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2017年10月1日 24/9℃ 晴れのち曇り




10月最初の日曜日。


一雨ごとに季節が進み今日は秋田市でも一桁の気温を記録しました。
朝は冷え込んだものの高気圧に覆われ青空が広がる予報が出ていたので今週も山に足を運びタカの観察です。

実は先週の海鳥観察を終えて直ぐ、帰宅することなく山で観察を行っていたため3週連続。
今日の日記は前回の撮影した写真も交えてお話を進めていきたいと思います。

 


最初に掲載するのはこちらの画像。

 

 

山の上に浮かんでいるように見えた謎の物体。
望遠レンズで撮影しているため肉眼ではもっと小さく見えます。

この物体の下に広がる風景を写した画像。

 

 

タカの渡りを観察するため見晴らしの良い場所に立つと目の前は浅く谷になっており、向かい側には小さな山が目に入ります。

この山の上に浮かんだ謎の物体は垂直に高度を上げているように見えました。
しかしそれは目の錯覚であり、居合わせた地元の先輩が『あれクマタカだよ!』と言うのです。

私の目には鳥が飛んでるようには見えず俄に信じがたいところでしたが、望遠レンズ越しに見てみると垂直に浮いていたように見えたものが徐々にこちらに接近してることが判りました。

羽ばたくことなく近付いてくるクマタカは翼を広げることなく肩の部分を少し開いているだけ。

 

 

狩りをする為に翼をすぼめ猛スピードで飛ぶ時とは全く違った印象。

よくこれで揚力が稼げるものだと思うと同時に、こういった飛翔能力の高さが森林性のタカとして森の王者と言われる由来なのかもしれません。


定位置となっている鉄塔へ吸い寄せられるように飛翔するクマタカは、先々週に紹介した時と違いこの時は避雷針に止まりました。

相変わらず人が大勢いても気にすることなく羽繕い。
そしてこの時は真上を向いて大きな鳴き声を聞かせてくれました。

 

 

この山の付近には家族3羽で暮らしているとのことで何かしらのコミュニケーションを取っていたのかもしれません。

 


暫くこの場所で休んでいましたが獲物を見つけたのか前触れもなく突然飛び立ちました。

 

 

 

驚いたことに私を目掛けて急降下。

 

 

そして少し軌道を修正したところで谷底に向かって猛スピードで飛んでいきました。

 


この時の興奮が忘れられず性懲りもなく今日もクマタカの出待ち。
しばらく待っていると今回はカラスに集られながら面倒臭そうに現れました。

 

 

鉄塔に止まった後も暫くの間カラスにちょっかいを出されこちらに背を向けたまま。

写真を撮るにもイマイチでここで思い付いたのが最近マイブームの動画撮影。
ただ鉄塔に止まるクマタカを撮影したものですが、スコープにスマホを押し当てて録画しても結構綺麗に撮れるものです。

 

 

面白いものだと再び動画撮影を行っていると突然飛び立ちこちらに向かって急降下。

やっちまった。
スマホ片手に呆気に取られ見ていましたが、クマタカは直ぐそばに立っていた人の頭を掠めるように飛んで行きました。

せっかくのチャンスを逃してしまい再びクマタカが現れるまでタカの渡りの観察です。

 


大きな姿を見かけるとクマタカかと思い期待が高まりますがその殆どはトビ。

 

 

小型のタカであるハイタカやツミにからかわれている姿をよく目にしました。

ふと振り向くと後方にもトビが飛んでいましたがそのうちの1羽がサイズが大きいように見えました。

再びクマタカの登場。
しかし逆光で非常に観察し辛くどうしたものかと悩んでいると・・・

 

 


「ん?このクマタカ何か変だ」

逆光を承知で撮影。
ファインダー越しに見えたその姿は・・・

 

 


イヌワシだ!

 

 

前々回の観察の時にも姿が見られたイヌワシ。
しかし私だけが姿を見ることができなく終わっていただけにこれはラッキー。


イヌワシはある程度大きくなると親の縄張りから追い出されてしまう為、普段いることのない場所で確認されるイヌワシは殆どが幼鳥です。
羽の特徴を確認してみると前々回(9月17日)現れた幼鳥と同個体ということが分かりました。
※野鳥の会 秋田県支部公式ホームページ タカの渡り速報参照

 

前々回は南下していく姿が確認されていましたが、今回は北上していったので自分の居場所を探して迷行している可能性があります。



目線の高さで接近してきたイヌワシはこちらの存在が気になったのか急に方向を変え徐々に遠退き視界から消えていきました。

 

 

いるはずのない場所で山の王者を見ることができたのは嬉しいの一言。

そんな猛禽三昧の一日はあっと言う間に過ぎていきましたが、クマタカはまだ納得の行く観察ができていないので機会をみて再び観察にチャレンジしたいと思います。

今日の観察日記はここまで。