外の様子を見てみると野晒しになった馬の姿が...

 

牧場が経営する宿だったこともあり、馬が居て当たり前なのですが夜も野晒しということにビックリ。

放射冷気が効いて外はかなりの冷え込みです。

 

 

「馬は寒くないのかな」と思っていると真っ正面に流れ星。

その瞬間、ガタガタガタガタという物音が。

 

こんな時間に重機でも動かしているのかと思った瞬間、激しい揺れに襲われました。

 

揺れが始まってから間もなくスマホの緊急地震速報。

 

 

馬たちはパニックになって走り回っています。

 

慌ててテレビをつけると鶴居村は震度4。

幸いにも鶴居村は内陸の地域であるため大きな地震が発生しても津波の被害は無いと考えましたが、久しぶりの大きな揺れは東日本大震災を思い出すこととなりました。

 

暫く情報収集にあたり余震に備えましたが、特段できることもなかったため必要最低限の荷物を纏め就寝することに...

 

 

2023年2月26日

 

 

日程4日目。

 

3泊4日の旅もこの日が最終日。

 

この日は時間の許す限りタンチョウの観察を行い、正午過ぎに中標津空港へ戻る計画を立てました。

 

 

先ずは音羽橋で見られるタンチョウの塒の観察から。

 

早朝の時間帯でしたが現地へ着くと駐車スペースはほぼ満車状態。

橋はバードウォッチャーで大変な賑わいです。

 

 

人と人の隙間から盗撮するようにタンチョウの塒を撮影。

 

-16℃まで冷え込んだ影響により木々も凍りつき幻想的な風景が広がっていました。

 

 

この後の予定としては塒立ち観察終了後、伊藤サンクチュアリへ移動する計画を立てていましたが考える事はどなたも同じでしょう。

 

一斉に移動が始まると伊藤サンクチュアリの駐車スペースが確保できない恐れがあり、早々と音羽橋を離れることに。

 

 

伊藤サンクチュアリでは9時になると給餌が行われるため、それまでにタンチョウたちが続々と集まります。

 

飛来する前に腹ごしらえと羊羮を食べていると真っ正面からタンチョウが飛来。

 

撮り損ねました。

いつものパターンです。

 

 

しかしこの後に同じような場面が何度も見られることは想定済み。

そのため然程動じることなく次の飛来を待ちました。

 

5分ほど経った頃でしょうか。

次に姿を見せたのは家族群と思われるタンチョウたち。

 

 

成鳥2羽と幼鳥1羽を確認できました。

 

その後続々と飛来し、あれよあれよという間に数が増えていきます。

 

 

8時半頃にもなると給餌場は大変な賑わい。

 

 

多少距離は離れていましたが、鳴き交わしをする個体、求愛ダンスをする個体を見ることができました。

 

この時間になっても冷え込みは強く、鳴き交わしをする際に見られたのはタンチョウの吐息。

 

こちらは拡大画像。

 

 

こうした場面を逆光の位置から撮影すると陽の光に照らされたタンチョウの吐息が赤く染まり“火を吹くタンチョウ”のように見えるのは有名なお話。

 

残念ながらこの日はそうした場面を見ることができなかったものの、躍動的な場面が多く眺めているだけで楽しいと思える時間が続きました。

 

 

給餌の時間に合わせて観察場所を移動。

 

 

移動した先ではタンチョウとの距離が近くなるためスマホで動画撮影してみることに。

 

 

タンチョウたちは時刻を知っているかのように給餌場の方へ集まり、9時になると給餌が始まりました。

 

オジサンが餌を撒くのかと思いきや、お姉さんが登場し手慣れた手付きでトウモロコシを撒いています。

 

 

目の前ではトウモロコシを啄む個体、餌には目もくれず求愛ダンスをする個体と様々。

 

 

ダンスを終えて向かい合い、胸を反るように鳴き交わすペアが印象的でした。

 

誰しもが思い浮かべるツルの姿かもしれません。

 

 

幼鳥も見よう見真似でダンスをしたりと微笑ましい姿も見ることができました。

 

10時頃になると給餌場を離れる個体が多くなり、タンチョウの観察を終えたところで道東のフォトツアーは終了です。

 

お天気にも恵まれ最高の旅となりましたがこの後に予期せぬ展開が...

 

 

中標津空港へ到着し出発時刻まで少々余裕があったことから、友人との別れを惜しみ最後の昼食をとっていた時の出来事。

 

スマホに届いたANAからの通知に仰天。

 

 

秋田へ帰れなくなってしまいました。

 

一体何が原因となり欠航になったのか。

理由が分からなければ対策を講じることもできません。

 

 

急ぎ足でカウンターへ走り欠航の理由を尋ねてみたところ『千歳空港が大雪の影響により、滑走路が1本しか使えてない』とのことでした。

 

更に視界が悪く、出発便も到着便も大幅に遅延しているそうです。

 

幸いにも秋田空港周辺の天候はフライトに影響が無かったようなので、中標津から羽田へ移動しV字で秋田へ帰ることを決断。

 

チケット振り替えの手続きをする前に羽田発~秋田着の予約を入れようと思ったところ、何と全便が満席になっていました。

 

空路は八方塞がりとなり羽田から陸路で秋田へ戻る手段もありましたが、こうしたトラブルでじたばたしても良い結果は生まれません。

 

 

この時点で旅程を一日延長することを決断して千歳空港周辺の宿を予約。

 

中標津空港を2時間遅れで出発し千歳空港へ到着するとターミナル内は大混乱。

 

カウンター前には払い戻しや振り替え便の手続きのため長蛇の列ができていました。

 

 

改めて早めの決断をして良かったと思いつつ、時間に余裕ができた私はショッピングワールドを散策してみることに。

 

ショッピングワールドには北海道各地から集められた銘菓・海産品・生鮮食品・スイーツ・お酒などが数多く揃い、なかには新千歳空港限定品もあります。

 

 

一通り見て回ったところでやって来たのはラーメン道場。

 

 

北海道の人気店が集まる店舗とあって何処のお店に入ろうか悩みましたが、一際行列の目立った『一幻』を選択。

 

一番人気のお店とあって着席するまでに30分ほど掛かりましたが、こちらでは“えびみそラーメン”を頂いてみることに。

 

 

味の方はとにかく濃厚。

海老のスープが太麺によく絡み、空腹を満たしてくれる満足の一杯でした。

 

呑気にラーメンを食べることができたのも早めの決断があったからこそ。

千歳空港へ到着してから既に数時間が経過していたものの、カウンター前の行列は解消されておらず一様に疲弊した様子が伺えました。

 

 

2023年2月27日

 

 

波乱含みの展開から一夜が明け、起床して直ぐにローカルニュースを見てみると千歳空港ではターミナル内で約350人の方が一夜を過ごしたとの報道がありました。

 

振り替えが上手くいかず宿泊先も見つからなかったのでしょう。

 

この日の天候は前日と一転して青空が広がる良いお天気。

航空機の離発着に支障はなく無事に秋田へ帰れることを確信し千歳空港へ。

 

朝一番でやってきたのはラーメン道場。

二日連続の道場破りです。

 

「たのもー!」

 

 

前日はこってりとしたラーメンを頂いていましたが、この日選んだのは王道とも言える札幌ラーメン。

 

あっさりスープが売りの“雪あかり”味噌バターコーン。

 

 

謳い文句にある通り、あっさりスープの味噌ラーメンは朝にぴったりの一杯でした。

 

食後直ぐに保安検査を受けましたが、一般カウンターは前日の混乱を引きずっており長蛇の列が...

 

プレミアムチェックインカウンターも多少混み合っていましたが一般カウンターに比べると流石にスムーズ。

昨年修行しておいて本当に良かったと思わされる一幕でした。

 

 

搭乗口へ移動し旅の最後は雪印パーラーのソフトクリームで締め括り。

 

 

地震に見舞われたり搭乗便が欠航したりと出発前はこの様な展開になると想像もしていませんでしたが、予期せぬ展開も含め色々な意味で記憶に残った旅になったことは言うまでもありません。

 

 

道東を含め北海道では観察したい生き物が沢山。

また季節を変えて北海道の旅を楽しみたいと思います。

 

 

2023年 野鳥観察の旅 in 道東(2月) はこれにておしまいです。